業務コンサルタントは、クライアントの業務課題を構造化し、業務改善やIT導入によって最適化を図る専門職です。一方で、ビジネスデベロップメント(BD)は、自社の事業成長に向けた新規市場開拓やアライアンス構築を主導する戦略的な役割を担います。両者は一見異なる領域に見えますが、論理的思考力、ステークホルダーとの折衝力、仮説検証力など多くの共通点があり、業務コンサル出身者がBD職に転身するケースも増えています。本記事では、業務コンサルタントからビジネスデベロップメントに転職するためのステップを紹介し、志望動機・職務経歴書の例も掲載します。
1. ビジネスデベロップメントが評価する業務コンサル出身者のスキル
- 業務改善や業務設計に基づいた課題解決力
- 多部署・多企業を巻き込んだプロジェクト推進力
- 仮説構築から検証までのロジカルなアプローチ
- 市場調査・競合分析などのファクトベースの思考
- 顧客視点での新規提案やサービス設計力
特に新規事業や新サービスのPoCや導入支援に携わった経験は、BD業務との親和性が高く評価されます。
2. 転職ステップ
STEP1:プロジェクト経験を「事業視点」で整理
プロセス改善だけでなく「収益性の向上」「新規サービスへの展開可能性」「外部パートナーとの連携」といった観点で、自身のプロジェクトを再構築しましょう。
STEP2:事業開発への関心・意欲を言語化
なぜ事業を創る側に立ちたいのか?自らの意思で市場を開拓したい、顧客に直接価値を届けたいといった想いを明文化します。
STEP3:市場・業界への解像度を高める
関心ある業界や企業の競合分析、トレンド調査を行い、自身がどのような価値を発揮できるかの視点を持っておくことが重要です。
3. 志望動機(例)
業務コンサルタントとして、製造業・流通業を中心に業務改善やシステム導入支援に従事してきました。クライアントの課題を現場で捉え、業務プロセスと収益性の両面から改善提案を行う中で、より顧客と近い立場で事業を動かす仕事に携わりたいと考えるようになりました。
貴社のビジネスデベロップメント職では、これまで培ってきた論理的思考と関係構築力を活かし、新規事業開発・パートナーアライアンス構築を通じて事業成長に貢献したいと考えております。
4. 職務経歴書(例)
氏名:鈴木 大地
生年:1991年生まれ(33歳)
学歴:一橋大学 商学部 卒業(2014年)
職務要約
業務コンサルタントとして約9年にわたり、製造業、流通業、サービス業など多様な業界のクライアントに対し、業務改善、業務システム導入、新規施策のPoC支援などを実施。業務視点と経営視点の両面から課題を整理し、成果創出までのプロジェクトを多数経験。今後は、事業開発という立場で中長期的な価値創出に携わっていきたいと考えている。
職務経歴
株式会社○○コンサルティング/2014年4月~2024年3月
所属:ビジネスプロセスコンサルティング部
- 製造業向け業務改善PJ:購買・在庫管理業務のBPR、年間コスト10%削減
- 流通業向けPoC支援:新規CRM導入における業務適合性検証、サービス要件定義
- サービス業向けDX支援:AIチャットボット導入に伴う業務フロー再設計とカスタマー対応品質の標準化
スキル・資格
- 業務プロセス改善/業務要件定義/サービス設計
- Power BI/Tableau/Excel(VBA)
- 中小企業診断士(2023年登録)/TOEIC 880
“業務改善の視点”を、“事業創出の現場”へ。推進力と仮説力で、次の成長機会を拓く。