証券管理業務のより一層の高度化と効率化のために、付加価値の高いサービスを提供する「カストディ」について解説します!
カストディとは
機関投資家の代理人として、有価証券の保管・管理等を行う業務を総称して「カストディ」と呼ばれます。実際のカストディ業務は有価証券の保管・管理に加えて、保管した証券から発生する利子、配当金の受領、売買代金の授受あるいは当該証券に係る各種権利関連情報の伝達等の業務も含まれることが多いです。
また、投資家に代わってこの業務を取り扱っている機関は「カストディアン」と呼ばれます。カストディアンの中には、自国だけで業務する「サブ・カストディアン」と、全世界に業務展開し、世界各国のサブ・カストディアンと提携している「グローバル・カストディアン」があります。
カストディの主な業務内容
- 証券の保管・管理
証券の管理・保管を行います。 - 受渡・資金決済の代行
取引証券会社等との決済照合、受渡・資金決済の代行や、決済機関などへの振替請求を行います。 - 財務状況の報告
システムを利用し、各種レポートを作成し、財産の状況等の報告を行います。 - その他付随サービス(上場国内株式・REIT・ETF)
配当金(分配金)代理受領サービス、議決権行使書等取り纏め・転送サービス、株主優待品処分サービスなどを行います。
カストディ業務のやりがい
証券の管理・保管業務においては、お客さまの希望通りに取引を行ったり、契約を進めていくために、コントローラーとなって法務関連部署など多数の関係者と連携をし、取りまとめをしていく必要があります。また、繁忙期には多数の申込・契約を同時進行することになります。さらに近年では、新しい投資対象や投資手法を取り入れたデリバティブ商品やオルタナティブ商品の取引管理業務が増えており、個別性が高く多品種・小規模のものに効率的に対応していく必要もあります。責任のある仕事を効率的に進める難しさはありますが、その分達成感も大きく、非常にやりがいのある仕事です。
決済業務においては、投資信託や年金など多額の金融資産の売買に伴い、日々、様々な銀行や証券会社の間で資金や証券などが受渡されています。このため、細かい取引情報を元に、適切なタイミングで受渡しを行う必要があります。口座残高や決済状況を常にモニタリングし、不明な証券の受渡しがないか、正確に受渡しできているかをチェックし、全ての取引が滞りなく時限までに完了するように、コントロールする必要があります。日々の証券決済件数や金額は非常に大きいため、日本の金融市場にもたらす影響も非常に大きく、取引を停止させることができない重要な仕事です。重大な責任はありますが、社会に大きな影響を与える仕事ができるという「充実感」を感じながら業務を行うことができます。
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