税務から内部監査・内部統制に転職するためのステップ【志望動機、職務経歴書】

税務の経験は、企業の財務状況を深く理解し、法令遵守の観点からビジネスプロセスを評価するスキルに直結します。こうした背景は、内部監査・内部統制といったリスク管理やガバナンス強化の業務においても非常に価値があります。本記事では、税理士法人や事業会社の税務担当から、内部監査・内部統制領域へキャリアチェンジを目指す方のための転職ステップ、志望動機、職務経歴書の例をご紹介します。

1. 内部監査・統制が評価する税務出身者のスキル

  • 税務申告・税務調査対応に関する法令知識
  • 会計・財務諸表への理解とリスク感度
  • 経理・財務プロセスの構造的理解
  • 内部統制(J-SOX含む)におけるリスク識別力
  • ステークホルダーとの調整・交渉スキル

特にJ-SOX対応経験、内部統制構築に関与した実績などがある場合は、スムーズに監査・統制分野へ転職しやすくなります。

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2. 転職ステップ

STEP1:税務業務の「統制」視点での実績を整理

例えば、税務処理の内部レビュー体制構築、税務調査対応フローの整備、タックスリスクの指摘・改善などを具体的に棚卸ししておきましょう。

STEP2:キャリアチェンジの動機を明文化

「財務や税務の観点から企業統治に貢献したい」「守りのガバナンスに主軸を置いた役割を担いたい」といった動機を構造的に示すことが重要です。

STEP3:監査・統制の知識をキャッチアップ

COSOフレームワーク、J-SOX、業務プロセス統制、IT統制などの知識を習得し、論理的に説明できるようにしておきましょう。

3. 志望動機(例)

税務担当として、法人税・消費税の申告業務、税務レビュー、税務調査対応など幅広い業務に携わってまいりました。その中で、企業の統制プロセスの重要性を強く認識し、財務・税務の枠を超えて、リスク管理やガバナンス体制の構築に主体的に関わりたいと考えるようになりました。

貴社の内部監査体制やJ-SOX対応支援の取り組みに魅力を感じており、私の税務知識と会計リテラシー、加えて部門横断的な調整力を活かし、貴社の内部統制強化に貢献したいと考えております。

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4. 職務経歴書(例)

氏名:藤井 綾香
生年:1991年生まれ(33歳)
学歴:明治大学 商学部 卒業(2014年)

職務要約

税理士法人および上場企業の経理部門にて、税務申告、税効果会計、移転価格文書作成、税務調査対応に従事。ガバナンスの観点からの内部レビュー体制の整備、税務リスクの可視化と改善提案も実施。今後は財務・税務の知見をベースに、企業のリスクマネジメント・統制業務に携わりたいと考えている。

職務経歴

株式会社○○(上場製造業)/2019年4月~2024年3月
所属:経理・税務部

  • 法人税・消費税の申告業務:年次・中間申告書の作成、外部顧問との連携。
  • 税務調査対応:事前の社内準備資料作成、調査立会い、改善点フィードバック。
  • 移転価格文書作成:BEPS対応ドキュメント作成、関連会社ヒアリング。
  • 税務リスク可視化プロジェクト:過年度修正リスクを定量化、内部レビュー体制を強化。

スキル・資格

  • 法人税/消費税/移転価格税制/税務調査対応
  • 財務諸表読解力/税務リスク評価/J-SOX入門知識
  • 日商簿記1級/税理士試験(法人税・消費税合格)

“正しく課税される”ことから、“正しく統治される”企業へ。税務の枠を超えたキャリアに、今こそ挑戦してみませんか?

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)