運用業界におけるオルタナティブ投資ビジネスとは?

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運用業界の動向

日銀による2016年のマイナス金利導入以降、国内機関投資家は利回りを追求する対象範囲を拡げ、オルタナティブプロダクツへの投資に積極的に取り組むようになってきました。

現在、国内機関投資家の3分の2は1つ以上のオルタナティブプロダクツに投資していると言われています。特に、国内最大の投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)とゆうちょ銀行はオルタナティブプロダクツへの投資運用を拡大していく方針を明確にしています。

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資産ごとの動向

ヘッジファンド

オルタナティブプロダクツの中でも日本において先行して普及してきた資産であるヘッジファンド 、運用会社のオルタナティブ運用の中でも扱っている割合が高いです。しかし、2018年のパフォーマンス低迷を理由に敬遠されることが多くなり、残高を減らすファンドが多い苦しい環境となりました。その中でも最近では2018年もリターンがプラスであった戦略や全天候型のマルチ戦略などへの需要が高まりつつあるようです。

プライベートエクイティ

プライベートエクイティへの投資運用においては、国内機関投資家は北米市場に特化したファンドに出資しているケースが多く、海外(北米)とのネットワークを持つ運用会社が活躍しているようです。ファンド種別としてはベンチャーキャピタルファンドやグロース、バイアウト投資に取り組む傾向にあります。特にVCファンドに投資する際、次世代技術等新興業界に関心を寄せています。

インフラ投資

利回り需要の受け皿として海外インフラファンドも普及してきました。企業年金を中心にインフラエクイティファンド投資が浸透し始め、保険会社を中心とした金融法人にもこの5年間で主要なオルタナティブプロダクツとして定着してきました。インフラ投資先進国である米国・豪州・英国のファンドを中心に、インフラエクイティおよびインフラデットも最近では参加者が増えてきている状況です。運用会社も海外インフラファンドへの取り組みを拡大させている動きがあります。

海外不動産

近年の国内不動産の投資機会減少により、海外不動産への投資開始・再開を検討する投資家が増加傾向。海外REIT・海外私募不動産ファンドを中心に、こちらも米国・豪州・英国への投資が上位となっています。海外不動産のファンドへの取り組みを拡大させている運用会社が増えてきています。

オルタナティブ専門の運用会社

オルタナティブプロダクツへの投資運用の拡大を受け、大手運用会社の中でオルタナティブ運用部門が拡大しているとともに、現在はオルタナティブ運用専門の運用会社が台頭してきています。

現在、以下のようなオルタナティブ運用専門の運用会社があり、採用を積極化している傾向にあります。

オルタナティブ専門の運用会社

・アセットマネジメントOneオルタナティブインベストメンツ株式会社

・三菱UFJオルタナティブインベストメンツ株式会社(旧三菱商事アセットマネジメント)
・エー・アイ・キャピタル株式会社
・三井物産オルタナティブインベストメンツ株式会社

・アーク東短オルタナティブ株式会社

・上田八木証券株式会社

オルタナティブ運用業界への転職/求められる経験・スキル

オルタナティブプロダクツの投資運用の世界は伝統資産(株式・債券)に比べてまだ歴史が浅く、ベテラン人材がまだ少ない業界です。逆に言うと経験が少なくても参入できる・プレゼンスを高められるチャンスのある業界だと言えます。

以下のような経験・スキルを持っていると転職のチャンスがあります。

運用会社でのオルタナティブ運用経験:
運用会社・信託銀行での同業務経験(いわゆる経験者)、または伝統資産でのプロダクトスペシャリスト・外部委託運用業務経験。

■機関投資家での投資運用経験:
金融機関・年金基金等のLP投資家の立場でのオルタナティブプロダクツ業務経験が評価されることが多いです。

■オルタナティグプロダクツのファンドGP経験者:
PEファンドや不動産ファンドなどでのGP業務経験があれば評価されることが多いです。

■レンダー(銀行)の立場でオルタナプロダクツ経験者:
LBOファイナンス、プロジェクトファイナンス、などでレンダーの立場で業務経験があると評価されることがあります。

■資産運用コンサルティング会社でのコンサル・アナリスト経験者:
運用会社に対する評価機関でオルタナティブプロダクツに対するリサーチやレーティングの業務経験があると評価されることがあります。

■投資銀行・格付機関・商社等事業会社などでの業務経験:
PE・ヘッジファンド・インフラ・不動産等の業界を対象としたカバレッジバンカー/リサーチアナリスト/リサーチセールスなどの経験、インフラプロジェクトに従事した経験、などが評価されることがあります。

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この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)