財務会計(経理)から管理会計(マネジメントレポーティング)へ──経営判断を支える数字のプロへ

財務会計(経理)としての経験は、正確な会計処理だけでなく、管理会計分野においても大きな強みとなります。管理会計は、経営判断のための数値分析やレポーティング、予算策定、KPIモニタリングなどを通じて、経営陣の意思決定を支援する役割を担います。本記事では、財務会計から管理会計(マネジメントレポーティング)へとキャリアチェンジするためのステップと、志望動機・職務経歴書の記載例をご紹介します。

目次

1. 財務会計と管理会計の違い

項目財務会計(経理)管理会計(マネジメントレポーティング)
目的外部向け報告(法定開示)内部向け報告(経営判断支援)
主な業務決算、税務、有価証券報告書の作成予算策定、実績分析、KPIレポート、原価管理
タイミング過去の取引記録に基づく現在および将来の意思決定に基づく

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2. 活かせるスキルと経験

  • 財務データの集計・分析スキル
  • ExcelやBIツールを活用した資料作成力
  • 予実差異の原因分析・説明力
  • 他部署との調整力・ヒアリング力
  • KPI設計やモニタリングの視点

3. 転職を成功させるステップ

  1. 管理会計の目的と主要指標を理解:ROIC、CVP分析、限界利益など
  2. 経理経験を“経営に貢献する数字”として再整理:分析視点や課題発見の事例を棚卸し
  3. レポート資料のサンプル作成・改善提案などをポートフォリオ化
  4. 志望動機では“経営意思決定の支援”という視点を明確に

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4. 求められる知識と補完方法

  • 管理会計の基礎(直接原価計算、CVP分析、予算統制)
  • BIツール(Tableau、Power BI)やExcelの高度な操作
  • KPI設計とレポーティングの構造
  • 参考書籍:『管理会計入門』『経営に活かす会計思考』

5. 職務経歴書の記載例

氏名:佐藤 奈緒
生年:1990年生まれ

■職務要約:
上場企業にて経理担当として8年間勤務。月次・四半期・年次決算、有価証券報告書作成を中心に従事。部門別収支管理や原価分析資料の作成、経営会議向け財務分析レポート作成にも関与。今後は、データドリブンな経営を支援する管理会計の分野でキャリアを構築したいと考えている。

■職務経歴:
株式会社○○(2016年4月〜現在)
・決算業務(単体・連結)、税務申告書作成
・有価証券報告書、決算短信、招集通知作成
・部門別予実管理体制の構築と月次レポート作成
・経営会議向けのKPI資料、財務分析資料作成
・原価差異・変動要因分析と改善提案

■保有資格:
・日商簿記1級
・TOEIC 830点

■学歴:
慶應義塾大学 商学部 卒(2013年3月)

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6. 志望動機の記載例

経理として財務情報の整備と開示に従事する中で、数字を経営判断に活かす視点の重要性を強く実感しました。今後は管理会計領域で、数字を通じて事業の課題を可視化し、経営の意思決定に貢献する仕事に携わりたいと考えています。

7. まとめ

財務会計の経験者は、正確な数字への感度やデータ構造への理解に優れています。管理会計への転職は、経営により近い立場で数字を使って貢献したい方にとって、有効なキャリアのステップとなります。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)