SIerからクラウドコンサルタントに転職するためのステップ【志望動機、職務経歴書】

SIerでインフラ構築やオンプレミス環境の運用に携わってきた方が、次なるキャリアとして「クラウドコンサルタント」への転身を志すケースが増加しています。企業のクラウドシフトが進む中、クラウド人材の需要は高まり続けており、SIer出身者はその“即戦力候補”として注目されています。

本記事では、SIerでの経験を活かしてクラウドコンサルタントへ転職するために必要な準備、求められるスキルセット、志望動機・職務経歴書の例文までを具体的に解説します。


1. なぜ今、クラウドコンサルタントが注目されているのか?

多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する中で、オンプレミスのインフラ環境からクラウド(AWS, Azure, GCPなど)への移行ニーズが急増しています。クラウド活用の主な目的は以下の通りです:

  • 運用コストの削減(TCO削減)
  • 業務スピードの向上(俊敏性)
  • セキュリティやBCP対応の強化
  • グローバル展開への柔軟対応

クラウドコンサルタントは、これらのニーズを満たすクラウド戦略の立案から設計、導入・移行支援までを一貫して担います。


2. SIer出身者がクラウドコンサルとして評価される理由

オンプレミス時代のインフラ構築・運用・保守に携わってきた経験は、クラウド移行を支援する上で非常に強力な武器になります。

SIerでの経験クラウドコンサルで活かせるポイント
サーバ構築・ネットワーク設定クラウド環境におけるIaaS設計・セキュリティ設計
オンプレミス運用保守クラウド移行後の運用設計(DevOps)支援
要件定義・設計・構築クラウド導入における上流工程支援
ベンダーコントロールクラウドSI・外部パートナーとの連携推進

また、SIerでの経験を通じて得た「顧客折衝力」「チーム管理能力」も、クラウド移行プロジェクトでのPM/PL業務において活かされます。


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3. クラウドコンサルタントに求められるスキルセット

クラウドコンサルとして転職・活躍するためには、以下のスキルを習得しておくことが望ましいです。

  • クラウド基礎知識: AWS, Azure, GCPの特徴やサービス体系
  • アーキテクチャ設計力: セキュリティ、可用性、拡張性を考慮した構成
  • コスト最適化の視点: リザーブドインスタンスやサーバレス活用
  • プロジェクト推進力: 要件定義〜移行〜運用定着までの伴走力
  • 資格取得: AWS認定ソリューションアーキテクト、AZ-104など

特に「オンプレ→クラウド」移行経験は高く評価されるため、業務の中で積極的に携わっていくことが重要です。


4. 転職成功のためのステップ

Step 1:自己棚卸しと実績の整理

「自分が構築したインフラ環境」「要件定義〜運用までどのフェーズに携わったか」「どんな課題を解決したか」を整理します。

Step 2:クラウドの学習と資格取得

AWS認定資格、Azure認定資格の初級〜中級を取得しておくと、専門性を証明できます。

Step 3:志望企業のリサーチ

アクセンチュア、フューチャー、テクノプロ、TIS、NECネッツなど、クラウドに強いコンサルファームをリストアップし、特色を確認しましょう。

Step 4:面接準備(プロジェクトでの工夫点、移行事例の整理)

クラウド移行・設計の文脈で、自分の経験を具体的に語れるようにしておきましょう。


5. 志望動機(例文)

私はこれまでSIerにて、金融業界向けのサーバ構築、ネットワーク設計、運用保守など、インフラ領域を中心に約5年間従事してまいりました。近年では、オンプレミス環境からAWSやAzureへの移行に関する要件定義・設計支援にも携わり、クラウドの可能性と重要性を肌で感じております。

今後は、単なる構築ではなく、企業のDXを支えるクラウド戦略の立案・実行に上流から関わり、より本質的な課題解決に貢献したいと考えております。

貴社が提供するクラウドコンサルティングサービスにおいて、私のSIerでのインフラ構築経験とクラウド技術への知見を活かし、クライアントにとって実行力あるコンサルタントとして成長していきたいと考えております。

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6. 職務経歴書(例文)

【職務要約】
SIer企業にて約5年間、インフラエンジニアとして業務システムのサーバ構築、ネットワーク設計、運用保守に従事。直近では、クラウド(AWS/Azure)への移行案件にも携わり、要件定義や設計支援を経験。今後は、クラウド戦略・導入支援など、上流工程から携わるコンサルタントとしてのキャリアを志向している。

【職務経歴】
■勤務先:株式会社○○ソリューションズ(社員数:500名、SIer)  
■在籍期間:2019年4月〜現在  
■職種:インフラエンジニア → サブリーダー(2022年昇進)

【主なプロジェクト】
● 金融業向けサーバ更改・仮想化プロジェクト  
- 対象:勘定系サーバ(Windows/Linux)約150台  
- VMware ESXiによる仮想化設計・構築、パフォーマンス検証、ベンダー調整を担当  

● EC事業会社向けAWS移行支援(2022年)  
- オンプレ環境からAWSへの移行における要件定義・設計支援  
- IAM設計、セキュリティグループ設計、コスト見積もりに参画  
- Ansibleを用いたインフラ構成管理のPoCも実施  

【スキル】
・AWS(EC2、S3、IAM、VPC、RDS、CloudWatch)  
・Azure(基本的なサービス理解)、オンプレミス(VMware/Windows Server)  
・Ansible、ShellScript、PowerShell  
・チームリード(4名のタスク・進捗管理)

【資格】
・AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト  
・基本情報技術者、CCNA  
・TOEIC 730(英文技術資料の読解レベル)

【自己PR】
現場主導でのインフラ構築経験と、クラウド移行案件における提案・設計経験を併せ持ちます。今後は、技術力と顧客視点の両面から企業の変革を支援する、クラウドコンサルタントとして価値提供してまいりたいと考えております。

7. 面接で問われやすい質問と対策

  • なぜSIerからクラウドコンサルへ?
    →「構築だけでなく、企業全体のクラウド戦略に関わりたい」という視座を伝える
  • クラウド導入案件の具体的な経験は?
    → 自身が関わった工程、工夫点、成果を明確に語る
  • クラウド設計で意識しているポイントは?
    → セキュリティ・可用性・コスト・運用のバランスを強調
  • チームでのリーダー経験はあるか?
    → 4〜5人規模の進捗管理・教育などのエピソードを用意

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8. まとめ:SIerで培った技術と現場経験は、クラウド時代の武器になる

クラウドシフトが加速する今、現場を知り、構築・運用を理解するSIer出身者は、クラウドコンサルタントとして大きな可能性を秘めています。必要なのは、視座を上げ、クラウド技術と戦略視点を掛け合わせること。

「単なる構築担当」から「クラウドで企業変革を支えるパートナー」へ。あなたのキャリアを、次のステージへと進めてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)