リサーチ・アナリストとは、企業や業界、社会構造に関する情報を分析し、経営や投資、事業戦略の意思決定を支援する職種です。特に、情報の構造化、仮説構築、ロジカルなアウトプットが求められるこの職種は、近年ますます需要が高まっています。
一方、ビジネスデベロップメント(事業開発)として、新規事業企画や市場開拓を担ってきた方々の中には、「分析・構造化・提案」という共通項を活かし、リサーチ・アナリスト職へ転身するケースが増加しています。
本記事では、ビジネスデベロップメントからリサーチ・アナリストに転職するためのステップ、求められるスキル、そして志望動機や職務経歴書のサンプルまでを、体系的に解説します。
リサーチ・アナリストとは
- 業界・企業・市場動向に関する情報収集と分析
- 定量・定性データをもとにした調査レポートの作成
- マクロ経済・業界トレンド・テクノロジー動向の把握
- 社内外ステークホルダーへの調査・インサイト提供
- エクイティリサーチ、コンサルティング、シンクタンクなどで活躍
ビジネスデベロップメント経験者が活かせるスキル
- 仮説構築と検証スキル:事業構想や提案のために構造的に情報を整理してきた経験
- 顧客インサイト分析力:ニーズ発掘のためのヒアリング、マーケット調査経験
- 定量分析スキル:KPI設計、PLシミュレーション、CVRやLTVなどの計算
- ロジカルライティング:提案資料や施策検討書の作成スキル
リサーチ・アナリスト転職のためのステップ
ステップ1:リサーチ職の目的とアウトプット形式を理解する
リサーチ職では「施策を考えるための情報整理」と「インサイトの提案」が主業務です。ビジネスデブロップメントでの提案前調査や、市場レポートの読解経験を活かす準備をしましょう。
ステップ2:自分の経験を「分析・インサイト」に翻訳する
- 「営業戦略立案」→「競合分析・市場整理」
- 「ターゲティング」→「セグメンテーション分析」
- 「事業提案」→「インサイトベースのレポーティング」
ステップ3:調査設計・分析スキルを補強する
- Excel:ピボット、関数、グラフの活用
- Googleフォーム、SurveyMonkeyなどのアンケート調査ツール
- PowerPointやNotionでのレポート資料作成
- SQL・Tableau・BIツール経験があれば尚可
ステップ4:志望動機・職務経歴書で「構造化思考」を伝える
「どんな目的で調査し、どう構造化し、どんなアウトプットに貢献したか」を明示できると好印象です。
志望動機(サンプル)
私はこれまでSaaS系企業にてビジネスデベロップメントを担当し、市場調査、競合分析、ターゲティングなどの業務を通じて事業提案を多数行ってまいりました。顧客ヒアリングや業界レポートの活用から、仮説を構築し意思決定を支援するプロセスに大きなやりがいを感じ、より客観性と再現性の高い調査・分析業務に専門的に取り組みたいと考えるようになりました。
御社のリサーチ職は、業界横断的な課題に向き合いながら、論理的かつ構造的なインサイトを提供する立場であり、私の経験を活かして貢献できると感じ志望いたしました。
職務経歴書(サンプル)
氏名:中村 健(仮名)
現職:株式会社〇〇(IT系企業)
部署:事業開発部(2019年4月〜現在)
主な業務内容
- 新規事業立ち上げのための市場調査・競合分析(国内外)
- 業界ヒアリングおよび施策レポート作成(20件以上)
- 営業ターゲティングに基づいたセグメント別施策立案
- 提案資料の構成(ペルソナ設計、業界課題の整理)
主な実績
- 新規サービス提案に伴う市場分析レポートを執筆(社内向け展開)
- 展示会参加企業をもとにした競合レポートの定期発行を主導
- 商談CV率を改善したターゲティングレポートを営業部門に提供
使用スキル・ツール
- Excel(ピボット、VLOOKUP、集計表)
- PowerPoint、Googleスライド、Notion、Miro
- 業界データベース(日経テレコン、Statistaなど)
まとめ:事業の“意思決定を支える”キャリアへ
ビジネスデベロップメントで培った“構想力”と“仮説検証力”は、リサーチ・アナリストという職種で確実に活かせます。特に「誰の、どんな問いに答えるか」を明確にした情報分析は、企業・投資家・政策立案者などの意思決定に直結するインパクトを持ちます。
あなたの分析視点が、次のビジネスを動かす鍵になるかもしれません。今こそ、戦略の背後にある“リサーチのプロ”として、キャリアの新しい一歩を踏み出してみませんか?