コーポレートファイナンス(融資)からリテール企画に転職するためのステップ

銀行や金融機関における法人向け融資業務(コーポレートファイナンス)から、個人向け金融サービスや商品開発に携わるリテール企画職へのキャリアチェンジは、異なる視点とスキルの融合を通じて金融業界の多様な価値を生み出す道です。本記事では、法人融資経験者がリテール企画への転職を成功させるために必要なスキル・ステップ・考え方について詳しく解説します。

1. リテール企画の業務概要

リテール企画職は、個人顧客向けの金融商品(預金、ローン、投資信託、保険など)やサービスの企画・設計・プロモーション戦略を担当するポジションです。商品設計だけでなく、チャネル戦略、CX(顧客体験)設計、デジタルマーケティングとの連携など、企画全体のマネジメントが求められます。

  • 個人向け金融商品の企画・開発
  • キャンペーン・プロモーションの立案
  • 営業現場やデジタルチャネルとの連携
  • 金融規制やコンプライアンスの遵守
  • 顧客データ分析とPDCAの実行

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2. コーポレートファイナンス出身者の強み

法人融資経験者は、以下のスキルや視点を活かしてリテール企画に貢献できます:

  • 金融商品に対する構造理解(ローン、ファイナンススキーム)
  • KPI管理、予算運用、与信管理のロジカル思考
  • 経営者・顧客との折衝経験に基づくヒアリング力
  • 市場・顧客ニーズの分析力とソリューション提案力

3. 足りないスキルと補完方法

一方で、リテール企画職に求められる以下のスキルについては、意識的にキャッチアップすることが重要です:

  • デジタルマーケティング(SNS活用、LP改善、CRM)
  • ペルソナ設計・カスタマージャーニーの理解
  • UX/UIの知識とエンジニアとの協働経験
  • 商品ライフサイクルとレギュレーションの基礎

これらは次のように補うことができます:

  • マーケティング講座(宣伝会議・Udemy等)受講
  • 社内ジョブローテーションで企画部門へ挑戦
  • 副業でスタートアップやDX支援業務に関与

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4. 転職成功のための3ステップ

  • ステップ1:リテールビジネスの構造理解
    競合他社のプロダクト戦略、成功キャンペーン、デジタル導線を分析し、自分の視点に落とし込む。
  • ステップ2:自己PRの再構築
    “法人向けの課題解決経験” を “個人向けのニーズ発見力” へ変換したストーリーを作る。
  • ステップ3:志望企業との親和性を明確化
    どの金融プロダクトに興味があるか、どんな改善提案ができるかを具体的に提示。

5. 志望動機(例)

これまで法人融資業務を通じて、顧客課題を見極め、最適な金融ソリューションを設計・提案してきました。近年では個人金融におけるデジタル化が進み、リテール部門の影響力が増している中で、より多くの人々にとってわかりやすく、価値ある金融体験を提供したいと考えるようになりました。御社のようにデータとマーケティングを融合した先進的なリテール戦略を推進する企業であれば、私の論理的思考力と金融知見を活かし、ユーザー起点の企画に貢献できると確信しています。

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6. 職務経歴書(サンプル)

氏名:鈴木 大輔
年齢:33歳
最終学歴:××大学 経済学部 卒業

【職務概要】
ABC銀行 法人営業部 (2014年4月〜現在)
役職:課長代理

【業務内容】
・中小・中堅法人向けの融資提案(設備資金・運転資金)
・資金繰り改善提案、経営者ヒアリング、事業計画の策定支援
・ローン商品、ビジネスマッチング、補助金提案などのクロスセル
・KPI管理(与信枠、貸出残高、収益率など)と営業戦略立案
・後輩育成と勉強会講師(財務分析・ヒアリング技法)

【実績】
・年間新規融資:40億円(個別与信案件多数)
・クロスセル比率を前年比150%に向上
・チーム予算達成率:110%以上を3期連続で達成

【保有資格】
・ファイナンシャル・プランナー2級
・日商簿記2級
・TOEIC 755点

【使用ツール】
・Excel(関数/ピボット)・PowerPoint(提案資料)
・Salesforce、社内CRM

リテール企画への転職は、ユーザー視点・デジタル技術・金融知識が交差する分野への挑戦です。法人営業で培った課題解決力や構造理解力を、個人向けのサービス設計に応用することで、自分だけの強みを発揮する道が拓かれます。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)