コトラ（広報チーム） 
リース業界とは？基本知識と役割
リース業界の仕組みと特徴
リース業界は、企業や個人に対して物件を一定期間貸し出すことで収益を得るビジネスを行っています。その特徴として、リース会社が顧客のために機械や設備などの物件を購入し、顧客はその物件を使う代わりにリース料を支払う仕組みになっています。また、リースは長期契約が基本であり、契約期間中は物件の所有権はリース会社側に残るという点が特徴です。
リースの種類には、「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」があります。ファイナンス・リースは中途解約ができず、契約期間中にリース料を全額回収する形式です。一方、オペレーティング・リースは契約期間が短く、中古市場が活用されることも多い形式です。このような仕組みの違いが、リース業界の幅広いニーズに対応できる大きな理由といえます。
リース業界の市場規模と主要プレイヤー
リース業界の市場規模は非常に大きく、日本国内でもリース契約の総額は年間数兆円にのぼっています。この市場の成長には、企業が設備投資を効率化し、所有より使用を重視するというトレンドが影響しています。
主要なリース会社には、オリックス、三井住友ファイナンス＆リース、東京センチュリーリース、三菱HCキャピタルなどがあります。これらの大手企業は、幅広い産業分野に対応し、国内外で事業を展開しています。また、銀行系リース会社も多く、金融知識を活かした提案型営業を行うことが強みです。採用人数が限られるこれらの企業では、人材採用も難関であり、選考倍率が高い傾向にあります。
リースとレンタルの違い
リースとレンタルは似たようなサービスに見えますが、その仕組みや利用目的には明確な違いがあります。リースは長期間の契約が基本であり、企業の大規模な設備投資や機械導入に適しています。リース会社が物件を購入してその費用を顧客が分割で支払うため、企業としては資金計画を立てやすいというメリットがあります。
一方、レンタルは短期間の利用を目的としたサービスであり、イベントや短期プロジェクトなど一時的なニーズに対応するものです。また、レンタルの場合は物件の保守管理がレンタル業者の責任範囲となるため、利用者側の手間が少なく済むという特徴があります。このように、リースとレンタルは利用目的や契約期間、責任範囲が異なるため、目的に応じて選択することが求められるのです。
リース業界の年収事情：本当に高いのか？
リース業界の平均年収はどれくらい？
リース業界の平均年収は、一般的に高水準と言われています。具体的な数字として、大手リース会社に勤務する正社員の平均年収は700万円～1,000万円程度とされています。この理由には、大手金融グループの傘下に属する企業が多いことや、専門性の高い業務内容が求められることが挙げられます。さらに、業界全体の事業規模が拡大していることも、給与面の良さを後押ししていると言えるでしょう。
ただし、年収は会社の規模や役職、個人のスキルによっても異なります。そのため、採用人数の少なさも競争率の高さに影響しており、高い収入を得られる分、選考のハードルが高いのが特徴です。
大手リース会社別の年収ランキング
リース業界の年収事情をさらに詳しく知るために、大手リース会社別の年収ランキングを見てみましょう。例えば、三菱HCキャピタルや三井住友ファイナンス＆リース、オリックスといった企業は業界のトップクラスに位置しており、平均年収が高い傾向にあります。中でも三菱HCキャピタルは、平均年収が1,000万円を超えるとされており、リース業界で働く人々の給与水準を大きく牽引しています。
一方で、新卒採用人数や募集人数が限られているため、入社するのは容易ではありません。ただし、社員研修や福利厚生が充実している点からも魅力的な職場環境が整っています。
リース業界の年収が高い理由
リース業界の年収が高い理由は主に以下のポイントに集約されます。
まず、リース業界は専門的かつ多岐にわたる業務内容を取り扱うため、高度なスキルが求められる点が挙げられます。リース物件の評価やリスク管理、契約内容の審査といった業務は、金融・経済の知識が必要とされ、専門性が高い職種ほど収入が上がる仕組みになっています。
また、リース業界の利益率の高さも重要な要素です。リースビジネスは契約ベースで安定した収益を見込めるため、各企業が効率的に利益を上げやすい構造になっています。その結果、従業員にも高い給与水準が還元されると言えます。
さらに、採用人数が絞られていることで、優秀な人材を厳選する傾向があります。そのため、競争率が高い分、一度採用されれば、優遇された待遇で働けるという点も年収が高い理由の一つです。
ホワイト企業といえる？リース業界の働き方
週平均残業時間と有給取得率
リース業界は「ホワイトな働き方ができる」と評されることがありますが、その背景には働く環境の整備が充実している点が挙げられます。具体的には、週平均残業時間の低さや有給取得率の高さがポイントです。大手リース会社では、プロジェクトの進行状況や顧客対応により変動はあるものの、残業時間は月20時間程度、週平均では約5時間前後に収まる場合が多いと言われています。また、有給取得率に関しても、働き方改革の影響を受け、多くの企業が8割以上の取得を推奨しており、実際に取得実績が高い水準であることが特徴です。働きすぎを防ぐ環境が整っているため、ワークライフバランスを重視する人にも向いている業界です。
就業環境：フレックス勤務とリモートワークの普及状況
リース業界では、柔軟な働き方を推進している企業が増えてきています。特に大手リース会社では、フレックスタイム制やリモートワークの導入が進んでおり、社員一人ひとりが業務内容に応じて勤務時間や場所を調整できる環境が整っています。フレックス勤務は、営業やプロジェクト管理などの多様な業務に対応しやすい働き方として導入され、効率的な時間管理を実現しています。また、リモートワークは特にコロナ禍以降、多くのリース会社が本格導入を進めました。これにより、オフィスに常駐する必要がない場合でも業務を進められるため、家庭やプライベートと仕事の両立がしやすくなっています。こうした取り組みにより、働き方の自由度が高まり、魅力的な職場環境を形成しています。
離職率が低い理由と実際の働きやすさ
リース業界の離職率は他業界と比較して低い傾向にあります。この理由として、安定したビジネスモデルと良好な就業環境が挙げられます。リース業界は、長期的な契約が多いため業績が安定しやすく、加えて、充実した福利厚生やキャリアパスの明確さが従業員満足度を高めています。また、採用人数を厳選し、組織の規模に合った人員配置を行うことで、一人あたりの業務負荷も過度に偏ることがありません。特に大手企業では、しっかりとした研修制度やメンター制度を導入しているところが多く、新入社員だけでなく中途採用者もスムーズに業務に馴染むことができます。このように働きやすい環境が整っているため、従業員が安心して長く働ける業界と言えるでしょう。
リース業界への就職：志望動機と必要スキル
リース業界に向いている人材とは？
リース業界に向いている人材は、営業力に優れ、数字に強い方が求められる傾向があります。リース業では、企業の課題を解決するために最適な提案を行う営業職が中心であり、クライアントとの信頼関係構築や継続的なフォローが重要です。このため、コミュニケーション能力や提案力が高い人が活躍しやすいと言えます。また、リースの契約や財務構造を理解する必要があることから、金融知識や数字に対する強い関心もプラスの要素となります。
さらに、多様な業種のクライアントと接するため、幅広い業界知識や柔軟性、物事を俯瞰的に見る力も必要です。リース業界はグローバルな展開を進めている企業も多く、英語スキルや国際感覚があるとより強みとなるでしょう。
志望動機を作るためのポイント
リース業界の志望動機を作成する際は、「自分のスキルや資質が業界の仕事にどう役立つか」を軸に考えることが重要です。具体的には、営業スキルや課題解決能力を強調し、「企業の課題を解決するお手伝いがしたい」という自分の意欲を示しましょう。また、リース業界の特性や仕組みへの理解を示し、具体的な例を挙げて説得力を高めることがポイントです。
例えば、「リースを通じて設備投資の効率化を支援できる点に魅力を感じました」や「多様な業界と関わることができるリース業界で、自身の柔軟性を生かしたいと思いました」といった言葉を押さえておくとよいでしょう。また、大手リース会社の具体的な取り組みや事業方針を事前に調べ、その上でその企業への適応力や共感ポイントを伝えることも、他の志望者との差別化につながります。
選考の難易度と面接の傾向
リース業界の選考は、総じて難易度が高いと言われています。特に大手リース会社では、志望者数が増加傾向にあり、高い倍率での競争が繰り広げられています。そのため、しっかりと志望理由を構築し、リース業界や志望企業独自の特徴を深く理解しておくことが求められます。
面接では、まずはリース業界に対する基本理解を問われることが多く、リースとレンタルの違いや、業界のビジネスモデルについて説明できるよう準備が必要です。さらに、「具体的にどのような形で企業の成長をサポートしたいか」など、実践的な視点も評価される傾向にあります。また、チームワークや問題解決に関するエピソードを求められる場面もあるため、これまでの経験を生かした受け答えができるようにしましょう。
近年では、学生に向けた特別選考ルートや早期内定を実現する制度も増えており、これらを活用することで採用人数の枠を広げられる可能性もあります。選考倍率が高い中でも、事前準備を十分に行い、自信を持って臨むことが成功のカギと言えるでしょう。