ゲストのご紹介
SOLIZE株式会社
変革エンジニアリングサービス部
ジェネラルマネージャー
櫻井 敦 様
2000年にSOLIZE(旧インクス)に入社してから2010年までCADコンサルのプロジェクトリーダー/プロジェクトマネージャーを務める。2010年から約10年間、その他全般的なプロジェクトマネージャー/イノベーションパートナーを経験した後、2020年4月から品質管理責任者、人材配置責任者となる。2021年5月からは現職の変革エンジニアリングサービス デリバリーの責任者(GM)に就任。
SOLIZE株式会社
変革パートナー部
シニアマネージャー
寺田 晶太郎 様
京都大学工学部を卒業後、自動車OEMにおいて、生産技術部門(組立工程)で現場のQCD改善、新車生産準備などに従事。
2014年より、SOLIZE Innovationsに参画し、重電メーカー・自動車部品メーカー・自動車OEMなどの顧客に対し、設計業務変革(3D化・デジタル化)、調達業務変革(海外調達推進) などのテーマで変革活動をリード。2020年より、パートナーとして自動車業界を中心に顧客の業務変革を企画立案からご支援。
2018年より、電子情報技術産業協会(JEITA) 三次元CAD情報標準化専門委員会において専門委員を務める。また2020年より、日本自動車工業会(JAMA) 3D図面JIS化タスク/DEデータ流通改革タスク に参画。
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「本質的に美しいものづくり」への貢献ができる会社
コトラ:
SOLIZEの会社紹介(会社の変遷など)についてお話いただけますか。
櫻井様:
弊社は1990年に創業し、一貫してものづくりの3D化・デジタル化によるお客さまの業務の生産性向上を支援しています。
1998年に携帯電話の試作金型事業を始め、自社内での徹底的な効率化・改善の手法を体系化し、それをサービスとして提供する形で、2000年にコンサルティング事業を始めました。また3D CAD事業で培った経験を活かし、3D CADのコンサルティングも始めました。
この二つが弊社のコンサルティングの源流です。
弊社の理念は「進化を感動に」、使命は「知恵と技術をエンジニアリングし、価値創造を革新する」「『本質的に美しいものづくり』を実現する」、スローガンは「人間の創造性はこれからだ」を掲げています。
具体的には、皆さんの思ういいもの(ニーズがあるもの)に対して、知恵と技術を集約して価値を作っていけるような世界を目指しています。
コトラ:
では、変革エンジニアリングサービス事業部 (以下、SI事業部)についてお話いただけますか。
櫻井様:
私の所属するSI事業部について説明します。
製造業の暗黙知を起点とした真のDXに貢献し、業界No.1のポジションを獲得することを中期的な目標として取り組んでいます。
SI事業部のコンサルティングは、お客さまの現状業務を可視化して、戦略・人・組織・業務・技術を含めて目指す業務を描き、そこに向けての計画立案、方策実行、実業務への適用、定着化までを支援しています。
具体的には、お客さまの現状業務を我々の独自のフレームワークである「プロセス・プロダクト・リソース」を軸に徹底的に可視化し、定量的かつFactベースで課題を洗い出し、お客さまのトップ層とミドル層、現場担当層の現状と、目指す姿に対する認識のギャップを埋めていきます。そして、方策を構築し実際の業務の中で適用していく、またその内容を維持・進化させていくための運用プロセス・体制を構築し、 お客さまに移管、自走化できるところまでを支援しています。
暗黙知を形式化・自動化し、本当に人間が考えなければならないことに注力できるようにすることで、より「本質的に美しいものづくり」への貢献ができると思います。
また近年は、AI技術を活用した業務変革やカーボンニュートラルに代表される環境問題などにも取り組んでいて、製造業全体に貢献していきたいと考えています。
業務のムリ・ムダ・ムラを明らかにし、新しいプロセスを構築する
コトラ:
暗黙知の可視化というと熟練者の方も言語化が難しいところがあると思いますが、御社のコンサルタントの方はどのように形式知化しているのですか?
櫻井様:
暗黙知の可視化の難しい部分は、ベテランはその経験から無意識に複数の検討や作業を同時に行っていて、自分でも整理されていないので、うまく説明できないところにあります。単純に質問すると、場合によるから決められない、と言われます。そのため、検討の順番や場合わけなどを、具体的な背景や根拠などとあわせてヒアリングし明らかにしていくことで、暗黙知を形式知化していきます。
お客さまとチーム一丸となって進めていくので、大変ではありますが、その分やりがいがあります。
コトラ:
それでは経験者採用で入社された寺田様は、どういうプロジェクトに携わってこられたかを教えてください。
寺田様:
私はもともと新卒で自動車メーカーに入社し、生産技術部門において、新車の生産準備や工場現場の困りごとの改善などに従事してきました。
SOLIZEには2014年に入社し、初めは自動車業界から離れて、重工系のお客さまの製品開発やサプライチェーンの改革に携わりました。その後は部品メーカーにおいて、工場自動設備ラインの設備設計プロセスの改革に2年ほど携わりました。具体的には、従来2Dで設計していたため現場で図面と現物が合わなかったり、それが原因で手戻りが発生したりしていたものを、3D設計によって変革していくというものでした。
その後2〜3年は、自動車OEMのお客さまに対して3Dデータを全社的に活用する業務変革を支援するなど、短期のスポットプロジェクトより、長いスパンで支援をするプロジェクトに携わりました。
現在はプロジェクトリーダーからパートナーとなり、おもに自動車業界のお客さまに対して、業務変革の企画立案から支援までを行っています。
コトラ:
重工系、OEM系、サプライヤー系など幅広く経験されてきて、先程の櫻井様のお話にあったように職人技術の見える化や、どう伝承していくかなど、お客さまに共通している課題などはありますか?
寺田様:
複数のお客さまに関わる中で感じるのは、作っている製品や仕事のシステム、ルールは違っても、仕事の進め方やプロセスの本質的な部分、困りごとは似ているということです。
たとえば、「この人なしでは仕事が成立しない」というベテラン技術者が数年後に定年を迎えてしまう、すぐに手を打たないとノウハウが喪失してしまう、というお客さまが非常に多いです。また、頭数は揃っているが組織の生産性が上がらない、特定の人に仕事が集中して若手をうまく活用できていない、外部委託して切り出したはずの仕事の面倒を見ている、仕事の手離れが悪い、などが共通している課題です。
属人化された仕事が多くなっていて、その可視化から依頼をいただき、今のプロセスをしっかり整理して、作業・判断を明確にすることで、業務のムリ・ムダ・ムラを明らかにして、新しいプロセスを構築していくプロジェクトがたくさんあります。
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プロジェクトごとに新しい出会いや経験を積める
コトラ:
寺田様は自動車メーカーから貴社(SOLIZE)への転職経験もありますが、寺田様から見たSOLIZEのSI事業部の魅力はいかがですか?
寺田様:
転職したきっかけでもありますが、もともと自動車メーカーで仕事をする中で、最初の数年は世に出る前の新車の開発業務に携われることにモチベーションを感じていました。しかし経験を重ねるうちに、大企業特有の縦割りの組織で分業体制が敷かれ、同じことを繰り返す中、自分がものづくりのほんの一部にしか携わっていないことにジレンマを感じるようになりました。
SOLIZEで仕事をするようになり、担当するお客さまやプロジェクトが変わるたび、自分の経験や財産を持った状態でリフレッシュできます。
プロジェクトごとに環境がリセットされて新しい出会いや経験を積めるので、そのたびに転職しているような感覚もあり、新しい刺激を求めていた私にはとても向いていると感じます。
コトラ:
では逆に、前職にはなかった現職の仕事の難しさはありますか?
寺田様:
前職では、業務は上からどんどん与えられ、敷かれたレールを突っ走るようなものでした。
しかしSOLIZEでは、自ら提案をしないと仕事が生まれないところや、自分の仕事の成果がどれだけ事業に貢献できたかが明確であるところが大きな違いと感じます。明確というのは、自分の提案をお客さまに採用いただいたら、それによって事業の売上にどれだけ貢献できたかが一目瞭然だということです。
現在私が身を置く業務変革の世界では、目の前にお金を払ったお客さまがいて、自分より年齢もキャリアも上位のステークホルダーと対話する、目的達成のために組織のしがらみや制約を取り払う、という視点での活動が求められていると思います。
SI事業部の組織構成
コトラ:
SI事業部(変革コンサルタント)の組織構成(人数、年齢)について教えてください。
櫻井様:
事業部全体で111名いて、そのうち経験者採用で入社した人が21名です。また、エンジニアリング部門から異動してきたメンバーが10名ほどで、平均年齢は35歳です。
コトラ:
どのようなバックグラウンドをお持ちの方が活躍されていますか?
櫻井様:
お客さまの課題をヒアリングして動ける人、現職で得た知識やプロセスの流れをほかの業界にも応用して展開できる人が活躍していると思います。
また自ら動いて、小さな課題だけでなく部署をまたいだ課題を解決したいと思っている方に活躍していただけると思います。
寺田様:
あいまいな言葉や表現に対して、その裏にある背景や根拠をしっかり理解しながら定量的で明確な言葉に書き下していくことが重要です。私の場合、前職で、工場の製造現場の作業者からこの部品が組みつかない、硬くて入らないといった指摘を受け、それを技術的に解析して設計部門にフィードバックするような仕事をしていましたが、その経験はSOLIZEに入ってからも非常に役立っています。
また何よりも、自分一人の力で現状を打破していくチャレンジ精神はもちろん必要ですが、それに加え、お客さまと方向性を修正しながら、その都度「周りを巻き込んで、周りの力をうまく活用しながらチームで進めていける人」が活躍できます。
櫻井様:
面接では、主体的に動いて課題を解決してきた経験があるか、もしくはその素養があるか、お客さまの課題を自分ごととして最後まで解決する意識があるか、というところを見ていますので、そういった方が活躍されています。
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コンサル未経験でも安心のサポート体制
コトラ:
職種に対して縛りすぎず、周囲の人と推進してきた経験のほうが大事ということですね。コンサル未経験の方が入社後、独り立ちするまでの経験プロジェクト・プロセスについて教えてください。
櫻井様:
まず2週間程度の研修をします。
1週目は弊社のプロセスの手法と実際のプロジェクト事例の紹介、2週目は調査プロジェクトの実践研修(調査の終わりから2〜3週間前の調査資料を用いて追加のヒアリングをしながらまとめ上げる)をします。
それから約3ヵ月のOJTを経て、適切なプロジェクトにアサインします。
プロジェクトリーダーとしてアサインする場合、プロジェクトマネージャーなどを付けてサポートします。
コトラ:
労働環境や働き方について伺っていきたいと思います。まずは常駐や出張の頻度についてはいかがですか?
寺田様:
コロナ禍前は、火曜日の朝にお客さまの事業所に行き、木曜日あるいは金曜日の夕方に戻るという出張ベースの働き方を基本としていました。お客さまの事業所が地方であっても単身赴任はせず、週末は自宅で過ごします。
コロナ禍になり、お客さまも私たちも在宅中心のリモートワークが進む中、出張・訪問しての活動は減りましたが、ここ最近は以前のスタイルに戻ってきている傾向があります。場所や時間の制約を受けないリモートワークならではのよさを感じつつ、同じ資料や画面を見ながら腰を据えてワイガヤをする場合に、対面で行うことの重要さを改めて認識しました。
コトラ:
残業時間はいかがですか?
櫻井様:
月平均で30時間ほどです。36協定の順守に関してはしっかりとマネジメントしており、マネジメント層もそれを守っています。
コトラ:
ワークライフバランスは取れている環境とお見受けしました。それでは、メーカーから御社に転職された方から聞いたギャップがあれば教えてください。
寺田様:
フォロー体制に関しては、私を含む中途採用でキャリアの長いメンバーが業務上の関わりがなくてもしっかりコミュニケーションパスをつくりフォローしています。
また、中途の会や若手の会という社内コミュニティもありますので、Teamsチャットでコミュニケーションを取ったり、集まったりする機会もあります。
櫻井様:
社内はプロジェクト体制とは別の軸で管理体制を作っています。
プロジェクトはプロジェクトリーダーが管理していますが、勤怠や状況のフォローなどはチームリーダーが横軸で利害関係がない状態で管理しています。
候補者へのメッセージ
コトラ:
転職活動されている方へのメッセージをお願いします。
寺田様:
メーカーで仕事をしている中で、今の現場を変えたくてもさまざまな制約でなかなか変えられないところにジレンマを感じている方にぜひ仲間になっていただきたいと思います。
櫻井様:
実務経験のあるワーキングリーダーやプロジェクトリーダーを担う30代の方にぜひ来ていただきたいです。コンサルティングへのキャリアチェンジになる方も、プロジェクトの中で主体的に動いてきた実績のある方は歓迎です。
コトラ:
ありがとうございました。
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■求人
変革エンジニア(コンサルタント)
■業務内容
<対象>
自動車/自動車部品、エネルギー/インフラ、電機などの業界を中心とした製品開発・生産技術領域(設計~生産準備の変革活動)
<仕事内容>
これまでの革新的なモノづくりの追求・実践から培った変革技術に基づき、3DやIT、加工といった要素技術に加え、独自の徹底したプロセス分析・業務変革技術を強みとし、幅広い経営課題解決を支援。
・徹底的なプロセス分析
・職人の暗黙知の形式知化
・3D&ITで自動化と情報伝達
・高速加工などの要素技術研究
また、AIを活用し、2つのビッグデータ(センサーやIT等で集約されるビッグデータ・組織や人の中にあるビッグデータ)を組み合わせることで、更なるお客様の価値創造への貢献を目指します。
<プロジェクト種類>
製造業を中心に、インフラ、サービス、金融業界まで幅広い改革プロジェクトを展開中。具体的にはリードタイム短縮、コスト削減、品質改革、組織改革、技術伝承等。また昨今アジアを中心とした海外案件も増加中。
■必要スキル
<必須>
■製造業にて技術職(設計、生産技術等)に従事されていた方
■周囲の人を巻き込み、部門をまたぐ業務改善/製品改善/組織変革経験のある方
<求める人物像>
日本の製造業を強くするという志のもとに、業務の幅を広げたり、より成長できる環境に身を置きたいとお考えの方。
<応募資格>
【学歴】
・学士、修士、博士
・学部・学科・専攻不問
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