製造業におけるDXが広がりを見せています。
富士キメラ総研によれば、2030年度の製造業DXの市場規模は2021年度の3.1倍にあたる8130億円まで伸長するとみられており、急速な発展が見込まれています。
一方、国内企業の75%を超える企業でDX人材が不足していると感じられているなど、人材の不足も深刻であり、今後多くの人材が同分野へ流入すると考えられています。
本記事では、成長市場である製造業DX分野について、サービス提供側とメーカー側のそれぞれに必要とされてる業務についてみていきます。
(参考:富士キメラ総研『2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/ベンダー戦略編』まとまる(2023/3/17発表 第23032号))
製造業DX実現に向けた業務
(コンサルティング,SIer, パッケージベンダ等)
コンサルタント
デジタル技術とオートメーション技術を駆使し、企画から実装まで伴走します。
企画に当たっては企業の経営戦略や事業戦略の策定に携わることも有り、企業の革新に深く関与し、伴走することのできる業務です。
また、新ラインの自走後も状況の可視化、分析、課題検討を通じてさらなる改善策を講じていきます。
顧客企業の業務・理念・考え方に対して深い理解が必要であるとともに、データの取り扱いに関しても高い能力が求められる、難度の高くその分やりがいもある業務となっています。
より具体的な業務内容は、下記の関連記事をご参照ください。
年収レンジは役職にもよりますが、600万円程度〜2000万円以上と高い傾向にあります。
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募集ポジション例
メーカー向けソリューション営業
営業は、企業のニーズをつかみ、最適なソリューションを提案することを担います。
製造業ではDXに対する理解が得られきっていない現状があるため、その有効性や必要性を、企業ごとにカスタマイズしながら提案していく必要があります。
また、企業や扱う商品によって課題と潜在ニーズも異なってくるため、それらを汲み取ったソリューション営業が不可欠な業種となってきます。
さらに、日々進化する技術とお客様のラインとが化学変化を起こせるように、DXと製造業の双方の知識をインプットしていくことも重要な業務の1つです。
年収レンジは役職にもよりますが、600万円程度〜1000万円以上となることもあります。
募集ポジション例
SE/PM
SEは顧客の課題解決のためにITシステム、ソリューションの開発を行います。
パッケージベンダにおいてはおもにパッケージシステムの開発と改良が行われますが、SIerにおいては顧客毎にカスタマイズされたシステムを構築することもあります。
おもに顧客要件の定義、開発・設計、テストされたシステムの納品までの一連の業務に従事します。
PMはプロジェクトの責任者として、技術、人員のアサイン、進捗や予算の管理、品質担保など、プロジェクトを成功に導くためマネジメントをします。
また、顧客と折衝する機会もあり、顧客の要望を的確に理解し、システムに落とし込むことが重要です。
プライムSIerにおいては、特に要件定義とプロジェクトマネジメントが重要な業務となっています。大規模なシステム開発案件では、協力会社とプロジェクトチームを構築し、開発プロセス全体のコントロールをしています。
年収レンジは役職にもよりますが、600万円程度〜1500万円以上となる傾向にあります。
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募集ポジション例
データサイエンティスト
工場の稼働データやマーケティングにおけるビッグデータの利活用を目的として、分析手法の検討から実装までを行います。また、統計学やプログラミングの専門知識を活かし、機械学習モデルやソフトウェアの開発にも従事します。
顧客の要望を理解したり、コンサルタントの意向を汲み取るために高いコミュニケーション能力が求められるほか、分析に当たっても業務との関連性を意識する論理的思考力も求められる業務です。
多くの求人ではデータサイエンティストとしての経験を求められる傾向があります。
年収レンジは役職にもよりますが、600万円程度〜2000万円以上と高い傾向にあります。
募集ポジション例
製造業DX実現に向けた業務(メーカー)
社内SE
社内SEはおもに自社の状況に即したDX導入を検討し、社内でシステムを開発または外注を行うなど、DXにおいて中心的な役割を発揮します。
企業によっては、DX推進の専門部署を配置していることもあります。
導入に当たっては課題設定と対策立案が欠かせませんが、課題を導くためには現場担当者や従業員からの意見を汲み取り、連携を密にするなどのミクロ的な視点と工場全体あるいはサプライチェーン全体を見渡したマクロな視点の双方が必要となります。
また、自社商品や自社の顧客、経営の方針などに対する理解も必要であり、単なるIT知識にとどまらない幅広い知識を身につけることが必要となります。
年収レンジは役職にもよりますが、600万円程度〜1000万円以上となる傾向にあります。
募集ポジション例
生産技術エンジニア/プロセスエンジニア
生産技術エンジニア/プロセスエンジニアは生産ラインの設計・管理を行い生産効率と品質の最大化を図ります。
技術的な知見をもち、新製品の検証プロセス(EVT, DVT, PVT)全体に関与し、量産のための条件整備、またその運用・管理、改善活動を行います。
新製品導入にあたっては、新技術の開発にも携わるケースがあります。
様々なソリューションが存在する現代においては、最適なデジタルツールを導入するために、新技術の動向を把握し、導入検討・提案をすることも業務の一部となります。
また、DXの行われた工程においては収集できるデータが膨大となるため、ビッグデータの取扱いやデータ分析に基づいて、課題を特定する力も必要です。製品の安定的な生産において、開発、品質保証、生産管理等との他部署や社外のサプライヤ、協力会社との連携が必須であり、特に高いコミュニケーション能力を求められるエンジニアです。
年収レンジは役職にもよりますが、600万円程度〜1000万円以上となる傾向にあります。
募集ポジション例
設備エンジニア(設備導入・保守等)
設備エンジニアは生産ラインに導入される設備の仕様検討、開発から導入、導入後の設備の運用・保守をします。
一部、電力分配やデータ取得用ネットワーク機器等の周辺機器の検討や導入に携わることもあります。
大型の設備導入に携わる際は、導入工事の工程管理や現場監督にも携わります。
小型の設備の場合は、自社で開発・設計、試作を担うこともあり、設備設計の技術を持っているエンジニアもいらっしゃいます。
DXの推進により、IoTの設備やセンサの導入が進んでおり、メンテナンスの効率化や計画的なメンテナンスが実現されることで、突発的なトラブル対応は減少傾向にあります。
年収レンジは役職にもよりますが、600万円程度〜800万円以上となる傾向にあります。
募集ポジション例
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製造業を専門にするコンサルタント紹介
エグゼクティブコンサルタント 並木 雄助
[ 経歴 ]
大学卒業後、大手計測器メーカーに入社。自動車試験装置の設計開発に従事した後、自動車部品(tier1)メーカーに転職。防振製品の研究開発や自動車メーカーへの出向を経験した後、現職
[ 担当業界 ]
メーカー、製造業、コンサルティングファーム
コンサルタント 吉田 宗平
[ 経歴 ]
慶應義塾大学総合政策学部卒業後、外資系IT企業に入社。SEとして貿易システムプロジェクト等に従事した後、コトラに入社。
[ 担当業界 ]
IT業界、コンサルティングファーム等
コンサルタント 伊藤 駿成
[ 経歴 ]
東京工業大学にて修士課程修了後、大手財閥系メーカーに入社。プロセスエンジニアとしてプラント設計に従事。その後米系金融機関にて個人・法人営業を経て、現職。
[ 担当業界 ]
メーカー、製造業、コンサル、金融機関等