アクイジションやソーシングを担当されてきた方にとって、次なるキャリアとして「ビジネスデベロップメント(事業開発)」への転身は非常に魅力的な選択肢です。案件発掘力、定量分析力、交渉力といった強みは、事業を0→1、1→10で成長させていくビジネスデベロップメント職においても十分に活用できます。本記事では、アクイジション・ソーシング経験者がビジネスデベロップメントへ転職するためのステップと、志望動機・職務経歴書の例をご紹介します。
ステップ1:ビジネスデベロップメントの業務理解
- 新規事業・アライアンスの企画・交渉
- 市場調査・競合分析・PoC立案
- サービス・商品企画、事業計画立案
- ステークホルダーとの交渉・条件整理
- 中長期の事業戦略策定・予算管理
事業開発の現場では、アイデアを構想する力だけでなく、実行力や交渉力、数字に基づく分析スキルが不可欠です。
ステップ2:アクイジション経験の活かし方
- 案件探索力 → パートナー企業・提携先の発掘に活用
- 投資判断スキル → 新規事業のフィージビリティ検証に応用
- 交渉力・資料作成 → アライアンス条件交渉、経営層向け提案に通用
特に、資本性の高い事業開発においては、アクイジションで養った財務的視点や外部パートナーとの交渉経験が活きます。
ステップ3:補完すべきスキル・知識
- 新規事業立ち上げのフレームワーク(リーンキャンバス、PMFなど)
- 業界・競合分析、ユーザーインタビュー
- 事業収支シミュレーション(PL/ROI視点)
- エグゼクティブプレゼン・ピッチ資料作成力
ステップ4:志望動機に「事業創出の主体者になる意思」を込める
取得・投資フェーズで培った分析力を活かしながら、「自ら手を動かして事業を創る」という視点を打ち出しましょう。
志望動機(例文)
私はこれまで不動産ファンドにてアクイジション業務を通じて、案件のソーシングから投資判断、DD、利害関係者との調整までを幅広く経験してまいりました。その中で、次第に「既存の投資機会を評価するだけでなく、自らビジネスを創り出す側に立ちたい」という想いが強まり、ビジネスデベロップメント職への関心が高まりました。特に貴社が取り組まれている××領域における事業展開に共感しており、これまでの案件組成力と分析力を活かして、価値ある事業創出に貢献したいと考え志望いたしました。
職務経歴書(サンプル)
氏名:高橋 健一 連絡先:kenichi.takahashi@example.com|080-2345-6789 【職務要約】 不動産ファンドにてアクイジション担当として5年間勤務。物流施設・オフィス・レジデンス等の案件ソーシング・評価・投資実行支援を経験。今後は「事業を創る」視点で新たな価値を生み出すビジネスデベロップメントに挑戦したいと考えている。 【職務経歴】 株式会社〇〇アセットマネジメント(2019年4月〜現在) 投資部 アクイジション担当 主な業務: - ソーシング(物流、オフィス、レジ) - デューデリジェンス(法務・収支・物件) - 投資委員会向けプレゼン資料作成 - 外部ステークホルダーとの条件交渉 【スキル・資格】 - 投資分析(IRR、NPV)、事業評価 - Excelモデリング、プレゼン資料作成 - 宅地建物取引士、ARESマスター、TOEIC 850点 【学歴】 慶應義塾大学 経済学部 卒業(2019年3月)
ソーシングから事業創出へ。視座を高め、企画・交渉・実行のスキルを磨きながら、新たな価値を創り出すキャリアへと踏み出しましょう。