製品開発・研究開発(化学)からESGアナリストへの転職ステップ

はじめに

化学メーカーや素材メーカーにおいて製品開発・研究開発を担当してきた方が、近年注目を集めるESGアナリストへのキャリアチェンジを検討するケースが増えています。サステナビリティや脱炭素への取り組みが企業評価に直結する中で、科学的知見を持つ人材のニーズは高まっています。本記事では、化学分野のR&DからESGアナリストに転身するためのスキル・準備・転職戦略について詳しく解説します。

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1. ESGアナリストとは?

ESGアナリストは、企業の環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)に関する情報を収集・評価し、投資判断やレポーティングに役立つ分析を行う職種です。具体的には以下の業務を担います:

  • 企業のESG活動・非財務情報の開示内容の調査と分析
  • 温室効果ガス(GHG)排出量・削減目標の妥当性評価
  • ESGスコア・格付けの作成
  • サステナビリティ・レポートの作成支援
  • 投資家向け情報開示の高度化支援

2. 化学系R&D出身者がESGアナリストに向いている理由

  • 環境負荷・物質特性の専門知識:GHG排出・有害物質・LCAに関する理解がある
  • 定量的・論理的な分析力:研究開発で培ったデータ解析力を活かせる
  • 製造業・素材業界の構造理解:サプライチェーンの実態把握に役立つ
  • 技術トレンドへの感度:脱炭素、リサイクル、グリーン化学の知識がある

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3. 求められるスキルセット

  • ESG評価指標(SASB、TCFD、GRI、CDPなど)の理解
  • 非財務情報の分析・開示経験
  • 統計・データ分析スキル(Excel、Python、Power BIなど)
  • 英語資料読解力(海外企業のレポート分析など)
  • 論文・報告書作成能力(技術ドキュメント経験が活きる)

4. 転職成功のためのステップ

  1. GHG排出量・LCA(ライフサイクルアセスメント)などの学習
  2. ESG評価手法の知識を身につける(セミナーやe-learning)
  3. これまでの研究で扱ってきた環境貢献性を整理
  4. サステナビリティ関連の資格取得(例:環境計量士、ESG検定)
  5. ESGアナリスト職の募集企業の情報収集と応募準備

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5. 志望動機(例文)

これまで化学メーカーにて、材料開発やプロセス最適化などの研究開発業務に従事し、環境負荷低減やリサイクル性向上などをテーマにした案件を数多く経験してまいりました。その中で、企業の環境対応が経営戦略と直結し、非財務情報が投資家の意思決定に与える影響が高まっていることを実感しました。 今後は、科学的な知見と定量的な評価力を活かし、ESGアナリストとして企業の持続可能な成長と投資判断の高度化に貢献したいと考えております。

6. 職務経歴書(サンプル)

【氏名】伊藤 美咲(仮名)
【連絡先】misaki@example.com / 080-xxxx-xxxx

【職務要約】
大手化学メーカーにて、5年間にわたり高分子材料の製品開発・改良・評価に従事。再生可能資源の活用やCO2排出抑制型材料の開発など、環境対応型製品を中心とした研究テーマを推進。LCAやGHG算定、サプライヤー評価経験あり。

【職務経歴】
株式会社○○化学(2019年4月~現在)
所属:研究開発本部
職位:主任研究員

■主な実績:
・植物由来ポリマーの開発(バイオマス度90%以上)
・LCA手法によるCO2排出量比較レポート作成
・環境配慮型製品の社内ガイドライン作成と運用主導
・再生材評価プロジェクトでのデータ収集と第三者機関との折衝

【資格】
・環境計量士(濃度関係)
・TOEIC 805点
・Python基礎(業務自動化ツールの構築経験あり)

【学歴】
○○大学 大学院 工学研究科 応用化学専攻 修了(2019年3月)

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)