全世界を見渡し、昨年(2023年)唯一好調だった日本の不動産マーケット(市場)の中でも特に有望視されているアセットがホテル分野です。
:訪日外国人観光客の本格的な回復
:円安による消費、投資の増加
:観光地としての魅力向上(国を挙げてのバックアップ)
:低金利政策の維持
:ホテル投資はオフィスビルや住宅(レジ)に比べて収益性が高い
現状日本の新規供給は既存ストックと比較しても、低水準で当面過剰供給の心配もないため今後も拡大が見込まれます。
本記事では、ホテル分野(不動産ファンド)の最新の市場動向をご説明いたしますので、是非ご一読ください。
2024年現在の日本のホテル市場
様々なグレードが充実する日本のホテル市場は、ビジネスホテルからラグジュアリーホテル、旅館まで多岐に渡ります。
また下記の様な幅広い受け皿があるのも参入障壁を拡げる要因となっています。
:機関投資家やJ-REIT等コア・コアプラス投資家が好む賃貸借物件
:バリューアド、オポ投資家が好む収益向上型のマネジメント物件
■ラグジュアリー・ホテル(高級)
■アップスケール・ホテル
■ミッドプライス・ホテル
■エコノミー・ホテル
■バジェット・ホテル(客単価1万円以下)
■ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)
■インヴィンシブル投資法人(8963)
■星野リゾート・リート投資法人(3287)
ホテル市場の現状
国内ホテル市場の急回復
大和不動産鑑定の調べによれば、2023年の延べ宿泊者数は2022年比32%増の5億9,351万人と、コロナ前の2019年とほぼ同水準に回復しました。
(内訳は日本人が4億7,933万人、外国人が1億1,418万人で外国人比率は19.2%となっております。)
外国人旅行客は、現状2割ですが観光立国を標榜し、今後拡大が見込まれます。
観光庁が公表した2023年10〜12月期の訪日客の旅行消費額(速報値)は1兆6,688億円で、2019年同期比で37.6%増加しました。
(日本政府観光局の公表では2023年12月の訪日客数は約273万4,000人、2019年同月比では8.2%増。)
◆参考
日経不動産マーケット情報『【最新号から】ホテル市場が急回復、客室単価はコロナ前より2割高』
日本経済新聞『訪日客消費が初の5兆円超 23年、人数はコロナ前8割に』
各社の状況
不動産各社がホテルへの投資を増やす。日鉄興和不動産はホテル事業に参入し、5年間で400億~500億円を投じる。NTT都市開発は今後3年で供給する客室数を新型コロナウイルス禍前より5割増やす。インバウンド(訪日外国人)消費が回復する中、需要の受け皿を整える。
日本経済新聞『ホテル投資、不動産各社が拡大 訪日外国人回復で日鉄興和やNTT都市開発』
ロードスターキャピタルはSPCを通じて、全国のリゾート地などにあるホテル6物件を取得する。
日経不動産マーケット情報『【売買】リゾートホテル6物件を取得、ロードスター』
米ブラックストーン・グループは、京都市中京区においてマリオット・インターナショナルが展開するホテルを取得した。
日経不動産マーケット情報『【売買】京都のマリオット系ホテル、ブラックストーンがゴールドマンから』
ヒューリックは、千代田区神田須田町にある客室数143の宿泊特化型ホテルを取得した。
日経不動産マーケット情報『【売買】秋葉原駅近くのホテルを取得、ヒューリック』
上記に記載の通り、需要と供給のバランスは現段階で圧倒的に需要が高く、
オフィスやレジデンシャル(住宅)よりも高収益な物件(アセット)に各社注力するのは当然の状況かと思われます。
またアジアで有力視されている市場としては、シンガポール、マレーシア、韓国、香港あたりですが、香港は自由市場が減少しつつあり、シンガポール、マレーシア、韓国は日本と比較して人口や経済規模が小さく、不動産売買をめぐる制度や法律に未整備な点が多いという要因から、アジア・パシフィックにおける不動産市場の重要性や中長期的なビジネス戦略は、やはり日本が群を抜いています。
整備された不動産の投資環境、安全性、信頼度、流通する物件数が充実している点が日本マーケットの強みとなります。
関連する主な求人ポジション
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