ビッグデータやAIの普及により、データサイエンティストの需要はますます高まっています。中でも、定量的思考と業界理解を兼ね備えたリサーチ・アナリスト出身者が、データ分析の実行者として活躍するケースが増えています。リサーチ・アナリストは調査・仮説検証のプロであり、その分析力や洞察力は、データサイエンティストとしても大いに活かされる武器になります。本記事では、リサーチ・アナリストからデータサイエンティストに転職するためのステップや必要なスキル、志望動機・職務経歴書の記載例まで詳しく解説します。
目次
- 1. リサーチ・アナリストとデータサイエンティストの違い
- 2. 活かせる経験とスキル
- 3. 転職を成功させるステップ
- 4. 求められる知識と学習方法
- 5. 職務経歴書の記載例
- 6. 志望動機の記載例
- 7. まとめ
1. リサーチ・アナリストとデータサイエンティストの違い
項目 | リサーチ・アナリスト | データサイエンティスト |
---|---|---|
目的 | 業界・市場・企業の分析とレポーティング | データを用いた課題解決・予測・モデル構築 |
アウトプット | レポート、投資判断材料 | モデル、ダッシュボード、アルゴリズム |
使用ツール | Excel、PowerPoint、Bloomberg、FactSet | Python、SQL、R、Tableau、BigQueryなど |
2. 活かせる経験とスキル
- 業界・企業に対する深い定性・定量分析力
- 仮説構築と検証型アプローチ
- 論理的思考とビジネスへの洞察力
- Excelでの集計・分析業務
- 定量調査レポート作成・プレゼン能力
3. 転職を成功させるステップ
- Python・SQLを習得:まずは分析業務に必要な基礎技術を身につける
- Kaggleや分析コンペに挑戦:実務に近いアウトプット経験を蓄積
- 分析プロセスの型を学ぶ:データ収集→前処理→可視化→モデル構築の流れを理解
- 自己学習・資格取得で補強:統計検定、G検定、データサイエンス講座など
- ポートフォリオの作成:GitHubなどでコードと分析結果を発信
4. 求められる知識と学習方法
- プログラミング言語:Python、SQL、R
- 統計・機械学習:回帰分析、分類、クラスタリング、決定木、ランダムフォレストなど
- BIツール:Tableau、Power BI
- クラウド:GCP(BigQuery)、AWS(S3, Redshift)
- 参考教材:Coursera「Google Data Analytics」、Kaggle、書籍『Pythonによるデータ分析入門』
5. 職務経歴書の記載例
氏名:中村 直人 生年:1990年生まれ ■職務要約: 証券系シンクタンクにて約8年間、リサーチ・アナリストとして業界・企業分析、定量レポートの作成に従事。近年は自発的にPythonやSQLを学び、顧客データの可視化業務や統計モデリングを社内で提案・実践。今後はよりデータ駆動型の意思決定に関わるべく、データサイエンティスト職への転身を希望。 ■職務経歴: 株式会社◯◯リサーチ(2015年4月〜現在) ・業界別レポート(製造業・インフラ系中心)の作成 ・Bloomberg、FactSet、EDINET等を用いたデータ分析 ・PythonにてKPI可視化レポートを作成(社内向け) ・SQLによるクエリ作成/基本統計量の算出/欠損補完処理 ・勉強会にてデータ分析ハンズオン研修を企画・実施 ■保有資格: ・統計検定2級 ・G検定 ・Python3エンジニア認定基礎 ・TOEIC 850点 ■学歴: 一橋大学 経済学部 卒(2013年3月)
6. 志望動機の記載例
これまでリサーチ・アナリストとして業界調査やデータ分析を行う中で、蓄積されるデータをより実務的に活かす方法を模索するようになりました。PythonやSQLを独学し、分析業務を自動化した経験から、データを“活かす”立場として事業や社会に貢献したいと考え、データサイエンティストを志望するに至りました。貴社においても、分析スキルと業界知見を掛け合わせ、実務に直結するアウトプットを生み出していきたいと考えております。
7. まとめ
リサーチ・アナリストとしての「課題設定力」「仮説構築力」「業界知見」は、データサイエンティストにとって極めて重要な基礎資産となります。あとは技術スキルを学び、ビジネス実務に活かせる形に変換するだけです。あなたの分析力を、未来を創る“データ”の世界へ転換してみませんか?