【株式会社格付投資情報センター】情報を取捨選択し格付符号というシンプルな情報を提供することで信用リスク分析をサポートする

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ゲストのご経歴

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株式会社格付投資情報センター
格付本部 コーポレート2部 シニアアナリスト

寺田 聡志様

[ 経歴 ]
大学卒業後、大手生命保険会社に入社。JGB(日本国債)や一般債の運用、マクロ経済分析を行う。2014年1月にR&Iに入社し、化学セクターを中心に担当。
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株式会社格付投資情報センター
格付本部 コーポレート1部 シニアアナリスト

浜田 貴之様

[ 経歴 ]
大学卒業後、大手生命保険会社に入社。融資部門にて与信判断や社内格付などの職務を経験。R&Iに入社し、電子部品業界や自動車・自動車部品、建設機械など様々な業界を担当。
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株式会社格付投資情報センター
格付本部 金融2部 アナリスト

和田 あゆみ様

[ 経歴 ]
大学卒業後、大手銀行に入社。支店で中小企業向けの法人営業に3年従事した後、融資先の調査、行内格付部署に異動し、事業会社の担当として調査やレポートを作成する業務に従事。2020年にR&Iに入社し、リース会社をメインに担当。

インタビュアー

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株式会社コトラ
ExecutiveConsultant

柳田 秀穂

[ 経歴 ]
大阪外国語大学インド・パキスタン(ウルドゥ)語学科 (現・大阪大学外国語学部) 卒業後、株式会社三井住友銀行(当時・株式会社太陽神戸銀行) に入行。マネーディーリング業務、 ALMヘッジオペレーション業務に従事。 途中、さくら投信株式会社に出向し、 運用部ポートフォリオマネージャーとして公社債投信運用業務に従事。その後、法人取引先の事業再編支援業務を経験。 [ 担当業界 ]
不動産金融、不動産ファンド、投信投資顧問、再生エネルギー、バックオフィス(財務会計・コンプライアンス)

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格付本部の部門構成

コトラ 柳田:
皆様が所属されている格付本部は、どのような部門構成になっているのでしょうか。

浜田様:
まず、私と寺田が所属するコーポレート部門は4部構成になっており、1部が自動車・電機で2部が素材や食品が中心です。あとは3部が非製造業で空運、物流などを担当しており、4部は通信、医薬品などのほか区分けしにくい様々な業界を担当しています。

和田が所属している金融部門は1部と2部に分かれています。その他、公共・国際部があります。

コトラ 柳田:
金融部門の1部と2部の違いはどこでしょうか。

和田様:
金融1部は銀行と証券会社などを中心に担当しており、金融2部は保険、カード、リースなどが中心になっています。

コトラ 柳田:
ありがとうございます。

よりミクロな視点で分析に携われる業務

コトラ 柳田:
どのようなご経験をお持ちの方が格付アナリストになれるのかを教えていただきたく、寺田様のご経歴をお聞かせいただけますでしょうか。

寺田様:
私は新卒で大手生命保険会社に入り、そこから4年弱、JGB(日本国債)や一般債の運用、更にマクロ経済分析を行っておりました。2014年1月にR&Iに入社して、今まで10年弱、9年半くらいずっと化学セクターを中心に担当しております。

コトラ 柳田:
転職のきっかけを教えていただけますでしょうか。

寺田様:
前職では金融政策の動向などを含めてマクロの観点からの分析に携わる機会が多く、個人的にはどちらかというと「この業界どうなっていくのだろう」「この会社どうなっていくのだろう」というボトムアップの観点から分析をしてみたいと思ったことが一つです。また、前職では全国転勤があったことで、ライフプランと少しズレがでてきていたという点が大きな理由です。

コトラ 柳田:
R&Iに入社されて、どのような印象を持たれましたか。

寺田様:
入社後の第一印象は、組織がとてもフラットということでした。部長も含めて対等な立場でディスカッションできるというのが、非常に印象的でした。

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格付投資情報センターでの働き方

コトラ 柳田:
次に部門についてお聞かせください。まず1、2、3、4部の人数構成を教えていただけますでしょうか。

寺田様:
各部5、6名くらいずつが基本です。

コトラ 柳田:
ミーティングなどのコミュニケーションは、どのように行っているのでしょうか。

寺田様:
チームが5、6人なので、定期的に何曜日に絶対やるという話ではなく、臨機応変に、必要に応じて行っております。

コトラ 柳田:
リモートワークも制度化されていると伺っているのですが、出社との比率はどのくらいでしょうか。

寺田様:
1週間に3日を限度にリモートワークが行えるようになっております。私はなるべくリモートもうまく使いながら生産性を上げようとしています。

コトラ 柳田:
私は金利のディーラーだったので、格付と一緒に生きてきたようなものなのですが、ひとつ気になっていることがあるため、質問させてください。

会社に大きなイベントが発生した際は、格付を変えないといけない時があると思いますが、そのタイミングはどのように判断されているのでしょうか。

寺田様:
年に一回、格付を更新してしっかり情報発信をするという考えがまずベースにありますが、例えば大型のM&Aや業績予想の大幅修正などのようなイベントが発生した時には即座にマーケットに情報発信できるように準備をします。

企業のリリースをみて、それが格付に影響を与えそうだとか、投資家の方々が知りたいと思われる情報だと我々が認識したら、その場ですぐに話し合うという流れになっています。

コトラ 柳田:
そもそも格付をする前にどのような作業があるのでしょうか。

寺田様:
まず企業からご依頼をいただくと、我々は機密情報を得られる立場になりますので、公開資料だけではなかなかわからない強みや弱み、課題を認識するために、社内の資料を送っていただくことが多いです。その資料や、有価証券報告書などの公開情報もしっかり読み込んで、情報を頭に入れます。

次のステップはインタビューになります。基本的には企業の経営者向けにインタビューを行うのですが、場合によっては、より現場の細かなことを聞くために、事業部門長などにインタビューをして、インプットを更にブラッシュアップしていきます。

最後は格付委員会で、我々がミーティングをして、発行体格付というものの一つの符号、方向性をつけて結論を出すというのが大まかなイメージです。

コトラ 柳田:
事業部向けのインタビューでは、ビジネスを今後どうするかといった点が重要になりそうですね。やはりその会社のビジネスが、今よりはPLが増えるという印象がないと、借金を返せないというイメージになってしまうので…

寺田様:
3~5年先の会社がどうなっていくかをR&Iとして描き評価に落とし込むために、大きな経営方針や財務戦略をマネジメントの方々に伺い、より細かな事業の強み・弱みを理解するために事業部の方々にインタビューすることもあります。

コトラ 柳田:
今はコーポレート部門を担当されていますが、他の部門で他の対象を担当したいといった希望もあるのでしょうか。他の格付部門で言うと金融機関がある認識ですが。

寺田様:
あとは地方公共団体やソブリンもありますね。

たしかに、他のセクターも担当したいと思うことはあります。

コトラ 柳田:
コーポレート部門間の異動などは、比較的多いのでしょうか。

寺田様:
コーポレート部門内は、格付評価においてみるべきポイントが似ているので、異動しても業務への対応は比較的スムーズかと思います。金融と事業会社間での異動となると、指標が違って、決算で出てくる数値も違うので、少しハードルが高いような気がします。

浜田様:
アナリストが所属する部門は大きく分けて3つあります。我々3人が所属している格付本部と、ストラクチャードファイナンス本部、あともう一つはESG評価本部というものがあるのですが、最近はESG評価本部に異動するアナリストもいます。今案件が増えてきていますので。

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アナリストのワークスタイル

コトラ 柳田:
では、次に浜田様のご経歴を教えてください。

浜田様:
新卒で大手生命保険会社に入社して、融資部門に配属されました。与信判断や社内格付などの職務を経験し、企業分析・クレジット分析の知識を習得しました。4年目に異動があったのですが、企業分析などの専門性を磨きたいと思い、転職を決意しました。

コトラさんから紹介を受けて、R&Iに入社しました。

入社してから7年ぐらいは電子部品業界を中心に見ていましたが、一昨年あたりから自動車・自動車部品、建設機械など様々な業界を担当するようになりました。 

コトラ 柳田:
担当が変わったのですね。

浜田様:
そうですね。ただエレクトロニクスと自動車の関連性は増えていましたので、そこまで苦労はありませんでした。同じ部内での異動だったこともあり、あまり違和感なく対応できたかなと思います。

コトラ 柳田:
格付を見るとなると、その気になったら情報は無限にありますし、どこかで区切らないと時間が足りなくなってしまうと思うのですが、その辺の折り合いはどのようにつけているのでしょうか。

浜田様:
この仕事の特徴だと思うのですが、アナリストの分析の仕方だとか、アウトプットというのは個人差があり、各自、スタイルがあります。アプローチの仕方もさまざまです。最短距離を行くような人もいますし、網羅的に調べてその中から必要なものをピックアップしていく人もいます。

私はどちらかというと時間をかけて網羅的に調べるタイプでしたが、最近は家庭の事情もあるので、効率的なやり方に変えています。

いくらでも時間を使おうと思えば使えますし、必要とされる分析以上のものというのも、やろうと思えばいくらでもできると思います。

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コトラ 柳田:
では、次に和田様のご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。

和田様:
大手銀行に入社して、支店で中小企業向けの法人営業に3年ほど従事しました。その後、融資先の調査、行内格付をつける部署に異動し、事業会社の担当として、調査やレポートを作成する業務に1年程携わっていました。

その業務が面白いなと思ったことと、転勤を伴う異動があることの2つの理由で転職を決意して、2020年にR&Iに転職してきました。

今はリース会社をメインに担当していて、3年ほど経ちます。

コトラ 柳田:
金融機関の格付はやはり特殊なのでしょうか。

和田様:
前職で担当していた企業とは業種も違いますし、企業の規模も違いますね。そもそもリース会社とは?というところから始まりました。今も勉強中です。

格付の社会的意義

コトラ 柳田:
一番重要なポイントとして、格付は世の中でどのように役立っているのでしょうか。

浜田様:
メインユーザーは債券投資家です。昨今は膨大な情報が入手可能であり、運用会社が投資対象の全ての発行体を詳細に分析することは非常に困難です。格付会社が情報を取捨選択し、格付符号というシンプルな情報を提供することで、信用リスク分析をサポートすることが主な役割と考えています。そのため、我々が提供する格付符号が外部の投資家から信頼されるものであることが大前提です。

コトラ 柳田:
他社と比べた際の強みなどを教えていただけますでしょうか。

寺田様:
比較が難しいのですが、外資格付会社と比べるとやはり圧倒的にカバレッジ数が多く、日本というマーケットの中では使われる機会が非常に多いというのは、間違いないと思います。

また、当社は日経グループの会社なので、新聞などを通じた情報発信力に強みがあります。

コトラ 柳田:
格付事業以外の事業展開についてお話いただけますでしょうか。

寺田様:
さきほど申し上げたESGファイナンス評価のほかに、年金基金向けの資産運用コンサルティング事業や「R&Iファンド大賞」をはじめ投資信託を評価するビジネスも行っております。また「年金情報」、「ファンド情報」といった専門誌も発行しています。

コトラ 柳田:
格付会社ですと中立の立場で接することが多く、その先のサービスにつなげにくい印象があります。

浜田様:
そうですね。我々がやっている信用格付に関しては、コンサルなどの助言行為ができません。格付の考え方に照らすと、こういうふうに我々は評価していると伝えることはできますが、こうしてくださいとは言えません。

格付本部の雰囲気

コトラ 柳田:
部門の特徴、雰囲気を教えていただけますでしょうか。

浜田様:
分析スタイルなど個々人によって様々ということもあるのですが、結構多様性があり、様々な考え方の人の集合体みたいなイメージの部門です。意見が対立することもありますので、その時は議論を尽くしておりますし、それが許容されるフラットな組織であることが特徴なのではないでしょうか。

コトラ 柳田:
ちなみにクライアントの情報を集める際は、クライアントは快く会っていただけるものなのでしょうか。

寺田様:
状況に応じてですけども、比較的アクセスはしやすいと思います。

浜田様:
そこも含めてアナリストの力量だと思います。窓口の方との関係の築き方で、この人だったら信頼して話せるだろうと思っていただければ、誠実に対応していただけます。それこそ、先ほどの話のように何かクレジットイベントが発生した際も、質問するとすぐに調べてもらって回答をいただくこともあります。

コトラ 柳田:
部内には、どのようなご経歴の方がいるのでしょうか。

浜田様:
複数名いるのが会計士です。過去に監査法人で働いていて、会計士資格を持っているアナリストが複数名います。会計知識は強みになりますので、興味がある方でしたらぜひ挑戦いただきたいと思います。

寺田様:
会計士資格を持つアナリストの存在意義は大きいです。会計士出身のアナリスト社員が社内の勉強会などを通じてスキルアップに貢献しています。事業会社の方もフィットすると思います。IR資料を作成している方など、会社を全体でみることができる人であればいいのではないかと思います。

コトラ 柳田:
銀行の審査部の方などもターゲットになるのでしょうか。

和田様:
銀行出身の方、生保出身の方は多いですが、若手で銀行で法人営業をされていた方も活躍できる環境だと思います。もちろんアナリストは営業はしないのですが、発行体と接する仕事ですので、信頼関係が必要になってきます。金融機関で法人営業をされていた方にご検討いただきたいです。

コトラ 柳田:
働き方について教えてください。御社には転勤がないことも働きやすさにつながりそうですね。

浜田様:
様々な人に話を聞いてみても、金融専門職の中でトップクラスの働きやすさがあると思っています。まず制度面に関しては、テレワークができることに加え、裁量労働制を導入しているため、柔軟な働き方が可能です。

妻が育児休業明けで仕事にかかりきりなので、平日は私が家事・育児を担当することが多いです。こうした制度のおかげで仕事と家庭の両立が可能だと思っています。

繁忙期や突発的な対応事項は当然ありますが、その時は早朝などに対応してキャッチアップしています。

業務面において申し上げると、弊社のアナリスト業務は、スケジュール調整が非常につきやすいです。というのも、年に一度のレビューの時期は、発行体との交渉の中で、ある程度調整することができます。

繁忙期が生じないように分散したり、逆に長期休暇を取るためにある時期に集中させたりといったやり方も可能です。

求められるアナリストの姿

コトラ 柳田:
今後の展望、ご自身として実現していきたいことを教えていただけますでしょうか。

浜田様:
私の展望としては、発行体もそうですが、実際に我々のサービスを使っていただくのは投資家の方々ですので、このアナリストの説明がいいなと思ってもらえると、何かあった際に問い合わせがきて頼りにして頂けます。投資家からも発行体からも信頼をしてもらえるようなアナリストになりたいと思います。

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・事業会社等でIR資料の作成経験(自社の財務状況の分析経験)がある方

■歓迎スキル
・英語力

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)