ゲストのご経歴
PwCサステナビリティ合同会社
サステナビリティ Center of Excellence(CoE)
Director
本多 昇 様
大手食品メーカーでの生産設備・エネルギー設備の技術管理及び環境マネジメント業務経験を経て2002年よりPwCあらたのサステナビリティ部門入所、2018年に大手コンサルティング会社サステナビリティ部門入所、2021年11月より現職。
PwCおよび大手コンサルティング会社では、電力、石油精製、鉱業、金属、化学、製紙、精密機器、窯業、食品、自動車、流通、商社、銀行、不動産、運輸など、幅広い民間業種に対し、気候変動分野のアドバイザリー、サステナビリティ戦略策定支援、環境マネジメント構築支援、サステナビリティ・CSRレポート第三者保証業務、M&Aに付随する環境デューデリジェンス業務、サプライチェーンを対象とした環境・労働安全コンプライアンスアドバイザリーなどを通じた支援を実施。
あわせて、公共セクターへは環境政策策定支援(新規事業設計に向けた調査等)、エネルギーに関する国内外調査、温暖化対策試行事業支援等の経験を有する。
PwCサステナビリティ合同会社
サステナビリティ Center of Excellence(CoE)Manager
アナスタシア・ミロビドワ 様
国際連合、国際協力機構(JICA)、国立環境研究所にて、気候変動、グリーンボンド、サステナビリティ関連の政策に関わるリサーチ業務に従事。
2015年に大手コンサルティング会社に入社し、サステナビリティ戦略策定支援および社会責任投資に関わる支援を提供し、金融機関のESG方針策定や投融資先のESGモニタリングツールの開発をサポート。
2017年よりTCFD関連業務に特化し、金融機関(保険会社、銀行など)と製造会社(化学メーカーなど)における気候変動リスク・機会の評価や気候変動関連の情報開示を支援。2019年にPwCサステナビリティ合同会社に入社。環境学博士。
インタビュアー
株式会社コトラ
Partner
宮崎 達哉
信州大学工学部卒、ゼネコンでの施工管理者を経験した後、三重県庁にて産業政策の企画・運営業務に従事。県庁在籍中に、経済産業省資源エネルギー庁及びNEDOにてエネルギー政策に係る新規事業立案や規制・制度の合理化に従事。デロイトトーマツグループでの地方創生及び教育分野のコンサルティング業務を経て現職。 [ 担当業界 ]
ESG/サステナビリティ領域、シンクタンク、コンサルティングファーム、監査法人、パブリックセクター、教育、経営層、管理系人材、技術者
宮崎:
現職に至るまでのキャリアの経緯についてお伺いできますでしょうか。
本多様:
私は食品メーカーからキャリアをスタートし、生産設備、エネルギー設備の技術管理等業務に従事しておりました。
社外のコンサル会社から、京都議定書絡みで途上国の食品工場での温室効果ガス削減のフィージビリティスタディの専門家として調査に参加してほしいという依頼を受け、協業する機会がありました。
コンサルの方との仕事は刺激的であり、また自分の得意分野を活かせると感じ、転職を決意し、2002年にあらた監査法人(現、PwCあらた有限責任監査法人、以下PwCあらた)のサステナビリティ部門にジョインしました。
その後、私が得意とする領域で人を探しているという話を聞き、移ることになりました。
得意分野に集中して仕事ができるとても良い環境でしたが、2015年のパリ協定以降の、特に民間におけるサステナビリティのビジネス環境の変化が加速化する中で、私の経験からPwCは特にそのような動きに敏感なファームであると感じていました。そんな時、PwCでは今後さらに環境面の専門性強化にも力を入れていくということを耳にし、またそのように動向に敏感に対応するPwCのカルチャーが自分には合っていると感じたこともあり、PwCに戻ることになりました。
アナスタシア様:
私がサステナビリティという領域に関心を持ったきっかけは、大学時代の日本への留学でした。
2010年に青山学院大学に留学し、国際ビジネスの講義で初めてCSRに関して知り、強い関心を持った為、今後サステナビリティ分野について学ぶことを決めました。
母国に戻り、修士過程で日本企業のサステナビリティに関しての研究をした後に、日本の文部科学省から奨学金を頂き、博士過程に進みました。
サステナビリティの研究に関して、修士課程ではビジネス関連が主でしたが、博士課程では、パブリック・アーバン領域について学びました。
博士課程修了後は、さまざまなシンクタンクや国際機関におけるキャリアのチャンスがありましたが、研究者という生活に孤独を感じていた為、個人で研究に没頭するよりも、チームで協力し、連携するような仕事をしたいと考えていました。
また、インターンシップでの経験を通して、自分にはスピード感のある民間の方が向いていると感じました。また、特定ではなく多様な業種に関わりたいと感じていた為、コンサルティングファームへ就職することに決めました。
実際働いてみて、コンサルタントは本当に多様な業種と課題に関わるチャンスが毎日のようにありますので、退屈な日は一日たりともありません。
最初に入社したコンサルティングファームでの業務内容としては、情報開示やESG格付対応に関する業務がメインで、クライアントは、主に製造業でした。
より金融機関におけるサステナビリティの取り組みに関わりたいと考えていたタイミングで、PwCが金融セクターのクライアントが非常に多く、良い関係性を築いていると知り、PwCあらたに転職することに決めました。
宮崎:
PwC Japanグループのサステナビリティ・センター・オブ・エクセレンス(以下、サステナビリティCoE)はどのようなソリューションを提供しているのでしょうか。
本多様:
PwCあらたでは、Strategy、Transformation、Reportingという3領域でソリューションを提供していますが、サステナビリティCoEではこのうち主に、全社戦略・気候変動・サーキュラーエコノミー戦略策定や非財務情報の可視化・分析といったStrategyの領域、事業・ポートフォリオ・オペレーション変革や非財務指標見える化・モニタリング管理仕組構築などのTransformationの領域を担当しています。
また、PwC Japanグループ(以下、PwC Japan)が有している元来のファンクションである戦略コンサルやM&A、あるいはレポーティングというプロフェッショナルサービスとサステナビリティCoEの持つサステナビリティの専門性の連動により、より付加価値の高いサービスを提供することが可能となっています。
難易度の高い、前例のない問題にPwCの総合力として対応するための組織
宮崎:
PwC Japan内でのサステナビリティCoEの役割についてお伺いできますでしょうか。
本多様:
PwC Japanのさまざまな専門部隊、主にAssurance、Consulting、Advisory、Tax、Legalなどの従来からのサービスラインの強みを生かし、そこへサステナビリティを織り込んで提供するという体制が私たちの強みであり、企業の求めている期待や要望に応えることができるスタイルであると考えています。
サステナビリティCoEは、難易度が高く前例のないようなクライアントのサステナビリティ課題の解決に、PwC Japanが総合力を発揮して対応するために機能する組織です。
そのため、サステナビリティCoEはPwC Japanにおけるサステナビリティ領域のリーダーシップを担いつつ、日々変化するサステナビリティの動向に対応するサービスツールの開発、あるいはマーケティング手法の提供を主軸とし、そこで構築したものを各サービスラインと共有し、専門的なスキルと組み合わせてクライアントに提供するという役割を担っています。
宮崎:
プロジェクト事例についてお伺いできますでしょうか。
本多様:
ビジョン・長期戦略・中期計画・事業戦略策定のプロジェクトについてお話しします。
基本的には、重要領域を特定し、そこから具体的な目標、中期計画を設定する支援ですが、長期戦略、将来目指したい姿をビジョンからバックキャスティングしていき、中期計画に落とし込むというプロセスで進めていきます。その際、どの領域を重点的に取り組んでいくかの議論や、戦略をどれだけ具体的な取り組みとして落とし込めるかが重要なポイントとなります。
温暖化対策におけるネットゼロの取り組みなど、少し前では温室効果ガスを実質ゼロとするなどありえないという考え方が当たり前でしたが、現在では企業の取り組みにおいて重要度が極めて高まっているテーマです。クライアントが先進的なことを実現しようとするときに、それを可能とするための戦略や計画とはどのようなものか、その検討に必要な情報や仮説的なアプローチを提案し、関連する調査・分析をし、そのアウトプットとしてクライアントに納得いただけるような戦略や計画へとつなげていきます。
そして、それを実際に事業に落とし込んでいくのが次のステップですが、いかに事業部門と連携して実行する体制に持っていけるかが重要なポイントです。予算化をどのように行うか、それを実行する時に既存のリソース、技術で全て間に合うのか、間に合わなければどのように対応するのかという具体的なアクションを検討するステージの支援となります。
アナスタシア様:
気候変動とリスクに関するプロジェクトについてお話しします。
まず気候変動は主に企業の排出する温室効果ガスの大気における濃度の増加により引き起こされていますが、企業はこのことにより2つのリスクに直面しています。
ひとつはこの様な異常気象が直接事業に及ぼす物理的なリスク、もうひとつはステークホルダーの価値観の変化や、法規制の変化、技術の変化などの移行リスクです。
このようなリスクは今後も増加しますので、企業は今後の10年、20年、30年にわたり、このリスクが事業に対してどのような影響を及ぼすかというシナリオを作成し、事業・財務への影響分析を行う必要があります。
PwCはそのような活動に対して、製造業や、金融機関といった業種ごとにそれぞれの要望に沿った支援を行っています。例えば、製造業のクライアントは自分たちの事業にどのような影響があるか分析をしたい、金融業のクライアントはファイナンス先の銘柄企業に及ぶ影響の分析をしたい、という要望に合った支援をしています。
まずクライアントの現時点の財務状況を把握し、その実績をもとに、気候変動シナリオの予測データ(法規制変化、市場変化等)を用いて複数の要素を加味し指標は今後どう変わるかを検討し、今後の財務状況への影響を予測しています。
サステナビリティに対する情熱を持つプロフェッショナル集団
宮崎:
働き方に関してどのような特徴や良さがあるとお考えでしょうか。
本多様:
合理的な考え方が好まれる組織です。例として、従来から続く習慣であっても実際にあまり意味がないと皆が感じた場合はためらわずに廃止することもあります。サステナビリティCoEだけではなくPwC全体についてですが、ディスカッションが多く、意見を出しやすい環境です。
アナスタシア様:
自主性を重んじられているので、イニシアチブを持つことが大切です。上下関係があまりなくフラットなカルチャーですので、ポジションに関わらず誰でも意見を出せます。
働き方に関しては、フレキシビリティがあり、コロナ禍前からリモートワーク制度を使うことができましたし、現在はリモートワークが中心です。また、自分の都合に合わせて、柔軟にフレックス勤務もできます。
宮崎:
最後に御社への転職を希望される方にメッセージをお願いします。
本多様:
PwCの戦略コンサルティングやM&Aあるいはアシュアランスの専門家チームと連携してサステナビリティの仕事をできるのがPwCサステナビリティ合同会社の良さであると考えています。
サステナビリティの取り組みにおいて社会に影響を与えるリーダーとなるような先進的なクライアントを支援する仕事です。
そのような仕事は前例がなく難易度が高いですが、仕事を通じて社会へ影響を与えたいと思われる方がいらっしゃいましたら、ぜひサステナビリティCoEに興味を持っていただければと思います。
アナスタシア様:
PwC JapanのサステナビリティCoEチームは「サステナビリティに対するパッションを持つ個人の集まり」という定義もありますので、そういう意味では情熱を持って自律的に動きたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひチームにお迎えしたいと思いますので、ご応募をお待ちしております。
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