リース業界で輝く!主要企業40社の全貌に迫る

リース業界とは?その仕組みと特徴

リースの基本的な仕組み

リースとは、企業や個人が機械や設備、自動車などの物件をリース会社から一定期間借り受ける仕組みです。利用者はリース会社に月々の賃貸料を支払うことで、対象物件を使用することができ、リース期間終了後にはその物件を返却します。この仕組みにより、利用者は購入に伴う大きな初期投資を省くことができ、予算管理が容易になるという特徴があります。

リース取引には、主にファイナンス・リースとオペレーティング・リースの2種類があります。ファイナンス・リースは、契約期間中の中途解約ができない形式のもので、高額な設備や機械を保有しない企業が利用することが多いです。一方、オペレーティング・リースは、リース終了後に物件を返却できる形式で、主に低コストで短期的な利用を目的とする利用者に向けられています。

リース業界の成り立ちと歴史

リース業界は、1960年代にアメリカを発祥として拡大を始めました。その後、日本でも設備投資を支援する目的で同様のビジネスモデルが取り入れられ、1964年にはリースの先駆者であるオリックスが設立されました。高度経済成長期において、企業が設備投資を拡大する際の資金負担を軽減するパートナーとしてリース業界は急成長しました。

国内ではその後、多様な企業が参入し、銀行系リース会社や独立系リース会社、さらには専門業を手掛けるメーカー系リース会社まで幅広い展開を見せるようになりました。現在では、設備機器だけでなく、不動産や航空機、さらにはITインフラなどもリースの対象となり、その事業領域を広げています。

業界全体の市場規模と動向

日本のリース業界の市場規模は、おおよそ5兆円前後とされており、これは国内総生産(GDP)の成長とともに安定的な推移を示しています。特に近年では、デジタル技術の導入や環境対応型のリース商品の需要拡大が加速し、業界全体で新たな成長の兆しが見られます。

また、コロナ禍以降、企業のコスト削減ニーズが高まったことで、カーリースやIT機器リースなど、柔軟性のあるサービスが着目されています。特に、グローバル市場での展開を視野に入れた動きが加速しており、国内リース市場はそのままに、海外市場での収益拡大を目指す動きが活発化しています。

リースとレンタルの違いを解説

リースとレンタルは混同されることが多いですが、それぞれ異なる特徴があります。リースは主に法人を対象とし、長期契約で設備や機械を利用するビジネスモデルです。契約期間中の物件の保守管理やコスト負担は、基本的に利用者側が担うことが一般的ですが、その分使用目的に合った商品をカスタマイズすることが可能です。

一方、レンタルは短期間で利用することを想定したサービスであり、頻繁に物件を借りる必要がない個人や法人が活用します。レンタルの方が柔軟性が高い一方で、リースは長期運用を前提にしたコスト効率の良さがメリットとして挙げられます。

このように、リースとレンタルはそれぞれ異なるニーズに応じて活用されており、リース業界の成長はその仕組みの柔軟性にあるといえるでしょう。

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リース業界を牽引する主要企業とは

トップシェアを誇るリース企業5社

リース業界において存在感を示す企業として、特に注目される5社をご紹介します。まず、日本のリース業界を代表するオリックスは、1964年に創業し、国内トップの売上高を誇ります。金融事業や生命保険、グローバル展開まで幅広い領域に進出しているのが特徴です。

続いて、三井住友ファイナンス&リースは、航空機リースや環境エネルギーなどの分野で強みを発揮しています。さらに、東京センチュリーは商社と金融の融合という独自のモデルで事業を展開しています。

また、三菱HCキャピタルは、2021年の統合により設立され、国内外に120以上の拠点を持つグローバルな企業です。芙蓉総合リースは富士銀行系で設立され、みずほフィナンシャルグループとの連携で発展しています。これらの企業は、市場規模が拡大する中でリース業界の成長を牽引しています。

独立系リース会社と銀行系リース会社の違い

リース業界には、独立系リース会社と銀行系リース会社という2つの主要なカテゴリがあります。独立系リース会社は、自らの独自性やフレキシブルなサービスを強みとし、広範な資産ファイナンスを提供しています。代表的な例としては、オリックスや東京センチュリーが挙げられます。

一方、銀行系リース会社は、大手金融機関のグループ会社として、銀行や金融機関との連携を活かしたサービスが特徴です。三井住友ファイナンス&リースやみずほリースなどがその典型例で、信用力や資金調達の安定性が強みとなっています。この違いは、取引先やサービス内容にも反映されており、企業ニーズに合わせた選択が可能です。

各社の特徴と主力サービス

リース業界の主要企業は、それぞれ異なる強みを活かして多様なサービスを展開しています。オリックスは、リースビジネスに加え、投融資や生命保険、さらには環境ビジネスなど幅広い事業ポートフォリオを持っています。一方、三井住友ファイナンス&リースは、航空機リースやDX(デジタルトランスフォーメーション)関連のサービスに注力しており、特化型の展開を進めています。

東京センチュリーは、商社との連携による共創事業が特徴的で、物流や不動産分野でも実績を伸ばしています。また、三菱HCキャピタルは幅広い業種との取引とともに、海外進出に積極的です。芙蓉総合リースは設備・産業機械分野でのリースに強みを持ち、銀行系ならではの安定した基盤が支持されています。

売上高ランキングで見る企業の実力

売上高の視点から見ると、リース業界での企業間競争は非常に激しいものがあります。1位のオリックスは、売上高2兆2927億円(2021年)と圧倒的な規模を誇ります。続く三井住友ファイナンス&リースは1兆4382億円、東京センチュリーが1兆2001億円で3位にランクインしています。三菱HCキャピタルは8943億円、芙蓉総合リースは7402億円と、上位企業の中でも突出した存在感を示しています。

このランキングを通じて、リース業界が国内外でどれほどの影響力を持つかが理解できます。また、売上高は各社のサービスの広がりや顧客支持を反映した重要な指標となっています。

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リース業界のトレンドと今後の展望

シェアリングエコノミーとの関連性

近年、シェアリングエコノミーの拡大がリース業界にも影響を与えています。特に、個人や企業が資産を所有するのではなく共有する考え方が広まり、リースという形態がますます注目されています。企業は、初期投資の負担を軽減しつつ必要な資産を柔軟に利用できるため、効率的な経営が可能になります。この流れの中で、リース業界は単なる物件の貸し出しにとどまらず、シェアサービスやサブスクリプション型のサービスとの連携を進めています。このような新しいサービスモデルは、リース業界に新たなビジネスチャンスをもたらすと共に、シェアリングエコノミー市場との相乗効果を生み出していくでしょう。

カーリースを中心とした市場の成長

リース業界の中でも、カーリース市場は特に注目されています。個人から法人まで、車両の所有よりも利用を優先する動きが加速しており、これがカーリース市場の成長を後押ししています。例えば、企業が営業車両をリースすることで、減価償却やメンテナンスにかかる負担を軽減し、効率的な資産管理が可能になります。一方で、個人向けカーリースも普及が進んでおり、電動車やハイブリッド車のリースニーズが増加しています。これにより、リース企業は環境に配慮した車種を提供することで、SDGs達成への貢献もアピールしているのです。

デジタル化がもたらす革新と効率化

リース業界ではデジタル化の波が大きな推進力となりつつあります。デジタル技術を活用することで、契約手続きの効率化やデータ管理の高度化が実現されており、顧客体験の向上を目指した取り組みも進められています。例えば、リース物件の利用状況をセンサーやIoTでリアルタイムに監視することで、効率的な保守や運用が可能となります。また、ビッグデータやAIを活用して顧客ニーズを分析し、個別最適化されたリースプランを提案することも実現しています。このように、デジタル化による業務効率化と顧客価値の向上は、リース会社の競争力向上に繋がっています。

グローバル市場進出の現状

リース業界は国内市場だけでなくグローバル市場でも存在感を強めています。特に、アジアや新興国市場におけるリース需要の高まりが注目されています。これらの地域では、経済成長とともに設備投資や車両リースのニーズが増加しており、日本のリース企業も積極的に進出しています。たとえば、オリックスや三井住友ファイナンス&リースなど多数の日本企業が、現地のパートナー企業との連携や独自サービスの展開を通じてグローバルでの存在感を発揮しています。一方で、文化や規制の違いといった課題もあり、それらに対応しながら市場拡大を進めることが求められています。

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リース業界で働く魅力と求められる人材像

リース企業の平均年収と福利厚生

リース業界は高い給与水準と安定した福利厚生を特徴としています。平均年収ランキングを見ると、大手リース企業は軒並み800万円を超える高水準を維持しています。例えば、三井住友ファイナンス&リースは平均年収883万円、みずほリースは874万円とトップクラスの給与水準を誇ります。また、年齢層が40代前半である企業も多く、経験を積んでキャリアが成熟する頃に見合った報酬が得られる点が魅力です。

福利厚生においても、企業ごとに特徴的な制度が整っています。住宅手当や育児支援、健康推進プログラムなど、従業員の生活とキャリアを支える仕組みが整備されています。これにより、働きながら安心して長期的なキャリアを描ける労働環境が提供されています。

リース業界が求める人材とは

リース業界で活躍するために求められる人材像にはいくつかのポイントがあります。まず、法人向け営業力や交渉力です。リース事業は企業との長期的な契約が基本となるため、顧客のニーズを的確に把握し、それに応える提案力が重要です。また、設備投資や金融に関する知識を持ち、コンサルティング的な視点で付加価値を提供できる人材が重宝されます。

さらに、グローバル展開が進む中で、語学力や国際的な感覚も求められています。一部のリース企業では、海外での業務経験を持つ人材を積極的に採用しており、多様な文化や商習慣に対応できる適応力が必要です。

おすすめのキャリアパスと職種

リース業界では、多様なキャリアパスが用意されています。代表的な職種には営業担当やクレジットアナリスト、資産管理スペシャリストなどがあります。営業担当は主に法人顧客を対象にしたリース契約の提案や管理を行い、高いコミュニケーションスキルが求められるポジションです。一方で、クレジットアナリストは顧客企業の財務状況を分析し、リース契約の可否を判断する重要な役割を担います。

また、企画職としてリース商品開発やマーケティング戦略を担当する職種も人気があります。特に、カーリース市場の成長やシェアリングエコノミーとの連携が進むなかで、革新的なサービスを生み出すことが期待されており、業界内で注目度の高い職種と言えるでしょう。

業界で成功するためのスキルと知識

リース業界で成功するためには、いくつかの重要なスキルと知識が必要です。特に、金融の基礎知識や簿記の理解はリース契約を円滑に進めるうえで不可欠です。法人顧客を相手にするため、彼らの事業モデルや業界動向を把握する能力も重要となります。

また、近年ではデジタル化が進行しており、新しいテクノロジーを活用したサービス開発が求められています。そのため、データ分析力やITスキルを備えることも有効です。さらに、顧客との長期的な関係を築くための高いコミュニケーション能力や提案力を磨くことで、業界内での成功に近づけるでしょう。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)