コンサルファームからメーカー社内コンサルタントに転職するためのステップ【志望動機、職務経歴書】

近年、コンサルファームでの経験を活かし、事業会社の中で変革を推進する「社内コンサルタント」への転職を志すプロフェッショナルが増えています。特に製造業(メーカー)では、グローバル競争、デジタル化、ESG対応などの課題が山積しており、構想と実行の両輪を担える人材が求められています。

本記事では、外資系・総合系・戦略系などのコンサルティングファームから、メーカーの社内コンサルティング部門への転職を成功させるためのステップを、具体的にご紹介します。記事の最後には、志望動機および職務経歴書のサンプルも掲載しています。


1. 社内コンサルタントとは?

社内コンサルタントとは、外部のコンサルタントと同様に、事業部門の課題を分析・可視化し、改善施策を提案・実行支援する役割を担います。ただし、外部との大きな違いは「自社のための変革支援」であるという点です。

主な業務内容:

  • 全社横断の業務改善・BPR
  • DX・デジタル化推進
  • 中長期戦略策定・実行支援
  • グローバル拠点再編支援
  • 人材・組織開発プロジェクト

部署名としては「経営企画部」「事業企画部」「業務改革部」「デジタル戦略部」などが該当します。


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2. なぜ今、メーカーに社内コンサル人材が求められているのか

背景には以下のような構造的な変化があります:

  • グローバル競争の激化: 原材料高騰・為替変動に対応した効率経営が必要
  • ESG・脱炭素への対応: TCFD/ISSB対応やサプライチェーン見直し
  • デジタル人材の不足: 自社でDXを推進する専門人材の内製化が必要
  • 現場任せの改善の限界: 経営視点から全社を俯瞰できる人材が必要

このような課題に対し、「戦略×現場実行」の視点を持つ元コンサルタントは、社内変革の推進役として高く評価されます。


3. コンサル出身者が社内コンサルで活躍するポイント

コンサルファームでの経験を活かすには、「プロジェクト型の働き方」から「組織に寄り添う働き方」への意識転換が鍵です。以下のようなポイントが求められます:

  • 経営と現場の橋渡し役になる
  • 社内の文脈・力学に配慮した提案を行う
  • スピードよりも納得解を重視する
  • 中長期で成果を出す視点を持つ

コンサル流の「ロジカルさ」「構造化力」「プロジェクト推進力」は、変革を担う上で強力な武器になります。


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4. 転職ステップと準備

Step 1:メーカーにおける社内コンサルの役割を理解する

業界・企業ごとにミッションが異なります。製品開発寄りの戦略を担うのか、業務効率改善に軸足を置くのかを見極めましょう。

Step 2:自身のコンサル経験を“事業会社文脈”で再定義

「成果」よりも「社内の巻き込み方」「実行への工夫」「持続可能な支援」を語れるようにしましょう。

Step 3:志望動機を“内発的動機”で語る

「支援者としての限界を感じた」「腹落ちするまで伴走したい」など、共感や当事者意識が伝わるように構成します。

Step 4:組織適応力や長期視点をアピール

自分が“外部人材”であることを自覚しつつ、カルチャーへの適応意欲や関係構築力を伝えましょう。


5. 志望動機(例文)

私はこれまで総合コンサルティングファームにて、製造業向けの業務改革・DX推進・コスト最適化などのプロジェクトを複数経験してまいりました。戦略構築から業務設計、現場展開まで一気通貫で支援してきた中で、クライアント企業の変革に伴走するやりがいを感じていました。

一方で、コンサルタントという立場上、どうしても“提言者”に留まってしまう場面も多く、より深く・継続的に自社の課題に向き合いたいという想いが強くなりました。

貴社が目指すグローバル事業再編・全社DXの構想に共感しており、自身のプロジェクトマネジメント力と改革推進スキルを活かして、貴社内の変革をリードしていきたいと考えております。

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6. 職務経歴書(記載例)

【職務要約】
総合コンサルティングファームにて約5年間、製造業クライアントを中心に業務改革・BPR・DX戦略立案・PMO支援を担当。現場ヒアリングから課題構造化、施策提言、システム導入・現場展開までを一貫して支援。論理的思考力、資料構成力、関係者調整力に強み。

【職務経歴】
■期間:2019年4月 ~ 現在
■会社名:〇〇コンサルティング株式会社(従業員1,500名)
■職種:コンサルタント → シニアコンサルタント

【主な実績】
● 大手電機メーカー:全社BPR・DX推進支援
- 約30業務を対象にAsIs/ToBe業務フロー設計
- クライアント内改革推進室のPMO支援
- 施策優先順位設計、RPA導入方針策定

● 自動車部品メーカー:製品開発部門の業務可視化・再設計
- 業務棚卸・FTE分析をもとに工数削減提案(20%削減見込)
- 戦略実行ロードマップ・KPI設計を実施

● グローバル製造業:ERP導入PMO支援(SAP)
- 移行計画の立案、海外拠点との会議ファシリテーション
- 本社・現地間の要件ギャップ解消とリリース管理

【スキル】
- 業務フロー設計、プロジェクトマネジメント、課題分析
- PowerPoint(構造化スライド)、Excel(関数・ピボット)、Visio
- 英語(会議対応レベル、TOEIC 870点)

【資格】
- PMP(Project Management Professional)
- 日商簿記2級、ITパスポート

【自己PR】
コンサルタントとして培った構想力・実行支援力に加え、現場との信頼関係構築や巻き込み力を強みとしています。今後は、社内の変革推進人材として、より深く・持続的に事業を支えるポジションで貢献したいと考えております。

7. 面接で問われる質問例

  • なぜコンサルから事業会社へ?
  • 当社のどの事業・課題に関心がありますか?
  • コンサル流のやり方を押しつけてしまわないか?
  • 中長期でどのようなキャリアを描いていますか?

「支援者から当事者へ」「構想から実行への責任」などのキーワードを軸に、自身の価値観変化を語ると効果的です。


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8. まとめ:外から見ていた会社の中で、“実行者”になる挑戦

コンサルタントとして磨いてきた分析力、提案力、推進力は、メーカー内の変革においても大いに役立ちます。しかし、組織の一員としてその責任を持ち、“変わるまで支える”姿勢が問われます。

その挑戦は、あなたのキャリアに「当事者としての深さ」と「現場からの信頼」をもたらすはずです。支援者から実行者へ、あなたの第二のキャリアをスタートさせてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)