コトラ（広報チーム） 
リース業界の市場動向と今後の見通し
2025年のリース業界における市場成長要因
2025年のリース業界の市場成長要因として、経済活動の回復と企業のコスト削減ニーズが挙げられます。多くの企業が設備投資におけるリスクを軽減する目的でリースを活用する傾向が強まっています。特に、オートリース分野は国内で高い需要を維持しており、定額型サービスやカスタマイズ可能な契約内容が成長を後押ししています。また、SDGsやカーボンニュートラルへの関心の高まりによって、サステナブルなリース商品が注目されており、電動車や再生可能エネルギー分野の設備リースが普及することが予想されます。
国内外のリース市場規模と成長率
国内リース市場では、2022年時点で契約高が3兆2,593億円に達しており、着実な成長を見せています。この背景には、新型コロナウイルスの影響からの回復と、設備投資の一環としてリースを活用する動きがあるといえます。一方、海外市場では、新興国におけるインフラ整備や設備投資需要がリース契約の成長を後押ししています。特に、北米やヨーロッパではIT機器や医療機器のリース契約が拡大しており、2025年にはさらなる成長が期待されています。
新興分野と注目されるリース商品
2025年のリース業界において、新興分野とされるのが電動車（EV）リースとデジタルデバイス関連のリース商品です。国内では、企業のフリート車両を電動車に移行する動きが進んでおり、カーボンニュートラル対応の一環として注目されています。また、テレワークの定着により、パソコンやタブレット端末、さらにはサイバーセキュリティ関連機器の需要が増加しており、これらのリース商品は市場拡大のカギとなっています。このほか、再生可能エネルギー発電設備やドローンなどの新技術のリース市場も今後拡大が期待されています。
リース業界の売上高ランキング2025
2025年の主要リース企業トップ5
2025年のリース業界では、大手企業が引き続き市場をリードすると予想されます。国内市場でのランキングにおいても、オリックスや三井住友ファイナンス&リース、東京センチュリーといった企業がトップを占める見通しです。これらの企業は、多角的な事業展開と資産管理の効率化を強みとしており、安定した売上高を維持しながら成長を続けています。
特に、オリックスはそのリース事業以外にも、金融サービスや不動産、さらには環境エネルギー分野に至るまで多角化を進めており、2025年のリース業界ランキングでも首位を確保する可能性が高いと言えます。他にも、デジタル技術を活用したソリューション提供や、新しいリース商品の開発が業績を後押しする重要な要素となっています。
業績で注目される企業とその特徴
リース業界の中で特に注目される企業としては、オリックスや東京センチュリーの他に、三井住友ファイナンス&リースなどが挙げられます。これらの企業は、顧客ニーズを的確に捉え、企業間取引を中心に安定した収益を得ている点が特徴です。
例えば、三井住友ファイナンス&リースは環境エネルギー分野に強みを持ち、再生可能エネルギーの普及に取り組むプロジェクトの支援を行っています。一方で、東京センチュリーは商社と金融機関の統合的な役割を担い、幅広い顧客基盤を持つことで市場シェアを獲得しています。これらの企業の成長は、国内リース市場における持続的な需要増加や、技術革新への柔軟な対応が後押ししていると言えるでしょう。
中小規模リース企業の成長パターン
近年では、中小規模のリース企業も独自のニッチ市場を活用することで成長を遂げています。特に中小企業向けに特化したリース商品や柔軟な契約条件を提示することで、大企業との差別化を図っています。このような戦略により、特定の産業や地域で信頼を築き、競争力を高めることに成功しています。
例えば、特定分野に特化した設備リースや、柔軟なキャッシュフロー管理を重視したサービスを提供する企業が増加しています。また、近年のデジタルトランスフォーメーションの波に乗り、AIやビッグデータを用いた効率的な資産管理・運用を導入することで、更なる成長を目指す企業も見受けられます。このような中小規模リース企業の成長動向は、国内リース業界全体の多様性を広げ、業界全体の活性化に寄与しています。
リース業界の注目トレンド
電動車やサステナブルリースの台頭
近年、環境配慮型の取り組みとして電動車(EV)やハイブリッド車を対象としたリース契約が注目されています。国内ではリース業界が自動車メーカーと連携し、オートリースの分野で持続可能性を重視したサービスを展開する動きが加速しています。特に、低排出ガス車や再生可能エネルギーによる車両運用を特徴とした「サステナブルリース」は、多くの企業にとって環境目標の達成に寄与する手段として期待されています。
さらに、国や自治体の環境規制やEV促進政策の影響もあり、リース業界全体がこうした市場のニーズに応える競争を繰り広げています。この傾向は、自動車リースランキングでも大手企業が積極的に関連商品を拡充していることからもうかがえます。
デジタルトランスフォーメーションがリースに及ぼす波及効果
デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展は、リース業界に新たな変革をもたらしています。リース事業者は、契約手続きのオンライン化や顧客データ分析を強化し、効率的で付加価値の高いサービスを提供するようになっています。また、AIやIoTを活用した車両モニタリングやリスク管理の高度化が進む中、大規模企業を中心にDX導入の成功事例も増えつつあります。
特に国内のオートリース企業では、オンラインプラットフォームを通じた車両選択・契約プロセスの簡便化が顧客満足度を高め、業績を押し上げる鍵となっています。このデジタル化は生産性向上だけでなく、新たな収益機会を提供し、ランキング上位企業の競争力をさらに高めています。
インバウンド需要増加による影響
ここ数年、インバウンド需要の増加がリース業界にも波及しています。特に訪日外国人が増えるにつれ、短期的な車両利用や特殊機材リースの需要が高まっています。例えば、観光地や商業施設周辺でのレンタカー型リースや、長期滞在客向けの住宅設備リースなど、サービスの多角化が進んでいます。
このような動向は、国内市場全体のレンタル・リース事業の拡大に寄与する要因となっています。ランキング上位の企業のみならず、中小規模のリース事業者にとっても成長の追い風となり得ます。特に、地域密着型サービスを展開する企業は、こうしたインバウンド需要を取り込みやすい強みを活かし、業績向上に繋げる可能性があります。
リース業界の今後を担う主要企業と課題
リース業界を牽引するオリックスとその戦略
リース業界において、オリックスは業界を代表するリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。その特徴は、リース事業に留まらず多角的な事業展開にあります。特に国内における「オート」リースでは堅調な需要を背景に存在感を高めており、法人向け車両管理サービスや、個人向けのカーリース商品も注目を集めています。
また、オリックスは環境意識の高まりに伴い、電動車を含むサステナブルリース分野にも注力しています。今後の環境規制や脱炭素社会の動きに対応する形で、エネルギー効率に優れたリース商品を提供することを戦略の柱としています。このように、リース業界の売上高ランキングでトップを維持するオリックスは、イノベーションと柔軟な事業運営で更なる成長を続けると予想されます。
中堅企業の成功事例と差別化戦略
国内にはリース業界で堅実な成長を遂げる中堅企業が数多く存在します。例えば、リコーリースやNECキャピタルソリューションなどは、事務機器やIT関連機器を中心とした専門性の高いリース商品で差別化を図っています。これらの企業は自社の強みを活かし、特定の業界に特化したソリューションを提供することで、競争優位性を確立しています。
また、こうした中堅企業ではデジタルトランスフォーメーションを進めることで、効率的かつ柔軟なサービス提供を実現しています。顧客の多様なニーズに応えるカスタマイズ性を強化することで、着実に市場シェアを拡大しています。このような差別化戦略を通じて、中堅企業は大手企業に対抗しつつ、長期的な成長基盤を築いています。
業界全体が直面する課題とその解決策
リース業界全体としては、いくつかの大きな課題に直面しています。その中でも顕著なものは、環境問題への対応と、刻々と進化する顧客ニーズへの適応です。特に国内においては、環境規制の強化やSDGs（持続可能な開発目標）浸透によるサステナブル商品への需要が高まっています。
解決策としては、環境対応技術の活用や、電動車などのエコ対応型設備をリース商品に組み込むことが挙げられます。また、デジタルトランスフォーメーションを進めることで、効率的な業務運営と顧客体験の向上を目指すことも重要です。加えて、中小規模のリース企業にとっては、新興市場やニッチ市場にフォーカスした商品の開発が成長の鍵となるでしょう。
さらに、リース業界全体では顧客への付加価値提供を強化する必要があります。単に物を貸し出すだけの従来型のリースから、コンサルティングやアフターサービスを含む総合的なサービスへと進化することで、顧客満足度を向上させ、持続的成長を実現することが求められています。