審査・クレジットアナリストからクレジットリスクへの転職ステップ

はじめに

個別企業の信用分析に長けた審査・クレジットアナリストのキャリアから、よりマクロ視点と定量的アプローチが求められるクレジットリスク部門へ転じることは、金融機関内でも高度な専門職としての進化を意味します。本記事では、両職種の違いや共通点、そしてクレジットリスク部門への転職成功のための準備ステップを解説します。

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1. 審査・クレジットアナリストとクレジットリスクの違い

審査・クレジットアナリストの役割

個別の融資案件ごとに、借り手企業の信用力を判断し、与信実行の可否を提言します。企業財務や定性情報の分析、経営者ヒアリングをもとに信用格付やリスク評価を行います。

クレジットリスク管理の役割

銀行全体または部門レベルでの信用リスクの把握、ポートフォリオの分析、ストレステスト、リスク量計測、自己資本比率管理、当局報告対応などを担います。リスク管理の枠組みづくりにも関与します。

2. 転職における共通スキルと差分

  • 共通スキル:財務分析力、企業調査力、与信判断スキル
  • 差分スキル:リスク計測(PD・LGD)、規制対応(バーゼル規制)、リスク報告資料作成、数理的・統計的知識

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3. クレジットリスク職で求められる知識

  • 信用リスク計測(Expected Loss、Unexpected Loss)
  • 信用格付モデルの理解と活用
  • バーゼル規制、信用リスク関連の規制知識
  • Excel VBA、SQL、Pythonによるリスクデータ分析

4. 転職に向けた準備ステップ

  1. バーゼル規制や信用リスク管理に関する書籍・講座で学習
  2. 自部門のリスク部門と連携している業務で関与を深める
  3. データ分析力(Excel VBA, SQL)を強化
  4. クレジットリスク部門求人の動向をチェックし、マッチする募集に応募

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5. 志望動機(例文)

これまで法人審査部門にて、製造業・商社・IT業界など幅広い業種の与信審査を担当し、企業の財務内容・経営戦略・業界動向を多角的に評価してきました。今後は、こうした個別与信判断の経験を基盤に、信用リスク全体を統括・可視化する業務に関わりたいと考えています。特に、ポートフォリオ視点での信用リスク量の把握や、リスクマネジメント体制の高度化に寄与したく、貴社のクレジットリスク部門への転身を希望しております。

6. 職務経歴書(サンプル)

【氏名】田中 一郎(仮名)
【連絡先】ichiro@example.com / 090-xxxx-xxxx

【職務要約】
大手都市銀行にて5年間、法人審査部門で業種・規模問わず年間約200件の審査案件を担当。財務分析、事業分析、与信提言に加え、期中モニタリング、引当管理にも関与。定量・定性両面での与信判断に強み。

【職務経歴】
株式会社●●銀行(2019年4月~現在)
部門:法人審査部
職位:審査アナリスト(主任)

■主な実績:
・与信判断案件:年間200件(平均規模3億円)
・不良債権予兆早期発見の体制改善提言を実施
・自己査定精度向上のための財務早期警戒指標導入に関与

【資格】
・証券アナリスト1次試験合格
・TOEIC 845点
・MOS Excel Expert

【学歴】
○○大学 経済学部 卒業(2019年3月)

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)