IRや経営企画の経験は、経営層との近い距離での業務遂行、数値に基づく仮説構築、組織・事業の戦略策定に関与してきたという点で、戦略コンサルタントと非常に高い親和性があります。実際に戦略ファームでは、経営企画出身者の採用が積極的に行われています。本記事では、IR・経営企画から戦略コンサルタントに転職するためのステップと、志望動機・職務経歴書の例をご紹介します。
1. 戦略コンサルタントが評価するIR・経営企画出身者のスキル
- 事業ポートフォリオ管理や中期経営計画の策定経験
- 定量データをもとにした分析・意思決定支援スキル
- 経営層とのコミュニケーション能力
- 仮説構築力と資料作成力(PowerPoint/Excel)
- 多部門との調整経験・プロジェクト推進力
2. 転職ステップ
STEP1:戦略に関わったプロジェクトを棚卸し
中期計画、新規事業、事業再編、競合分析など、戦略コンサルティングに通じる案件を具体的に整理しましょう。
STEP2:コンサル的なフレームワーク・論理展開を意識
3C分析、SWOT、ロジックツリーなどを用いた仮説思考を自身の業務にどう応用していたかを振り返って言語化しておきましょう。
STEP3:問題解決・上流構想への志向を明確に
「経営課題を本質から捉えて、構想段階から関わりたい」「事業会社を超えて複数業界に貢献したい」といった志向を明文化しましょう。
3. 志望動機(例)
IRおよび経営企画として、経営計画の策定、ポートフォリオ再編、投資家対応、KPI設計などに携わってまいりました。経営に近い立場で定量・定性の両面から課題に向き合う中で、より幅広い企業に対して構想段階から関われる戦略コンサルティングに強い関心を持つようになりました。
御社の「クライアントと共に変革を進める」スタイルに共感しており、戦略立案から実行支援まで一貫して関与することで、社会や産業の変革に貢献してまいります。
4. 職務経歴書(例)
氏名:佐々木 誠
生年:1989年生まれ(35歳)
学歴:早稲田大学 政治経済学部 卒業(2012年)
職務要約
上場企業のIR・経営企画部門にて12年間勤務。中期経営計画策定、事業ポートフォリオ管理、新規事業立ち上げ、資本政策、IR業務などに従事。定量・定性両面の分析と経営層への提言を通じて、戦略構築・実行の橋渡し役として活躍。戦略コンサルタントとしてのキャリアを志望。
職務経歴
株式会社○○ホールディングス/2012年4月~2024年3月
所属:経営戦略本部 経営企画部/IR部門
- 中計策定:市場調査・競合分析・SWOT分析に基づく成長戦略構築
- ポートフォリオ管理:ROICベースの評価による撤退・新規投資判断
- 新規事業:事業性評価、初期KPI策定、立ち上げ支援
- IR対応:株主向け成長ストーリー構築と資料作成・説明
スキル・資格
- 戦略立案/事業分析/仮説構築/IR/KPI設計
- 証券アナリスト1次合格/日商簿記2級/TOEIC 880
- Excel(財務モデリング)/PowerPoint(構造化資料作成)/Tableau
“事業会社で経営を動かしてきた視点”を活かし、“変革をデザインする”戦略コンサルタントへ。