ゲストのご経歴
クールジャパン機構
投資戦略グループ
シニアディレクター
渡邊 真之助 様
【経歴】
文化服装学院アパレルマーチャンダイジング科、米Indiana University Bloomington校Kelley School of Business (学士) 、伊SDA Bocconi School of Management (MBA)卒。
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社にて、アパレル業界やテクノロジー・メディア・通信業界の海外事業戦略立案、クロスボーダーM&A、業務改善案件に従事後、2014年2月に経済産業省管轄の政府系ファンド クールジャパン機構に入社。クールジャパン機構では、「ファッション・ライフスタイル」、「メディア・コンテンツ」領域における国内外の投資を担当。
インタビュアー
株式会社コトラ エグゼクティブコンサルタント
枝松 健志
東北大学経済学部卒。日本長期信用銀行(現・新生銀行)に入行。大企業および中堅企業向け融資、審査業務に従事。長銀破綻時には会長秘書を務める。その後ベンチャーキャピタルに転じ、ソフトバンク系VC及び伊藤忠商事系VCにてベンチャー企業への投資と成長支援に注力、複数の投資先でマネジメントを経験する。「企業の成長を人材面からサポートする」ことを目指し人材コンサルタントに転身。 [ 担当業界 ]
経営幹部人材(CXO / 事業推進責任者等)、バイアウトファンド、ベンチャーキャピタル
ゲストのご経歴紹介
枝松:
渡邊様のこれまでのご経歴についてお話いただけますでしょうか。
渡邊様:
私は新卒でデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(DTC)に入社しました。DTCでは、海外事業の戦略立案やクロスボーダーM&Aのプロジェクトに従事しました。
その後イタリアでMBAを取得、2014年に設立間もないクールジャパン機構に入社し、現在はシニアディレクターとして業務に従事しています。
枝松:
クールジャパン機構へのご転職の経緯について教えて下さい。
渡邊様:
「ファッション」×「ファイナンス」という領域に携われることに魅力を感じたためです。私は、いつかはファッションブランドを起業したいと思っていたため、ファイナンスの力を使ってファッションブランドを成長させることに興味がありました。
当時ファンド業務への知見はほとんどありませんでしたが、「ファッション」×「ファイナンス」の業務に携われる会社はあまりないと思っていましたので、その領域の両方が経験できるということから、クールジャパン機構に興味を持つようになりました。
クールジャパン機構の魅力や特徴について
枝松:
クールジャパン機構の強み、特徴について教えて下さい。
渡邊様:
まず、投資対象が特徴的だということです。
これまで我々は、「メディア・コンテンツ」「ファッション・ライフスタイル」「食・サービス」「インバウンド」の4つの領域に特化して投資を行ってきました。私自身は「メディア・コンテンツ」「ファッション・ライフスタイル」の領域を主に担当しています。
そして、投資先の企業は海外進出を目指していることが多く、投資会社として「クールジャパン」×「海外」というキーワードで投資をしているファンドは我々だけだと思います。
今期(2022年度)より投資対象範囲を見直して拡大したことから、より広い観点から案件発掘をすることになるので、より多くの方々に活躍のチャンスがあると思います。
また、政府系ファンドということもあり、どの会社とも競合しない点も大きな特徴です。他社のベンチャーキャピタル(VC)や事業会社とも連携しながら、それぞれの投資先のファンドレイズの機会を共有しています。また、経済産業省管轄の政府系ファンドの信用力を活かした国内47都道府県の金融機関・企業や、海外の投資家や各国の大手企業との広範なネットワークを利用した営業支援力は弊社最大の強みであり、共同投資家の皆様や投資先の経営陣・営業チームからも、お褒めの言葉をいただく機会は少なくありません。
競合性がなく、ニュートラルな立場から最大限日本の御旗を使ってバリューアップができ、これが国内にとどまらない。さらに、他国のメーカーなどのネットワークにより、日本の企業の海外進出を支援することもできる。これがクールジャパン機構の大きな特徴となっています。
枝松:
民間のVCと比較すると、1案件あたりの投資金額が多い点も御社の特徴ではないかと思います。
渡邊様:
そうですね。民間のVCですと1案件あたりの投資金額は数千万円~数億円の規模が多いですが、我々は目安として1案件あたりの投資金額目安を10億円以上としています。VCとして投資サイズが大きい点は差別化要因の一つだと思います。
枝松:
ファンドとしての収益性と、日本のものを海外に届けるという社会的意義のバランスはどのようにとっているのでしょうか。
渡邊様:
基本的な考え方は民間のVCと同じく、投資する以上はリターンを求めています。
ただ、おっしゃる通り政策的な意義の追求も求められるため、クールジャパン機構ならではの難しさはあります。
我々が収益を得られていないということは、投資した企業が育っていない、つまり社会に対するインパクトを与えることが出来ていないことになります。だからこそ、我々が利益を追求しないことの方が問題であると考えています。
寄り添いながらも叱咤激励できるVC
枝松:
候補者様から「クールジャパン機構は、VCなのかPEファンドなのか」とよくご質問をいただきます。
渡邊様:
ポートフォリオのメインはグロースフェーズのベンチャー投資となっている一方、PE投資に携わる機会もあります。ベンチャー投資をメインに携わりながら、チャンスがあればPE投資にもチャレンジしたい、という方に向いている環境のように感じます。
枝松:
それだけ精力的に動いていただけると、投資先の企業様はうれしいですね。
渡邊様:
我々の働き方を見て、投資先の企業様から「これまでのVCのイメージが変わった」と言っていただけることが良くあります。
さらに、弊社には私のようにコンサルティングのバックグラウンドを持つ者も在籍していますので、ファイナンスだけでなくビジネス面での提言も行うことができます。寄り添いながらも叱咤激励できるVC、とイメージいただくと良いのではないかと思います。
枝松:
クールジャパン機構が今後注力していきたいと考える領域について教えてください。
渡邊様:
先程もお話ししましたが、これまで我々は、「メディア・コンテンツ」「ファッション・ライフスタイル」「食・サービス」「インバウンド」の4つの領域に特化して投資を行ってきました。これからは、発信すべき日本の魅力を安心・安全や環境、SDGsなど含めて広くとらえつつ、新型コロナウィルスの感染状況やウクライナでの紛争の状況などを見極めながら、投資を判断していくことになると思います。
また、日本の多くの企業をグローバルファイナンスの舞台に引き上げることについても注力していきたいと思います。
我々は海外のVCともよくお付き合いをしていますが、その中で「日本のスタートアップ企業は実態が見えず、投資の判断ができない。良い企業があればぜひ紹介してほしい」という話題が上がることがあります。
我々としてもぜひやりたいと思っているのですが、これを実行する際にはハードルがいくつもあります。
例えば、契約書一つとっても、スタートアップ企業ではすべて日本語での記載ですので、新しく海外の企業が入ってくる際にはすべて英語化しなくてはなりません。
企業として海外からの投資を受け入れるために、我々クールジャパン機構が、スタートアップ企業のCXOクラスにグローバルに展開することのメリットと必要性を説き、海外からの投資を受け入れる体制を整える。こういった取り組みを通じて日本のスタートアップが海外進出できる機会の創出に取り組んで行きたいと考えています。
枝松:
組織構成についてはどのような特徴がありますか?
渡邊様:
現在はFASや監査法人出身の公認会計士資格を有する者、コンサルティングファーム・事業会社での投資経験者、投資銀行業務経験者など多様なバックグラウンドを有するメンバーが在籍しています。
我々が投資対象とするのは、IPO2~3年前のスタートアップ企業が多く、投資検討時にはIPOに向けた予算やKPIを冷静に見定め、投資後は投資先の予算達成や業績向上に汗をかく機会が多いことから、それらに対応できるような人材が揃っていると思います。
枝松:
御社でご活躍するためにはどのような能力・スキルが必要でしょうか。
渡邊様:
数字を俯瞰して見ることができる力があるとよいですね。また、我々が投資を行う前述の4つの領域について一定の興味があるかどうかも非常に重要です。
私の場合は、先程申し上げた通りファッションに対する関心が高いため、ファッション業界の国内外の情報収集を欠かさず行うことで、投資先との会話や他のVCから案件をご紹介いただける差別化要因にもなっています。
そういった産業愛が高い方や「我々の投資領域について極めたい、日本から発信したい」という強い思いがある方が楽しく且つ醍醐味を味わえる職場だと思っています。
クールジャパン機構への転職をお考えのかたへ
枝松:
御社にご転職された方は、何を決め手に転職を決心されたのでしょうか。
渡邊様:
私を含め、「これからファンド業界で働きたい」という者が一定数入社していますので、ファンド業界への入口として弊社を選択した者は多いのではないかと思います。
また、我々の投資対象領域のファンは圧倒的に多いと思います。
具体的には、日本酒・日本食・インバウンドの旅行系などがもともと好きで、「自分の好きなものを海外に届けたい」という想いと、「日本の文化を世界に届けたい」という会社の方向性が一致したことが入社の決め手だった、という者が実際多く在籍しています。
枝松:
率直にどのような方と働きたいとお考えでしょうか。
渡邊様:
好奇心・成長意欲が高い方々にご入社いただきたいです。
実際入社してみると分かるのですが、必ずしも自分が興味のある分野の案件ばかりに携われるわけではありません。自分が担当したい業務が中心だとすると、やや中心から外れた案件を担当するケースも多々あります。
このような際に、「この領域の知見はなかったけれど、面白そうだな」と思える方が活躍できると思います。
それが結果として、自分がやりたい領域の案件に対してのシナジー効果を生むケースもありますので、そういった意味でも好奇心・成長意欲がある方にぜひご入社いただきたいです。
枝松:
最後に御社への転職を希望される方にメッセージをお願いいたします。
渡邊様:
今の日本には、日本の良いものを世界に届けたいという想いがある集団がもっと必要だと思います。もちろん投資する以上は、追うべき数値はありますし、リターンを求めなくてはなりませんが、日本が誇る「クールジャパン」を世界に届けて、結果儲からないということは絶対にないと私は考えています。
「ファンドとして利益を求めながら、クールジャパンを世界に発信する」この両方を追い求めるという大志がある方にとって、クールジャパン機構はこれ以上ない環境であると思います。皆様からのご応募をお待ちしております。
クールジャパン機構にご興味がある方へ
今回特集しましたクールジャパン機構様の求人をご紹介します。
ご興味がある方は、ぜひご応募ください。
■投資担当(ディレクター~マネージングディレクター)
■投資担当(アソシエイト・ヴァイスプレジデント)
■投資先バリューアップ業務(アソシエイト~VP)
■案件開拓担当(部長職)
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