コトラ（広報チーム） 
事業会社において人事戦略や制度設計・人事企画に携わってきた方が、外部支援者としての「人事・採用コンサルタント」に転職するケースが増えています。現場に近い立場で培った制度構築力・経営連携の経験は、クライアントに対して実行力のある提案を行う上で大きな武器となります。本記事では、制度設計・人事企画から人事・採用コンサルタントに転職するための具体的ステップと、志望動機・職務経歴書のサンプルをご紹介します。
ステップ1：人事・採用コンサルタントの業務を理解する
人事・採用コンサルタントの業務は多岐に渡ります。主な領域は以下のとおりです：
- 人事制度改革支援（等級・評価・報酬制度の設計）
- 採用戦略立案および採用業務プロセス改善支援
- オンボーディングや定着率改善の施策設計
- HR Techツールの導入支援
- 経営陣への人材ポートフォリオ提案、人材戦略立案支援
事業会社で制度企画・運用を経験してきた方は、クライアントの「課題の本質を理解する力」や「現場に沿った施策提案」ができる点で高く評価されます。
ステップ2：事業会社経験を“提案力”に変換する
内部で制度設計を行ってきた経験を、以下のように“コンサルとしての提供価値”に翻訳することが重要です。
- 制度構築経験 → 多業界の制度設計を支援する汎用的知見
- 経営陣との協議経験 → クライアント経営層への提案力
- 運用フェーズのPDCA実施 → 実行支援型コンサルとしての強み
www.kotora.jpステップ3：コンサルタントに求められるスキルの補完
事業会社の人事と異なり、コンサルタントには以下のようなスキルが求められます：
- 提案資料作成（PowerPoint）
- ワークショップ／ファシリテーションスキル
- プロジェクトマネジメント（スケジュール、タスク管理）
可能であれば、自身で提案書を作ってみたり、社内の役員向け資料をまとめる機会を作ることでスキルの実践経験を積んでおくと効果的です。
ステップ4：志望理由に“外部支援者としての視座”を組み込む
採用担当者が重視するのは、「なぜ社内人事からコンサルになりたいのか？」という理由です。以下のような軸で志望動機を構築しましょう：
- 一社ではなく複数社の組織課題解決に関わりたい
- 多様な業界・規模のクライアントに対して制度改革を支援したい
- 自分の知見をより広く社会に還元したい
志望動機（例文）
私はこれまで事業会社の人事部門にて、等級・評価・報酬制度の企画・導入、採用戦略の立案、オンボーディング支援などに幅広く携わってまいりました。制度設計と運用の両方を経験する中で、より多くの企業の課題解決に携わり、自身の知見を社会に還元したいという思いが芽生え、人事・採用コンサルタントを志望しております。貴社の「実行支援に強みを持つコンサルティングスタイル」に強く共感しており、私の現場経験と戦略的視点を活かして、クライアントの持続的な成長支援に貢献したいと考えております。
職務経歴書（サンプル）
氏名：田中 彩 連絡先：aya.tanaka@example.com｜080-9876-5432 【職務要約】 大手事業会社の人事部門にて約7年間、人事企画を中心に従事。等級・評価・報酬制度の改定、人事戦略の立案、採用戦略策定・実行、オンボーディング施策など幅広く経験。現場運用を通じた改善提案、経営陣との連携、働き方改革推進など、戦略から実行フェーズまで一貫して関与。 【職務経歴】 株式会社〇〇（2016年4月〜現在） 人事部 人事企画グループ 主な業務内容： - 等級・評価・報酬制度の全社統一プロジェクト推進（労組・経営層調整含む） - 採用戦略の見直し（母集団形成から選考プロセス設計まで） - オンボーディング制度の新規構築（入社1年目研修＋定着支援） - 働き方改革の企画立案（フレックス導入・テレワーク制度の策定） - 人事異動・人材開発会議の運営事務局 主な実績： - 人事制度改革プロジェクト（18か月）で全社導入・定着を実現 - 新卒採用内定辞退率を前年比30％改善 - テレワーク制度導入で従業員満足度調査20pt向上 【スキル・資格】 - 人事制度設計／タレントマネジメント／採用戦略立案 - PowerPoint・Excel・Word 上級レベル - 国家資格キャリアコンサルタント（2022年取得） - TOEIC 820点 【学歴】 上智大学 総合人間科学部 卒業（2016年3月）
人事企画から人事・採用コンサルタントへの転職では、「実行フェーズの強み」「経営連携の経験」「制度の定着ノウハウ」などをアピールすることがポイントです。社内での経験を活かしつつ、より広く社会に貢献できるフィールドへ踏み出してみましょう。