コトラ（広報チーム） 
金融法人営業としての資金調達スキーム提案や企業財務の理解は、不動産ファイナンスにおいても極めて有効です。不動産ファイナンスの現場では、キャッシュフロー予測や担保価値評価、投資家・レンダーとの契約交渉など、専門的かつ複合的な判断が求められます。本記事では、金融法人営業から不動産ファイナンスへ転職するためのステップと、志望動機・職務経歴書の記載例をご紹介します。
目次
- 1. 金融法人営業と不動産ファイナンスの違い
- 2. 活かせるスキルと経験
- 3. 転職を成功させるステップ
- 4. 求められる知識と補完方法
- 5. 職務経歴書の記載例
- 6. 志望動機の記載例
- 7. まとめ
1. 金融法人営業と不動産ファイナンスの違い
| 項目 | 金融法人営業 | 不動産ファイナンス |
|---|---|---|
| 対象顧客 | 事業会社、金融機関 | デベロッパー、不動産AM会社、投資ファンドなど |
| 主な業務 | 融資提案、資金管理 | 不動産担保付融資、ノンリコースローン、キャッシュフロー分析 |
| 視点 | 企業財務中心 | アセット収益性とリスク分散構造中心 |
2. 活かせるスキルと経験
- 融資関連ドキュメンテーションの経験
- デューデリジェンスの進行管理
- 貸出審査・与信管理に関する基礎スキル
- SPC、信託、担保設定などの理解
- 関係者との調整・交渉力
3. 転職を成功させるステップ
- 不動産ファイナンスの構造を学ぶ：LTVやDSCR、ノンリコース・リコースの違いを理解
- 営業での融資提案経験を棚卸し：プロジェクトファイナンス、資金調達支援の事例を整理
- 不動産マーケットの基礎を補完：市況、アセットタイプ（オフィス、物流、レジなど）の理解
- 志望動機では“金融×リアルアセット”への関心と成長意欲を明確に
4. 求められる知識と補完方法
- 不動産ファイナンスのスキーム（SPC、TMK、信託など）
- 主要指標（NOI、LTV、DSCR、IRRなど）
- マーケットレポート（JLL、CBREなど）の活用
- 契約関連（ローン契約、信託契約、担保設定）
- 参考：『不動産ファイナンス入門』『アセットファイナンスの理論と実務』
5. 職務経歴書の記載例
氏名：山本 翔太 生年：1990年生まれ ■職務要約： メガバンクにて法人営業として8年間勤務。上場企業を中心に、融資・資金調達の提案に従事。特に、不動産開発会社向けの資金スキーム立案、建築前プロジェクトの資金繰り改善支援において実績多数。今後は、不動産というアセットに軸足を置き、より高度な金融スキームに携わりたいと考え不動産ファイナンス分野を志望。 ■職務経歴： ○○銀行（2016年4月〜現在） ・不動産会社向け：開発案件への事業性融資（担保設定・評価含む） ・デベロッパーとの信託スキーム調整・与信審査対応 ・内部稟議資料の作成・社内決裁業務 ■保有資格： ・宅地建物取引士（学科合格） ・証券アナリスト第1次試験合格 ・TOEIC 860点 ■学歴： 慶應義塾大学 商学部 卒（2013年3月）
6. 志望動機の記載例
法人営業として不動産関連企業への資金支援に携わる中で、不動産を対象とした金融の専門性と奥深さに魅力を感じるようになりました。今後は、不動産ファイナンスの専門家として、案件の組成から実行までを担い、アセットの価値向上と金融支援の両面で社会に貢献していきたいと考えております。
7. まとめ
金融法人営業のバックグラウンドは、不動産ファイナンス分野でも十分に活かせます。財務視点と交渉力、仕組み構築力を備えた人材は、不動産の複雑なファイナンス案件でも即戦力として活躍できる可能性があります。