業務コンサルタントとして培った課題解決力、業務プロセスの理解、仮説検証力は、戦略コンサルタントとして活躍する上でも大きな強みとなります。戦略コンサルタントは、企業の経営層とともに中長期の方向性を描き、構想策定から実行支援まで幅広く携わる役割を担います。本記事では、業務コンサルタントから戦略コンサルタントへ転職するためのステップと、そのための志望動機・職務経歴書の記載例をご紹介します。
目次
- 1. 業務コンサルタントと戦略コンサルタントの違い
- 2. 活かせるスキルと経験
- 3. 転職を成功させるステップ
- 4. 求められる知識と補完方法
- 5. 職務経歴書の記載例
- 6. 志望動機の記載例
- 7. まとめ
1. 業務コンサルタントと戦略コンサルタントの違い
項目 | 業務コンサルタント | 戦略コンサルタント |
---|---|---|
目的 | 業務改善・効率化 | 企業の成長・競争優位の実現 |
視点 | 部門・オペレーション起点 | 経営・市場起点(全社最適) |
成果物 | 業務設計書、プロセスマップ、改善提案書 | 中期経営計画、新規事業戦略、M&A戦略 など |
2. 活かせるスキルと経験
- 構造的な課題整理・仮説立案スキル
- 多様な業界における業務理解と現場感
- ファクトに基づくストーリーメイキング
- プロジェクトマネジメント・提案資料作成スキル
- 顧客との折衝・ステークホルダーマネジメント
3. 転職を成功させるステップ
- 戦略コンサルの業務と価値提供を理解する:企業変革を導く構想フェーズの重要性を把握
- 業務改革の経験を“経営アジェンダ起点”で再構築:経営課題と業務課題の接点を意識した棚卸し
- 業界・競合・市場分析の訓練を行う:PEST、3C、5フォース等の戦略フレームを実践
- 志望動機では“経営の意思決定に関わる挑戦”を強調:ビジネスを構想し、世の中を動かす立場への憧れを伝える
4. 求められる知識と補完方法
- 経営戦略論(競争戦略、コーポレート戦略)
- 新規事業開発手法(リーンスタートアップ、ビジネスモデルキャンバス)
- ファイナンス基礎(DCF、IRR、NPV)
- 業界構造分析(PEST、3C、5フォース分析)
- 参考:『経営戦略全史』『ハーバードMBA戦略講義』など
5. 職務経歴書の記載例
氏名:佐藤 絵里 生年:1990年生まれ ■職務要約: 業務コンサルタントとして約8年間、業務プロセスの可視化、KPI設計、業務改善提案に従事。業務改善にとどまらず、近年は新規事業構想や事業部門横断型の組織再編支援にも携わり、経営的視点からの提案経験を蓄積。今後は、戦略コンサルタントとして企業変革をより上流から支援したいと考えている。 ■職務経歴: ○○コンサルティング株式会社(2016年4月〜現在) ・製造業:中期業務改革構想支援(KGI設計、構想ロードマップ策定) ・小売業:OMO戦略構想支援(施策ポートフォリオ策定) ・IT企業:新規事業構想フェーズにおける市場分析・戦略仮説構築 ■保有資格: ・中小企業診断士 ・PMP(Project Management Professional) ・TOEIC 900点 ■学歴: 一橋大学 商学部 卒(2013年3月)
6. 志望動機の記載例
業務コンサルタントとして現場改善や業務設計に従事する中で、より経営層と近い立場で企業の成長を支える提案を行いたいという思いが強くなりました。今後は、戦略コンサルタントとして構想フェーズから実行まで一貫して企業変革に携わり、社会にインパクトを与える仕事に挑戦したいと考えております。
7. まとめ
業務コンサルタントで培ったロジカルシンキングや実行力は、戦略コンサルタントとしての素養を備えています。全社変革や企業の成長支援に携わりたいと考える方にとって、戦略コンサルは極めて挑戦しがいのあるキャリアパスです。