ゲストのご経歴
PwC Japan有限責任監査法人
財務報告アドバイザリー部
Partner
福永 健司 様
メガバンクに16年勤務の後、ITコンサル企業を経てPwCへ。
現在、PwC Japanグループのコーポレート・トレジャリー業務のリーダー。財務報告アドバイザリー部におけるデジタルチームのリーダーも務める。
メガバンク勤務時代に海外キャッシュマネジメントの企画開発に携わった経験を活かし、2011年に監査法人でコーポレート・トレジャリー・ビジネスを立ち上げ。事業会社の財務部門や資金部門に対し、構想立案から、為替や資金決済に関わる専門的なアドバイス、システム選定と導入サポート、M&Aに伴うトレジャリー業務分離統合まで、事業会社のグローバル展開を資金管理面からサポートしている。
また、メガバンク時代に海外勘定系システムを始めとした多数のシステム関連プロジェクトに携わった経験を活かし、監査法人内でデジタルチームを立ち上げ。銀行の勘定系システム更改や、RPAの導入・展開、SAP S/4 HANAの財務会計・資金管理モジュールの導入、BIツールを駆使した企業のファイナンストランスフォーメーションなどもサポートしており、金融機関、一般事業会社の両方に対してテクノロジーを活用した案件を推進している。
PwC Japan有限責任監査法人
財務報告アドバイザリー部
Director
浜島 常雄 様
ITや会計領域でのコンサル及び監査業務を経てPwCへ。
現在、財務報告アドバイザリー部におけるデジタルチームのサブリーダーを務める。
コンサルティングファームでは営業領域や会計(財務会計・管理会計)領域のシステム導入プロジェクトを多数経験。ユーザーと一緒に業務要件の検討を行い、海外やITベンダーを束ねるチーム・リーダー(プロジェクトマネージャー)等を担当。
各種システムの導入経験や金融機関での会計・リスク領域でのアドバイザー及び監査の経験を活かし、監査法人内で金融機関の各種業務や会計・経理業務のデジタル化を支援を目的とするデジタルチームの立ち上げに参画。決算中の会計的なアドバイスに加え、金融機関、一般事業会社の両方に対して会計処理や経理業務を理解しつつテクノロジーの活用を通じた効率化・自動化を多数ご支援している。
PwC Japan有限責任監査法人
財務報告アドバイザリー部
Director
植村 友香子 様
IT系の事業会社で金融機関系のシステム保守・運用や事業企画を経験した後、PwC Japanに入社。
国内大手金融機関等に対する会計監査業務をはじめ、内部統制アドバイザリー業務や米国会計基準(USGAAP)・国際会計基準(IFRS)に関する会計アドバイザリー業務に従事。育休から復職した後は、コーポレート・トレジャリー業務を中心に、国内事業会社のグローバル資金管理の高度化構想策定支援やトレジャリー・マネジメントに関するシステム選定や金融機関選定支援、財務・資金管理集約のための規程制定や業務変革支援等、グローバルに展開する企業をサポートしている。
インタビュアー
株式会社コトラ
コンサルタント
網中 響太郎
明治大学政治経済学部卒業後、新卒でコトラに入社。入社時からコンサルタント業務に従事。
入社2年目で大手監査法人パートナー等と共にウェビナーを主催し、ファシリーテーションも務める。
現在は財務会計アドバイザリー、金融ミドルバック全般、ESG、コンサルティングファーム全般を担当。 [ 担当業界 ]
財務会計アドバイザリー、金融ミドルバック、ESG領域、コンサルティングファーム、FAS
ここだけのゲストのキャリアのお話
網中:
これまでのキャリアについてお聞かせください。
福永様:
新卒の時に、メガバンクとコンサルティングファームの両方から内定を頂いており、自分としてはコンサルに進みたい気持ちはあったものの、当時はバブル期で金融機関の勧誘に勢いがあったこともあり、結果的にメガバンクに入行しました。
入行後、神戸支店に配属されましたが、海外在住経験があったため、国際企画部に異動となりました。
そこでは、海外のシステム関連プロジェクトの多くを経験しましたが、金融機関の合併も経験することになりました。さらに、そこからEC業務部という今で言うデジタル企画部のような部署に異動になり、企画部とジョイントで海外のシステム開発を伴う大きなプロジェクトを経験し、その後企画部に異動となりました。
企画部時代は、メガバンクグループ全体の西暦2000年問題への対応を管理するという壮大なプロジェクトをしながら、非常に忙しい中ではありましたが、学校に通い、USCPAの勉強をしました。
西暦2000年問題が無事終わってから5年程主計関連の業務を担当しましたので、決算関連のシステムに非常に詳しくなりました。
このように、メガバンクでさまざまな経験をさせてもらい、かねてより興味のあったコンサルティング会社に転職することとなりました。
それまではITプロジェクトの経験が多かったので、いきなり戦略系コンサルティングファームに転職するのも難しいと思い、ITコンサルティングファームに転職して、システムコンサルティングから始めました。
自分のスイートスポットを活かす形でシステムコンサルに転職したわけですが、さらにステップアップということでPwCコンサルティング合同会社の前身の会社に移りました。そこから3年後、PwC Japan有限責任監査法人(以下、PwC Japan)に転籍し、現在に至ります。
浜島様:
私が若手の頃はちょうどIT革命の時期で、システム開発や、システム化する業務要件を整理するITコンサルとしてキャリアをスタートさせました。
当時大規模なプロジェクト開発に関与する中で、中国のITスキルの高さや専門性に打ちのめされたことが最初の転職のきっかけでした。
今後のキャリアを考えたときにIT以外のコアとなるスキルを作っていかなければならないと20代の半ばで気づきました。会計領域には興味があり、大学では経済の勉強もやっていたので、ITコンサルをしながら会計士の勉強を始めました。
会計士になってからは2年程監査業務に従事し、その後ITと会計がどちらもわかるという強みを活かすために、外資系コンサルティングファームで会計とシステムの両領域に関連するコンサルティングに従事しました。その中でいくつものプロジェクトマネージャーも経験しました。金融機関向けにUS、UKを巻き込んだ大規模なプロジェクトでチームリーダーをさせていただいた時に、一緒に取り組んでいたもう1つのチームがPwCでした。
PwCでは、金融の会計にとても詳しい監査法人、システム導入に精通しているコンサルティングファームが一体となって仕事をしており、さまざまな専門家がチームとなって活躍しているのを感じ興味を持ちました。
そこでPwCの方と話してみて、PwCには会計だけではなくて、税務とか法務とか色んな専門家の方がいて、色んな領域の専門家の方がコラボレーションしてより大きな問題に向かっていけるところに惹かれて入社しました。実際に入社して専門家のコラボの強みを日々実感しています。
植村様:
私は新卒で、IT系の事業会社に入社し、金融機関向けのキャッシュ・マネジメント・システムの運用保守や開発を担当していました。
もっとビジネスのことが知りたい、PCばかりでなく人と関わる仕事がしたいと思い、2年目に事業企画部に異動しました。そこでビジネスにおける数字の重要性を学び、USCPAの勉強をしてみようと思いました。
勉強を始めるとさまざまなつながりが見えてきて面白さを感じ、せっかくなので資格を活かせる仕事がしたいと思い、BIG4も含めて転職活動をし、PwC Japanに転職をしました。
PwCを選んだ理由は、まずプロフェッショナルファームに興味があり、BIG4での経験はその後のキャリアにも活かせると思ったからです。面接を通して私が描くキャリア展望を後押ししてくれて、風通しの良さを感じたのも決め手の一つでした。グローバルに強いという点も私にとって魅力的で、実際、希望を伝えたら入社後半年でロンドンに出張に行くこともでき、積極的にグローバルな仕事を担当できる環境だと感じました。
入社当時の業務内容は会計系のアドバイザリーの仕事が中心で、金融機関におけるIFRSやUSGAAPなどのプロジェクトを担当していました。
その後、結婚することになり、結婚後は夫のアメリカ転勤に帯同したいけれど仕事を辞めたくないという葛藤がありました。そこで正直に上司に打ち明けたところアメリカからリモートワークできることになりました。
帰国後は、産休育休などをはさみながら、仕事を続けています。
育休から復帰する際には、子どもの発熱など現場に突然行けなくなることも多くなると想定されたので、現場に常駐するタイプの仕事ではなく、PwCのPCさえあればどこでも仕事ができ、融通の効くトレジャリーのチームで仕事をすることにしました。
育休明けで新しいことに挑戦する不安はありましたが、チームのメンバーはオープンでフレキシブルなので、1人だけ早く帰るのが気まずくならないように一緒になって働き方を工夫してくれて、和気あいあいと働ける環境はとてもありがたいです。
それぞれの働き方も尊重しつつ、みんながオープンな仲なので、今までやってこれたのかなと思います。
財務報告アドバイザリー部のご紹介、ゲストのプロジェクト事例
網中:
PwC Japan財務報告アドバイザリー部のご紹介をお願いいたします。
福永様:
業務内容は①会計アドバイス&決算支援、②内部統制、③データマネジメント、④グローバルM&A支援、⑤IPO支援、⑥ESG&サステナビリティ、⑦トレジャリーと多岐にわたり、それら全体の業務を⑧デジタルテクノロジーが支えています。
デジタルチームは必ずしも会計の資格を持っている人たちばかりではなく、今までの経験を評価して採用しています。IT関連のプロジェクト経験があるとか、BIツールにとても詳しいとか、英語が堪能であるとか、メンバーの豊富な経験をフルに活かし、①から⑦のビジネスを推進していくフォーメーションになっています。
今年(2022年)の7月に部署の統合があり、財務報告アドバイザリー部は400名のスタッフを持つPwC Japan有限責任監査法人の最大の組織になりました。
今後も様々なビジネスに挑戦をし、成長し続ける組織でありたいと考えています。
網中:
皆様のプロジェクト事例について教えて下さい。
浜島様:
私はテクノロジーを使って経理決算業務を自動化し手作業を削減する、会計DX(デジタルトランスフォーメーション)というプロジェクトを担当しております。
例えば、経理人材の業務改善の例では、オペレーター、記録係の作業的な業務をテクノロジーの活用(システム導入、DXツール導入、EUC改善等)で大幅削減することで、経営が求める提言やアクションに割ける時間が増えたり、コスト削減につながったりします。
特にDXツールの導入は今注目を浴びていますね。大規模なシステムを導入しなくても、デスクトップPCの中に便利なアプリケーションを入れて経理業務の一部を自動的に分析・集計するものです。
そういったものを私たちが先に習得し、お客様の経理業務の中で実際にどう活用するのが一番効率的かということを相談しながら導入支援しています。
また、EUC改善は、表計算ソフトが属人化して業務の妨げになっているところを、私たちが監査・経理で培ったノウハウで自動化、効率化するお手伝いをしています。
会計ITのコンサルティングをしていく上で、システム導入やプログラミングの経験は必ずしも必要ではないかと考えています。
むしろテクノロジーは日々進歩しますので、データ入力をする一般的なアプリケーションが使えて、新しいツールにキャッチアップしていく姿勢が重要かと思います。
植村様:
私はトレジャリー領域で、財務資金DXの仕事をしております。
グローバルに展開しているクライアントの中には、いかにグローバルでキャッシュを効率的に活用できるか、リスク管理や運用調達を集約できるかなど、資金やリスクに関するグループ全体の情報を適時的確に把握し、地域最適からグループ全体最適の状態に持っていくということに課題を抱えていらっしゃる企業も多くあります。
そのため、グループ全体のトレジャリーポリシーの制定といったガバナンスの強化や、資金管理やリスク管理、決済業務の効率化・高度化を、戦略、組織体制、プロセス、インフラ(システム)といった視点から検討し、業務の標準化、集約化、自動化を図っていくというのが私達の仕事です。
全体としての構想を練ったり、お客様と一緒にあるべき姿を描いたり、単純にシステムだけではなく、規程やインフラ等プロセス自体の設計や、組織改正なども検討しながら作っていく。最終的には構想策定からシステムを導入して実際に業務を改善していくというところまで一貫してご支援させていただいております。
財務報告アドバイザリー部の働き方
網中:
どのような転職理由で御社に入社される方が多いのでしょうか。
浜島様:
今まで経理、会計、IT系、さまざまな方と採用でお会いしてきましたが、今までの経験を活かしてもっとお客様の役に立つようなお仕事をしたいという理由の方が多い気がします。
網中:
実際のところ、会計士資格を持っていなくても入社後活躍できるのでしょうか。
植村様:
もともとは会計系のアドバイザリー業務が多く、会計資格を持っている方が多かったのですが、アドバイザリー業務の幅がどんどん拡大した結果、データマネジメントやトレジャリーなど多様なバックグラウンドの方達が一緒になって活動をするようになり、実際に現在公認会計士資格を持っている方は当該部門の半分くらいです。
金融系やシステム系のバックグラウンドやコンサル系の方もいますので、公認会計士資格を持っていなくてもチームの中でそれぞれの専門性を活かしながら活躍しています。
網中:
実際の働き方や、ワークライフバランスに対する考え方をお伺いしたいです。
植村様:
クライアントの状況次第で、繁忙期は朝早くの時間を活用したりすることもありますが、私だけでなく小さな子どもを持つマネージャーの男性職員達も、18時になればいったん仕事を切り上げてお迎えに行ったり、お風呂に入れたりなど育児をしています。
私だけが仕事と育児を両立しているというプレッシャーを感じることはないですね。
候補者へのメッセージ
網中:
PwC Japan有限責任監査法人とPwCコンサルティング合同会社の違いはいかがでしょうか?
福永様:
現在、PwC JapanとPwCコンサルティング合同会社やPwCアドバイザリー合同会社が一緒に仕事をすることということは頻繁にあります。
その中で私たちのアイデンティティは一言で言うと「専門性」です。
監査法人ですので、財務、会計、内部統制、リスク管理の専門的なところはPwC Japan、それ以外(PMOなど)はPwCコンサルティングが担当するなど、各々の「専門性」によって棲み分けしている状況です。
キャリア入社の方に専門性を最初から求めているわけではありませんが、ある領域を極めるのが専門性であると思いますので、現職での自分にしかできない専門性を極めていただければと思います。
そして入社していただいてからも自分の専門分野をみつけてもらえばいいと思っています。
それぞれが専門性を持ち、PwCの海外のメンバーファームともコラボレーションしながら仕事をしていくというのがあるべき姿だと思っています。
網中:
最後に一言ずつメッセージをお願いします。
植村様:
私達の従事しているトレジャリー分野は熱いトピックが多く、日々学びながら仕事しています。
知的好奇心の高い方には楽しめる分野かと思いますので、ぜひお待ちしています。
浜島様:
このインタビューが少しでもお仕事やキャリアを考えるきっかけになればと思っています。
専門家を目指して仕事をするためには、たくさんのことに興味を持って身に付けていく姿勢が大事だと思います。
私達は専門家として仕事をしていますので、そういうキャリアに興味のある方はぜひご検討いただければと思います。
福永様:
「キャリアは自分が何をしたいかを発見するJourney」だと思っています。
自分の専門性とは何か、自分が本当にやりたいことは何か、自分の何が社会に貢献できるのかということをクリアに理解している人はここにいるメンバーを含め、なかなかいないのではないかと思います。
PwC Japanという組織体は自分自身の専門性、自分のキャリア、最適な仕事は何かを探す“Journey”をお手伝いする場と捉えています。
ですので、こういう専門性がないと入れないということではなくて、こういうことをやりたい、身に付けたいという思いで入ってみて、それが入社後変わってもいいと思っています。
自分の専門性を見つける“Journey”だと思ってPwC Japanに来ていただきたいですね。
PwC Japan有限責任監査法人に
ご興味がある方へ
今回特集しましたPwC Japan有限責任監査法人様の求人をご紹介します。
ご興味がある方は、下記ボタンよりぜひご応募ください。
■求人:
デジタル推進・業務コンサルティング
■仕事内容:
当ポジションは、IT部隊ではなくユーザー側へのコンサルティング業務になります。
ユーザーと連携を取りながら要件定義を行い、業務効率化を実現していきます。
【対象業務】
1、ユーザー部署サイドに対するシステム化支援
特に、今後業務量の増加が見込まれる会計(IFRS)、リスク管理、トレジャリー・マネジメントの領域
・PMO(プロジェクト計画やスケジュールの策定、進捗管理・課題管理、システム部門やベンダーとの各種調整、各種会議運営)
・システムのグランドデザイン、システムアーキテクト
・業務プロセスの構築(業務要件、新旧業務フロー図の作成等)
・システム要件定義書の作成
・移行方針書/移行計画書の作成
・ユーザーマニュアルの作成
・エクセル、アクセスによるEUCの開発
・UAT方針/UAT計画書の作成、UATの実施
・BCP(ユーザ)の作成
・システム開発に伴う当局対応
2、ソフトウェアロボティックやBIなど、金融機関向けのシステム関連新規ビジネスの開拓
3、データ・ガバナンスの構築支援
データ活用型ビジネスの推進支援、金融機関のデータアーキテクチャー設計・データモデリングや各種組織変革、規制対応など
■必要スキル:
※金融機関または事業会社のミドル・バックオフィス経験者歓迎
※システムの経験は不問
■必要となるスキル・経験(以下のいずれかの経験)
・金融機関または事業会社でのミドル・バックでの業務経験
・金融機関または事業会社でのシステムに関する何らかのご経験(例えば、会計システムの導入、要件定義経験など)
・金融機関または事業会社でのCMS(キャッシュマネジメントシステム)関連業務経験者
・ベンダーでのミドル・バック業務関連のパッケージ・ソリューションの営業や導入の経験
・金融機関または事業会社でのデータ・マネジメント・サービスの経験
・上記にかかるコンサルティング会社での経験
■望ましい経験
・金融機関のシステム導入プロジェクトやシステムの要件定義経験(勘定系、市場系、リスク管理関連システム等)
■あれば望ましい資格など
・各種プロジェクトマネジメント資格(PMP等)
・システム観点の資格(基本情報技術者、各種ベンダー資格等)
・日商簿記
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