【ITコンサルタント入門】プロジェクトでの役割や求められるスキル、キャリアパスを解説

システム監査への転職は未経験からでもできる?仕事の必要性や向いている人
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IT社会とITコンサルタント

かつてIT(情報技術)は、人間のやることを機械化することによる省力化が重要な役割でした。会計業務の元帳処理や決算業務のシステム化が業務の効率化や早期化に大きな効果を上げました。もちろん、今でも省力化はシステム化の重要な役割です。しかし、今日のIT(以下、通信を含むICTもITとして表現する)は、大きく進化しビジネスを支えるインフラや新しいビジネスモデルを作り上げるプラットフォームになりました。

ITを活用しないでビジネスを成功することは、不可能となり、IT活用の成否がそのままビジネスに直結する時代です。

このような中で、ITコンサルタントのポジションが確立され重要な役割をはたす職業となりました。

ITコンサルタントとは、1)IT(情報技術)をスキル基盤に置いて、2)お客様の課題を理解して解決案を提言し、3)解決案の実現を支援する人」です。

お客様は、やりたいこと、実現したいことを訴えますが、ITを活用してどのようにそれを実現したらよいかは、なかなか意思決定できません。ITは、ムーアの法則に代表されるように日々進歩し、新たなアイデアや仕組みが生まれています。お客様が、ITの情報や高度に専門化された技術を、評価し使いこなすことはとても困難です。

ITコンサルタントは、このようなお客様を支援し実現したいビジネスモデルやプロセスを成功に導くお手伝いをするのも役目です。

ITコンサルタントの活動領域

ITスキルを基盤とするコンサルタントですが、その活躍の土俵は非常に広範囲となります。当然一人ですべてをカバーすることはできません。それぞれに得意分野を選択し、お客様やシステムベンダー(SIer、ISVやHWメーカなど)と連携してゆくことになります。
大きく分類すると、ITスキル基盤ベース、ファンクションベース、インダストリーベースの3次元の切り口のなかで、ITスキルを軸にしながら得意分野を深めたり広げたりしてゆきます。 itconsul 03 - 【ITコンサルタント入門】プロジェクトでの役割や求められるスキル、キャリアパスを解説

ITスキル基盤ベースの分類IT戦略コンサルタント、ERPコンサルタント、BIコンサルタント、セキュリティコンサルタント、インフラベースコンサルタント、PMOコンサルタントなど

ファンクションベースの分類FIN(会計)システムコンサルタント、SCM(サプライチェーンマネジメント)システムコンサルタント、CRM(カスタマリレーションシップマネジメント)システムコンサルタント、HRM(ヒューマンリソースマネジメント)システムコンサルタント、その他(固定資産、経営情報ダッシュボードなど)

インダストリーベースの分類金融業システムコンサルタント、流通業システムコンサルタント、製造業システムコンサルタント、メディア・エンターティンメントシステムコンサルタント、通信・エネルギー業システムコンサルタント、公共システムコンサルタントなど

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プロジェクトでの役割

システム構築のステップは、いろいろバリエーションはあるものの、ざっくりいうと以下のようになります。(最近のアジャイル開発などでは、要求定義→設計→開発→テストがコンパクトに統合されて行われるものもあります)itconsul 04 - 【ITコンサルタント入門】プロジェクトでの役割や求められるスキル、キャリアパスを解説

システム開発のステップビジネス課題→システム面での解決案の策定→システム企画提案承認→プロジェクト:要件定義→プロジェクト:基本設計→プロジェクト:詳細設計→プロジェクト:開発→プロジェクト:システムテスト→プロジェクト:導入→システム運用・メンテナンス→システム改善、プロジェクトマネジメント、ITインフラマネジメント

IT戦略コンサルタントビジネスの課題解決のためにITを利用する場合、どのようなインフラにするか、パッケージにするか、セキュリティはどうあるべきかなど提言します。さらにITオリエンテッドに考えてビジネスモデルはこうあるべきなど、お客様や戦略コンサルタントと考えることにもなります。

ERPコンサルタントSAP、Oracleに代表されるようなERPパッケージを使って、プロセスを導入してゆくコンサルタントです。会計、SCMなどそれぞれに専門領域を持つコンサルタントでパッケージの適用の仕方に熟知しています。

BIコンサルタント企業内外のデータ(あるいはビッグデータ)を活用して、意思決定支援の仕組みを提言します。経営ダッシュボードのような経営層向けのものから、SNSのデータを活用した消費者への商品提案などデータ分析まで、対象はいろいろです。

セキュリティコンサルタント情報漏えい問題やウイルス対策などシステムの虚弱性に対する対策を幅広く提言するコンサルタントです。

インフラベースコンサルタントデータベース、ネットワーク、仮想化システム、プラットフォームなどシステムの基盤に関するコンサルタントです。

PMOコンサルタントお客様のPM(プロジェクトマネジャ)と一緒になってマネジメントを行います。お客様の現場部門、システム部門、経営層、システム子会社、ソフトウエアベンダー、開発ベンダー(SIer)、ハードウエアベンダー、運用メンテナンスベンダーなど、プロジェクトには非常に多くの関係者が集結します。それぞれのタスクを設定しスケジュールを管理し、WBS(ワークベンチストラクチァー)を円滑に回します。

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ITコンサルタントの価値観とスキル

顧客指向、変革指向、自信意欲の価値観

ITコンサルタントが、SE(システムエンジニア)やプログラマと基本的に違うところは、お客様の言うことをしっかりやるというだけではなく、お客様の要望を理解した上で、解決案を提言することにあります。お客様が気付いてないことや心配していることを提案・助言することが付加価値であり期待されていることです。従って、「お客様に貢献する」という意識と行動が常に必要です。また、提案や助言は今までとは違うアプローチや目標を含むものなので、自分がお客様や関係者をリードして改革(や改善)してゆく心構え、すなわち変革指向が大事です。そして、提案や解決案は、自信をもって実現するように行動しなければなりません(自信意欲)。
コトラでは、仕事の価値観診断「コトラ HRサーベイ」を実施しています。あなたも、是非自分の価値観を測ってみてください。
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軸となるIT(情報技術)スキル

ITの領域は広範ですが、自分の強み(主軸となるITスキル)は何かを明確にして、深堀しておくことが大事です。ビジネスインテリジェンス(BI)を中心としたコンサルタントを目指すのであれば、データベースや分析ツールなどのスペシャリティを身に着けた上で、それ以外、たとえばERPやIT全般に幅広く知識を増やし協業するメンバーと会話し難問を解決してゆくことになります。いわゆるT字型スキルやΠ字型スキル(二本足)開発をしてゆくことになります。

ファンクションや業界のスキル(知識と経験)

ERPコンサルタント、たとえばSAPパッケージの会計(FI/CO)モジュールのコンサルタントの場合、SAPのパラメータを設定できるだけであれば、それはコンサルタントではありません。パラメータ設定ができて、そのうえで「財務会計の決算処理のプロセスはこうあるべき」とか「管理会計のユニットは、お客様の会社では、こうあるべき」と提言できて初めてコンサルタントです。
さらに言えば、石油業界の会計では、とか、自動車業界のサプライチェーンでは、というように業界も含めて考えることが必要です。 ITコンサルタントとして経験を積む中で、次第に金融業界に詳しくなったり、自動車業界に詳しくなったりしてスキルを高めてゆくことになります。

ITコンサルタントのキャリアパス

SEやプログラマの経験がある人は、社会経験の出発点がITから始まっているので、ITコンサルタントへの第一歩は、踏み出されています。外資系ITコンサルティングファームに新卒で入社した人も、入社後数年はプログラムコーディングなど研修と実践をしてきているので同様です。

その上で、お客様や上司から言われたことだけをやるだけではなく、問題意識を持ち問題の本質は何かを考える習慣をつけて、疑問を提示し議論を促し、たとえ簡単なことでも提案に結び付けられるようになれば、コンサルタントへ踏み出していけます。itconsul 08 - 【ITコンサルタント入門】プロジェクトでの役割や求められるスキル、キャリアパスを解説

上記は、外資系ITコンサルティングファーム内でキャリアアップを重ねてゆくイメージです。
ARM:アカウントリレーションマネージメント担当パートナーです。以前は、コンサルファームに営業担当はいませんでしたが、顧客対応のために営業担当を置く会社も増えてきました。
BM:ビジネスマネジメント担当パートナーで、サービスライン(ファンクション)担当、インダストリー担当、IT領域担当それぞれのパートナーがいます。
PM:プロジェクトマネジメント担当パートナーで、大規模プロジェクトを推進する場合に設定されます。
SME:サブジェクトマターエクスパートパートナーです。専門領域(たとえばセキュリティ、SAPのインフラ領域など)に特化したパートナーです。

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ITコンサルティングファームの強み

外資系のITコンサルティングファームでは、戦略からシステム運用まで幅広くプロジェクト遂行のための方法論を世界標準で準備しています。方法論は、プロジェクトの品質とスケジュールを確保し、失敗リスクを低減するための重要なツールです。これらの方法論は、お客様プロジェクトから得たノウハウや各種のスタディから得た知見を凝縮して構成されファーム収益の基盤なのです。
そして、これらの方法論の研修と同時に、コンサルタントとしての考え方や姿勢を、入社後、定期的に研修することを義務付けています。コンサルティングファームの資産は、人材(人財)であり、そのビジネスモデルの基盤維持に、教育・研修が時報に大事となるのです。
一方、このような充実した研修体系は、転職者個人が会社の職場内でステップアップする際にも、事業会社に転職する場合にも、また自ら起業する場合にもたいへん貴重なスキルとなります。
ITコンサルティングファームでの経験をステップとして、転職後、事業会社のCIOになったり経営企画で活躍したりする人が多いのも、そのためです。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)