ITコンサルタントは、システム導入や業務改革の経験を通じて、企業の業務プロセスとITに精通しています。近年、ガバナンス強化やサイバーリスク対策、J-SOX対応の重要性が高まる中で、IT・業務両方の理解を持つ人材が、内部監査・内部統制部門で求められています。この記事では、ITコンサルタントから内部監査や内部統制の専門家へ転職するためのステップと、志望動機・職務経歴書の例を紹介します。
1. 内部監査・内部統制が評価するITコンサル出身者のスキル
- システム構築・運用に関する技術的知識
- 業務プロセス設計・可視化の経験
- J-SOXやセキュリティ監査に関する基礎知識
- リスク評価や統制設計への関心
- 論理的思考とドキュメンテーション能力
2. 転職ステップ
STEP1:監査・統制に関わった経験を棚卸し
J-SOX対応、IT統制レビュー、権限管理設計、監査法人対応など、間接的でも関与した業務をリストアップしましょう。
STEP2:監査業務の基礎を学ぶ
内部監査の手法(リスクアプローチ、監査手続書の作成など)、および内部統制報告制度(J-SOX)の要点を理解しておきましょう。
STEP3:“予防と改善”の視点で志望動機を組み立てる
「仕組みでリスクを防ぐ」「現場に寄り添いながら、継続的な改善を促す」など、監査・統制の本質的な意義への共感を盛り込みましょう。
3. 志望動機(例)
ITコンサルタントとして、基幹システム導入、業務プロセス改善、セキュリティ強化支援等に携わる中で、リスクマネジメントや統制設計の重要性を実感してきました。特にJ-SOX支援案件や監査法人との調整業務に関わる中で、企業価値を守る“仕組みづくり”に深い関心を抱くようになりました。
今後は、これまでの知見を活かし、内部監査・統制の立場から企業の健全な成長と信頼性向上に貢献していきたいと考えております。
4. 職務経歴書(例)
氏名:佐々木 誠
生年:1989年生まれ(35歳)
学歴:早稲田大学 政治経済学部 卒業(2012年)
職務要約
総合系コンサルティングファームにてITコンサルタントとして12年勤務。基幹業務システム導入、業務改善、PMO支援、セキュリティ対策、J-SOX支援などに従事。IT統制や業務プロセス可視化、監査対応力に強み。企業の信頼性向上とガバナンス強化に貢献すべく、内部監査・内部統制領域へ転職を志望。
職務経歴
株式会社○○コンサルティング/2012年4月~2024年3月
所属:ビジネス&ITアドバイザリー部門
- J-SOX対応支援:全社IT統制、業務処理統制の文書化と整備
- 権限管理設計:ERP導入時のアクセス権限レビューと再設計
- 監査法人対応支援:監査指摘事項への改善策の提案と実行支援
- 業務可視化支援:BPMNを用いた業務フロー作成・改善提案
スキル・資格
- 内部統制(ITGC/ITAC)/業務改善/J-SOX対応/リスク評価
- CISA学習中/日商簿記2級/TOEIC 880
- Excel/PowerPoint/Visio/Tableau/Notion
“変革を支える技術者”から、“信頼を支える監査人”へ。ITと業務の理解を武器に、統制のプロフェッショナルへと進化する。