ITコンサルタントは、クライアント企業のIT戦略立案やシステム導入を支援する立場として、幅広い業務・技術知識を有しています。この経験は、事業会社のIT部門、特に社内SEとしてのキャリアにも高い親和性があります。ITの専門性に加え、関係部署との調整力、ユーザー視点での要件定義スキルなどが求められる社内SEにとって、コンサルタント出身者は即戦力として期待されています。本記事では、ITコンサルタントから社内SEへの転職を成功させるためのステップと、志望動機・職務経歴書の例をご紹介します。
1. 社内SEが評価するITコンサルのスキル
- システム構想〜要件定義〜導入の一連の経験
- 業務プロセスとITをつなぐ分析力
- 関係部門との調整力・課題解決力
- ユーザー視点に立った改善提案能力
- ベンダーコントロールやプロジェクト管理の経験
2. 転職ステップ
STEP1:インハウス視点の強化
顧客企業に外部から関与していた立場から、今度は「自社の業務改善に腰を据えて取り組む」という視点へのシフトが求められます。自社の業務継続性・運用性を重視する発想を身に付けましょう。
STEP2:過去のプロジェクトでの成果を言語化
どのような課題に対して、どのように要件をまとめ、どのような成果(例:業務時間削減、属人化排除など)を出したかを具体的に伝えられるように整理しておきましょう。
STEP3:長期視点でのIT活用への関心を示す
「社内のIT利活用を通じて事業を支える存在になりたい」「業務部門と二人三脚でDXを推進したい」といった中長期視点での貢献姿勢が重要です。
3. 志望動機(例)
ITコンサルタントとして、基幹業務システム導入、業務改善、クラウド活用支援などに従事してまいりました。複数業界・プロジェクトに関わる中で、「自社の事業や文化に根差したIT活用」に長期的に向き合いたいと考えるようになり、社内SEとしてのキャリアを志望しております。
これまでの経験を活かし、業務部門との信頼関係を築きながら、業務課題の可視化と改善提案を通じて、御社の事業推進を支える存在となれるよう努めてまいります。
4. 職務経歴書(例)
氏名:佐々木 誠
生年:1989年生まれ(35歳)
学歴:早稲田大学 政治経済学部 卒業(2012年)
職務要約
総合系コンサルティングファームにてITコンサルタントとして12年勤務。業務改革、システム導入支援、クラウド利活用支援、PMO業務など幅広く従事。現場との対話を重視した課題解決アプローチに強みを持ち、今後は社内SEとして事業会社の成長をITから支える役割を志望。
職務経歴
株式会社○○コンサルティング/2012年4月~2024年3月
所属:ビジネス&ITアドバイザリー部門
- 基幹システム導入支援:業務要件整理、ベンダー選定、ユーザー教育実施
- 業務改革プロジェクト:販売・在庫・会計業務のBPR、属人化排除
- クラウド活用支援:Microsoft365導入支援と業務フロー見直し
- PMO支援:部門横断プロジェクトの進捗管理と課題対応支援
スキル・資格
- 業務要件定義/業務フロー改善/ベンダーコントロール/IT企画
- 情報処理技術者(応用情報)/日商簿記2級/TOEIC 880
- Excel/PowerPoint/Visio/Power Platform/SQL
“外から支える立場”から、“中で共に成長を推進する立場”へ。ITで事業を動かす社内SEとして、次の一歩へ。