コンプライアンスから戦略コンサルタントに転職するためのステップ

コンプライアンス部門で培った法的知識・リスク管理能力・組織理解を武器に、戦略コンサルタントへのキャリアチェンジを目指す方が増えています。特に企業ガバナンスやESG対応、グローバルリスクの重要性が高まる今、コンプライアンス出身者の視点は、戦略策定においてますます重視されています。本記事では、コンプライアンスから戦略コンサルタントへの転職を実現するための具体的なステップやアピールポイントを解説します。

1. 戦略コンサルタントの主な業務

戦略コンサルタントは、クライアント企業の経営課題に対し、調査・分析を基に戦略立案と実行支援を行います。業務は多岐にわたり、業界分析、M&A支援、新規事業立案、組織変革、DX戦略などが含まれます。

  • 事業ポートフォリオの再編提案
  • 新規事業・サービスの立案とPoC支援
  • 海外進出やアライアンス戦略の設計
  • リスク・コンプライアンスを含む組織変革支援

転職のご相談(無料)はこちら>

2. コンプライアンス出身者の強み

戦略策定においても、以下のようなコンプライアンス経験者のスキルが評価されます:

  • ガバナンス構築、リスク管理の知見
  • 法規制を踏まえた制度設計力
  • 社内外の利害調整、ステークホルダーマネジメント経験
  • プロジェクトベースでのドキュメンテーション・プレゼン能力

3. 補完すべきスキルと獲得方法

一方で、以下のスキルは戦略コンサルへの転職に際し、補完が必要です:

  • 定量分析力(市場分析、財務モデリングなど)
  • ビジネスモデルへの理解と構築力
  • ロジカルシンキングと仮説検証スキル
  • 戦略立案フレームワーク(3C, 5Forces, SWOT等)の活用力

対策として、以下の学習・経験がおすすめです:

  • 戦略フレームワークやロジカルシンキングの研修受講
  • 企業分析レポートの作成・模擬ケース面接の実施
  • MBA基礎講座やビジネススクールの受講
  • 社内の業務改善プロジェクト参画による経験蓄積

転職のご相談(無料)はこちら>

4. 転職成功に向けた3ステップ

  • ステップ1:業界・コンサルファームの特徴を理解
    総合系/戦略系/ブティック系など、企業ごとに業務領域やカルチャーが異なる。
  • ステップ2:経験を戦略領域に翻訳する
    例:「制度設計→ビジネスプロセス設計」「リスク評価→事業性評価」など。
  • ステップ3:ケース面接・論理的思考トレーニングの徹底
    仮説思考、構造化、数字の使い方などを磨く。

5. 志望動機(例)

私はこれまでコンプライアンス領域で、法令対応やリスクマネジメント体制の整備、情報管理制度の構築に携わってまいりました。各部門との連携を通じ、制度運用が経営戦略と直結していることを実感し、より上流から組織の変革や成長戦略に関わりたいと考えるようになりました。貴社が取り組まれているESG・サステナビリティ領域における戦略策定や、複雑なステークホルダー間調整の支援には、私の経験が活かせると確信し、強く志望いたします。

転職のご相談(無料)はこちら>

6. 職務経歴書(サンプル)

氏名:佐々木 優子
年齢:32歳
最終学歴:◯◯大学 法学部 卒業

【職務概要】
株式会社△△ コンプライアンス部(2016年4月〜現在)
役職:チームリーダー

【業務内容】
・グローバル拠点を含む社内コンプライアンス体制の整備
・個人情報保護・GDPR対応・社内ガイドライン作成
・外部監査・取締役会報告資料の作成・説明
・新規事業における法令リスク分析と業務設計提言
・他部署と連携したリスクコミッティの運営

【実績】
・グループ全体のPマーク更新対応を主導し、業務工数を30%削減
・新規サービス導入時における法務・セキュリティ観点からの制度構築支援
・内部通報制度の再設計による社内リスク感度の向上

【保有資格】
・ビジネス法務エキスパート
・情報セキュリティマネジメント試験
・TOEIC 880点

【使用ツール】
・Excel(リスク管理テンプレート)、PowerPoint(経営報告資料)
・Confluence、Notion、Box、Slack

戦略コンサルタントは、ビジネスの「未来」を構想し、現場と共に変革を起こす存在です。制度設計やリスクマネジメントの実務経験は、その思考と実行の両輪において大きな武器になります。視点を広げ、未来志向でキャリアを再構築していきましょう。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)