会計事務所と聞いてどのように浮かべるでしょうか。経理や税に関して携わるイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は事務所の大きさやクライアントによって異なることはご存じでしょうか。
今回は、様々な会計事務所について詳細までご紹介しますので、ぜひ転職を考えている方やこれから会計士や税理士を目指す方は最後までご覧下さい。
会計事務所とは
会計事務所とは、経理関連の業務や税務業務の他にコンサルティング業務なども行う事務所のことです。
ご依頼いただく企業は、事務所の規模によって異なるので、各会計事務所で特徴が異なります。少人数の会計事務所から大人数のスタッフをかかえる事務所まであります。
会計事務所の動き・今後の展望
最近では、クライアントが企業だけでなく個人からの依頼も増加傾向にあります。昔は個人で相続税などの手続きを行っていました。しかし、近年コストがかかることよりも税金の手続きにかかる時間を減らすことを優先し、会計事務所に頼む方が増えていることが理由として挙げられます。
そのようなことは、近年で相続税に特化している会計事務所が増加傾向にあることからも分かります。
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会計事務所の分類
会計事務所は、規模別で8つに分類することができます。それぞれの特徴や詳細についても詳しくお伝えします。ご自身に合う会計事務所もぜひ考えながらご覧下さい。
会計事務所の多くを占める零細会計事務所
現在日本にある会計事務所の多くは、こちらの零細会計事務所に当てはまります。零細会計事務所は、税理士の所長とスタッフによって構成されており、家族経営で行われている場合も多くあります。そのようなことから、零細会計事務所は5名以下です。
零細会計事務所では、所長がほとんどのクライアントを担当することが多いため、アシスタントとして仕事をする可能性が高いです。しかし、所長がご高齢であることなど他に理由がある場合は、クライアントとの仕事の他にも多く学べる可能性が高く、他の会計事務所であるカテゴリーに比べて経験できる内容が充実していることもあります。
デメリットとして、家族経営など小規模な会計事務所ですので、社会保険には入れない場合が多く、労働保険にも入れない場合があります。合わせて、お給料の大幅アップも厳しいと視野に入れることをおすすめします。
オフィスビルに事務所を構えることが多い小会計事務所
零細会計事務所からランクアップした小会計事務所は、事務所を個人の自宅などではなくオフィスビルに構えていることが多いです。
オフィスビルに事務所を構えられる規模になると、スタッフの人数は6人から15人ほどになります。そのため、社会保険は加入できない場合もありますが、労働保険には加入できるようになります。
小会計事務所になると、ひとりひとりクライアントを担当できるようになりますので、所長がクライアントをすべて引き受けることが多い零細会計事務所とは大きく異なります。また、事務所について今起っている内容を一通り知っておきたいと考える所長が多いため、チームワークがより重要となってきます。
社会保険が完備される中堅会計事務所
中堅会計事務所の規模になると、15人から40人と大幅にスタッフが増えますので社会保険が完備されるようになります。
お給料は、業界の平均に比べて上回る場合が多ことや税理士法人に属している方が半数ほどいることが特徴です。会計事務所の中でも全国の5%に入る規模二なりますので、様々なクライアントを担当することで経験や知識も豊富に得ることができます。
税務以外にも経営コンサルタントに力を入れている会計事務所が多いところも特徴です。
地域によっては最大規模の組織化会計事務所
40名から100名のスタッフを構える組織化会計事務所は、地域によって最大規模の会計事務所です。そのため、各地域からの信頼度が高いところが特徴です。
税理士法人であることが前提とされている組織化会計事務所は、組織としても安定しているだけでなく、福利厚生も一般企業と変わらないことや研修や育成など教育の部分にも力を入れている事務所が多いです。
安定している反面、今までご紹介した規模の会計事務所に比べて変化が少ない会計事務所でもあります。
全国では片手で足りる事務所数である大規模会計事務所
100名を超えるスタッフがいる会計事務所ですので、全国に片手で十分数えられる程の数しかありません。
クライアントの企業は、ベンチャーから大企業まで依頼を受ける会計事務所です。また、そのような様々なクライアントから依頼を受けるなどもありますので、研修や育成など教育の部分が充実している傾向があります。
拡大規模として大きい会計事務所のため、地方でトップクラスの組織化会計事務所とはまた違った魅力を求めて勤めている方もいらっしゃいます。
ここまでの規模になると様々な考え方が柔軟になりますので、独立に対しても寛容な会計事務所が多いです。そのため、今後独立を考えている方は、大規模会計事務所に勤めることをおすすめします。
BIG4と呼ばれる四大監査法人
BIG4とは「有限責任あずさ監査法人(KPMG)」「新日本有限責任監査法人(EY)」「有限責任監査法人トーマツ(デロイト)」「PwCあらた監査法人(PwC)」の世界展開している4つの大規模な会計事務所の監査法人を指します。世界中に展開しているため、クライアント企業は、日本国内だけでなく外資系の企業にまで幅を広げています。
しかし、企業の規模が大きいクライアントが多いため、独立後に中小企業のクライアントからの依頼を考えている方はあまり向いていないと言えます。クライアントが大企業である場合と中小企業である場合では、税務やコンサルティングが大きく異なるためです。
将来的に大手皆生事務所以外での仕事はしないと考えている方におすすめです。
ひとつの分野に特化している専門特化型事務所
会計事務所では様々な分野でご依頼いただくことがありますが、専門特化型事務所は得意分野であるひとつの分野に特化している事務所のことです。
専門的な分野に特化しているので、その分野に関して詳しくなれることからその分野で将来的に会計事務所を立ち上げたいという方向きです。しかし、最近では相続税に特化している会計事務所が増えてきていますので、そのような分野を考えている方は競争率が高いと考えておくことをおすすめします。
急成長中の会計事務所
急成長会計事務所は、名前の通り急成長している会計事務所のことです。そのため、スタッフよりもクライアントの数が多いことから常に仕事が舞い込んできます。早く実力をつけ経験を積みたい方におすすめの会計事務所です。
しかし、先程申し上げたようにクライアントが増え続ける会計事務所ですので、初心者よりも経験者である方を求めている傾向があります。また、平均年齢が低く同年代の方が多いことから、ライバル心が高まることで切磋琢磨しながら仕事もはかどります。
▼参考:
・会計業界の就職応援メディア【会計事務所求人ナビ】 規模別に分類!「会計事務所の特徴」(参照 2021-05-19)
・ 株式会社ビスカス 知っておきたい会計事務所の特徴を規模別に解説(参照 2021-05-19)
会計事務所での具体的な業務内容
様々な会計事務所をご紹介しましたが、では実際にどのような業務をしているのでしょうか。企業によって依頼内容も異なりますが、メインタスクとして行われている項目を2つに分け、それぞれご紹介します。
記帳代行や税務代理
一般的によく知られている業務は、確定申告などでも重要な帳簿の作成や会計ソフトの仕分け、決済書の作成をする記帳代行と、クライアントから受け税務申告書を作成し税務署へ提出する税務代理の二つです。
個人で記帳などしているクライアントの場合、中には定期的に訪問をすることで、記帳や会計処理税務処理をされているか確認し、時には指導するという業務もあります。
フリーランスなど個人で仕事をしている方がコストがかかることよりも時間短縮を優先して依頼する場合や、企業がこの業務に関する社員を雇うよりも正確性やコスト削減を優先して依頼する場合があります。
特に税務関連は、日本で複雑化しているため個人が正確に作成することは難しいです。そのため、より財務代理は会計事務所に依頼することが多くあります。
また、主にこちらの業務を行う方は事務職員の場合が多く、最終チェックとして税理士などがちチェックする傾向があります。
税務調査の立ち会い
税務調査の立ち会いをすることもある会計事務所ですが、実は立ち会いをすることによって税理士が問題点をを知る機会も少なくありません。
また、税務当局との折衝をつけることも業務のひとつです。税理士よりも担当した者が状況を把握していることもありますので、税理士と共に職員も同行することもあります。
▼参考:TACキャリアエージェント 会計事務所とは(参照 2021-05-19)
主要なクライアント
主なクライアントの主要企業は、会計事務所の規模によって大きく異なります。
最初にご説明をした零細会計事務所から中堅会計事務所までは、中小企業までのクライアントが主な企業です。
組織化会計事務所から四大税理士法人まで規模が大きくなると、ベンチャー企業や大企業、外資系の企業などが加わります。企業の規模が大きいほど、中小企業からの依頼が減る傾向があります。
転職前後のキャリアパス
キャリアパスを目指す場合、初めてこの業界に入る方と既に入られている方で異なります。
初めてこの業界に入る場合は、最初は少人数の会計事務所からステップアップがおすすめです。日商簿記3級又は2級の取得をすると採用率も上がるのでおすすめです。また、既にこの業界に入られている方は、中堅会計事務所より規模が大きい会計事務所を選ぶといいでしょう。
その理由として、既にスキルを持っている方を募集している傾向や規模が大きくなるに比例し、依頼を受けるクライアントの範囲が広がるためです。
▼参考:MS-Japan 引用税理士のキャリアパス(参照 2021-05-21)
会計事務所の転職市場動向
転職市場では、特に求人を求める時期は10月から1月までが特に増加傾向があります。
それぞれの理由として、11月から12月は年末調整の時期で1月は確定申告前の時期と会計事務所ではより忙しい時期と言われる繁忙期に当てはまります。そのため、長期的な仕事ではなく、短期の仕事として募集をかけている傾向が高いです。
一方10月は、毎年8月に行われる税理士や会計士の試験がありますので、その合格者をターゲットにした企業が多く求人を出しています。10月はより競争率が高いですが、期間限定ではなく長期の仕事を探している方は10月に求人探しを意識するといいでしょう。
選考と求める人材
会計事務所の規模によって特徴が大きく異なりますので、求めている人材も会計事務所によって変わってきます。
比較的規模が小さい会計事務所の場合、スタッフや所長との相性によって変わってきます。しかし、規模の大きい会計事務所の場合は、高度な業務が可能であることを求められることがあります。より専門性に特化している会計事務所では、その知識に富んだ方を求める可能性もあります。
事務所の規模によって、どこまでの範囲をクライアントから依頼され業務を行っているのか、事前に確認しておくといいでしょう。
各事務所ごとの詳細な選考内容につきましては、弊社コンサルタントまでご相談ください。
▼参考:ジャスネットコミュニケーションズ株式会社 会計事務所と税理士法人の仕事とは(参照 2021-05-19)
まとめ
ここまで会計事務所がどのような業務をしているのか、規模によってどのくらいの種類の会計事務所があるのかなどご説明しました。
会計事務所によって、ご依頼いただく企業の大きさや業務内容が異なります。ぜひご自身に合った会計事務所を見つけてみてください。
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