はじめに
戦略コンサルタントとして経営課題の解決に携わってきた方が、ビジネスとデータをつなぐ「データサイエンティスト」への転職を目指すケースが増えています。ビジネスセンスと仮説検証能力に優れたコンサル出身者は、統計・機械学習のスキルを身につけることで、データドリブンな意思決定の現場で価値を発揮できます。本記事では、戦略コンサルタントからデータサイエンティストへ転職するための準備・スキル・実務経験の整理法を解説します。
1. データサイエンティストの仕事内容
- 課題設定とデータによる仮説構築
- データ収集・整形(SQL、Pythonなど)
- 統計・機械学習による予測・分類モデル構築
- ビジネスへの示唆抽出とレポート作成
- プロダクト改善やマーケティング施策への実装支援
2. 戦略コンサルタントがデータサイエンティストに向いている理由
- 課題設定・仮説構築力:コンサルで培った問題解決フレームワークをデータにも応用できる
- ビジネス理解:事業構造やKPI設計に関する知識はデータ活用の設計に不可欠
- ドキュメンテーション力:スライド作成・プレゼン経験が報告書作成に活かせる
- 分析活用の推進力:PoCで終わらせず、成果をビジネスインパクトにつなげる能力がある
3. データサイエンティストに求められるスキルセット
- 統計学・機械学習(回帰・分類・クラスタリング・因果推論など)
- Python・SQLなどのプログラミング言語
- BIツール(Tableau、Power BI)による可視化
- モデルの評価指標(Accuracy, AUC, RMSEなど)の理解
- ETL・データクレンジングの基礎知識
4. 転職成功のためのステップ
- 業務での定量分析・KPI設計の経験を棚卸し
- PythonやSQLの基礎をオンラインで学習(Kaggle、Udemyなど)
- 分析コンペやポートフォリオの作成(SIGNATE、GitHubなど)
- 「データサイエンス×ビジネス活用」事例を把握・発信
- データサイエンスに強い転職エージェントに相談
5. 志望動機(例文)
これまで戦略コンサルタントとして企業の経営課題に向き合う中で、意思決定の高度化におけるデータ活用の重要性を痛感してまいりました。特に、顧客セグメンテーションや購買傾向分析、業績KPIの因果分析などを通じて、統計・機械学習による意思決定支援の意義を実感しました。 今後は、データ活用のプロフェッショナルとして、定量的な分析をもとに企業の変革を実現するデータサイエンティストとして成長し、御社の課題解決に貢献したいと考えております。
6. 職務経歴書(サンプル)
【氏名】大谷 亮太(仮名) 【連絡先】ryota@example.com / 080-xxxx-xxxx 【職務要約】 大手戦略系コンサルティングファームにて、5年間にわたり新規事業立案、事業再編、KPI設計支援を担当。仮説構築から定量分析、クライアント報告まで一貫して実施。近年はPythonを用いた顧客データ分析や、因果推論モデルを用いた収益構造の評価なども経験。 【職務経歴】 株式会社○○コンサルティング(2019年4月~現在) 所属:戦略ユニット 職位:シニアアソシエイト ■主な実績: ・大手流通企業のLTV分析プロジェクトでセグメント別施策を設計 ・SaaS企業のプロダクト改善に向けたユーザー行動のクラスタリング分析 ・Python/Pandasによるデータクレンジングと可視化レポートの作成 ・Kaggleコンペ初級編で銀メダル1回獲得 【資格】 ・統計検定2級 ・TOEIC 875点 ・Python3エンジニア認定基礎試験 【学歴】 ○○大学 経済学部 経済学科 卒業(2019年3月)