コトラ（広報チーム） 
はじめに
不動産ファンド業務に従事してきた方の中には、より高度な金融スキームの構築や法人向け提案に携わるストラクチャードファイナンス領域への転職を目指す方も増えています。アセットごとの収益設計、リスク管理、デット調達などの経験は、ストラクチャードファイナンス分野でも即戦力として評価されます。本記事では、不動産ファンド出身者がストラクチャードファイナンス職に転職するためのステップを詳しく紹介します。
1. ストラクチャードファイナンスの主な業務
- プロジェクトファイナンス、LBOファイナンスの組成
- スキーム構築（SPC、信託、担保設定、キャッシュフロー設計など）
- 投資家・金融機関向けの条件調整、契約交渉
- リスク分析・シナリオ分析（デフォルト、DSCR、LTV等）
- デューデリジェンス対応、ストラクチャー変更対応
2. 不動産ファンド出身者が向いている理由
- キャッシュフロー構築経験：CF設計やアセット評価のスキルが活きる
- デット調達・契約実務経験：融資条件交渉、金融機関折衝に慣れている
- 関係者調整力：金融機関・投資家・弁護士との多面的な連携が可能
- リスク分析能力：ファンドの期中運用やExit設計での経験がある
3. 求められるスキルセット
- ファイナンス理論の理解（NPV、IRR、デュレーションなど）
- ストラクチャリング経験、SPCスキーム理解
- Excel・財務モデル構築力
- 法務・税務・信託スキームとの連動知識
- 英語力（契約文書、海外投資家対応）
4. 転職成功のためのステップ
- ファンド業務でのストラクチャー経験・交渉実績を洗い出す
- 財務モデル・契約スキームの理解を強化（M&AやPFの実務書など）
- プロジェクトの全体像を把握し、PM経験として伝える
- 「ファンド × ストラクチャー構築」の融合をアピール
- 資格取得（CFA、宅建、不動産証券化マスター）も有効
5. 志望動機（例文）
これまで不動産ファンドにて、投資スキームの構築やデット調達、金融機関対応、期中運用管理などに従事してまいりました。投資家との交渉やExit設計を行う中で、資金調達構造の設計やリスク評価に深く携わるストラクチャードファイナンス分野に強い関心を抱くようになりました。今後は、現場での構造設計・調整経験を活かし、より高度な金融スキームの構築に貢献してまいりたいと考えております。
6. 職務経歴書（サンプル）
【氏名】田中 健太（仮名） 【連絡先】kenta@example.com / 080-xxxx-xxxx 【職務要約】 不動産ファンドにて、アセット取得、SPC設計、融資調達、CF管理、運用報告などを担当。法務・金融・事業面の調整を横断的に行い、Exit設計とキャッシュリターン最大化を支援。今後はストラクチャードファイナンス領域にて専門性を深めたいと考えている。 【職務経歴】 株式会社○○キャピタル（2018年4月～現在） 所属：投資運用部門 職位：アソシエイト → シニアアソシエイト ■主な実績： ・不動産SPC 5件の設計・期中運営（平均規模：50億円） ・LTV調整、レンダー交渉（複数行との同時調整） ・IRR・DSCRに基づくExit戦略策定 ・外部弁護士・信託会社とのストラクチャー構築 【資格】 ・不動産証券化マスター ・CFAレベル1合格 ・TOEIC 835点 【学歴】 ○○大学 経済学部 卒業（2018年3月）