コトラ（広報チーム） 
1章：2024年のコンサルティング業界ランキングの全体像
1位から10位までの注目企業リスト
2024年最新版のコンサルタント大手ランキングでは、多くの優れた企業が注目を集めています。ランキングのトップ10は以下の通りです。
1位はアビームコンサルティングで、日本国内での働きがいや顧客満足度が非常に高い点が評価されています。2位には急成長を遂げたベイカレントコンサルティングがランクイン。3位は、新興市場と独創的な戦略で評価を高めているドリームインキュベータです。続いて4位には日本の代表的コンサルティング企業、野村総合研究所（NRI）が入りました。
5位には多様な分野で活躍する日立コンサルティング、6位には海外プロジェクトで強みを持つクニエ、7位には公共事業にも強いNTTデータ経営研究所がランクインしています。そして、8位のリブ・コンサルティングは中小企業支援で人気が高まっています。9位は経営者向けサービスが注目されている山田コンサルティンググループ、10位には三菱UFJリサーチ＆コンサルティング（MURC）が名を連ねています。
これらの企業はそれぞれの強みや持ち味を活かし、コンサルティング市場で重要な役割を果たしています。
ランキングが浮き彫りにする業界のトレンドとは？
2024年のコンサルタント大手ランキングを見ると、いくつかのトレンドが浮き彫りになります。まず、デジタル化やAI活用への対応が求められ、ITやデジタルトランスフォーメーションに強い企業がランキング上位に食い込んでいます。特に、クニエやNTTデータ経営研究所は、国内外でのIT支援プロジェクトに大きく貢献しており、その評価が売上や企業評価にも反映されています。
また、日本市場だけでなくグローバル市場への展開が進むことも重要なポイントです。日本企業だけでなく、多国籍企業が国内市場に参入していることにより、日系企業も柔軟な戦略を講じる必要があります。このような動向は、国内外を問わず多様な分野で競争が激化する背景を明らかにしています。
外資系 vs 日系：どちらが優勢か
外資系企業と日系企業の比較では、それぞれ異なる強みを持っていますが、2024年のランキングから見て取れるのは日系企業の存在感の増大です。アビームコンサルティングやベイカレントコンサルティングなどの国内企業がトップ10に多くランクインしており、その背景には国内市場特化の柔軟な対応力や働きがいの高さが挙げられます。
一方で、外資系企業は給与水準の高さやグローバルなネットワーク力といった点で依然として競争力があります。例えば、ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）やアクセンチュアなどは、売上規模やプロジェクトの影響力で他を圧倒しています。日系企業が国内市場でスピード感を持つ一方で、外資系では国際的な視野での戦略立案が強みとなっています。
ランキング基準：売上、年収、働きがいなど
これらの企業ランキングは複数の要素に基づいています。売上高はもちろんのこと、従業員の働きがいや年収水準、顧客満足度なども重要な指標です。例えば、2024年の「働きがいランキング」では、アビームコンサルティングがトップとなっており、企業文化やキャリア支援が評価されています。
また、売上規模だけでなく、利益率やプロジェクトの質もランキングに反映される点も見逃せません。例えば、クニエやドリームインキュベータは比較的規模が小さいながらも、小回りの利くプロジェクト遂行力で評価を得ています。さらに、外資系企業においては年収の高さが転職希望者の注目を集めており、A.T. カーニーやBCGなどが高水準であることは業界内外で知られています。
最終的に、企業ごとの特色や強みが評価に反映される形となり、2024年のランキングにもその傾向が色濃く現われています。
www.kotora.jp2章：日系企業がランクインした背景と注目ポイント
野村総合研究所（NRI）：日系トップの理由
野村総合研究所（NRI）は、2024年のコンサルタント大手ランキングで日本を代表する企業の一つとして注目されています。その成功の背景には、多岐にわたるサービス展開と確固たる実績が挙げられます。特にITコンサルティングやシステム開発領域に強みを持ち、日本国内だけでなくアジア市場でも存在感を高めています。さらに、NRIはクライアント企業の課題解決に加え、社会課題にも対応するソリューションを提供しており、これが「働きがいランキング」の上位にもランクインする根拠となっています。売上実績や従業員の高い満足度からも、日系企業の中でトップの地位を維持していることがわかります。
三菱総合研究所（MRI）とその独自性
三菱総合研究所（MRI）は、その独自性によってランキングに名を連ねています。特に政策研究や公共領域のコンサルティングにおいて強みを発揮しており、他のファームとは一線を画す専門性を持っています。政府や地方自治体の支援プロジェクトにおける実績は日本国内でも有名で、多くのクライアントに対して信頼性を築いています。また、三菱グループのネットワークを最大限に活用し、多角的なアプローチによる課題解決を提案できる点がMRIの強みです。これにより、成長市場である環境やESG関連の分野でも存在感を発揮しています。
ベイカレントの急成長とその秘訣
近年急成長を遂げているベイカレントコンサルティングは、2024年のコンサルタント大手ランキングでも注目されています。その秘訣の一つは、日本企業のデジタル変革に寄与する高い専門性と迅速性です。特に、クライアント企業と徹底的に密着したサービスは「伴走型コンサルティング」として評価されています。また、大手企業のデジタル化支援だけでなく、新興業界や中小企業向けのコンサルティングプロジェクトにも積極的に取り組んでおり、多様なニーズに対応する能力を持っています。さらに、働きがいのある職場環境づくりにも注力している点が急成長を支える要因になっています。
ドリームインキュベータが示す意味
ドリームインキュベータ（DI）の存在は、日系コンサルティングファームがいかに特色ある分野に特化しているかを示しています。DIは特に新興企業やスタートアップ支援に注力しており、その役割は単なるコンサルティングにとどまらず、「事業の加速装置」としての機能を持っていることが特徴です。また、クライアント企業の成長戦略をゼロベースから構築し、その実現を支える戦略立案力にも定評があります。これにより、DIは他社との競争が激しい分野でも独自のポジショニングを確立しています。日系企業としてこうしたアプローチを取ることは、ランキング上でも注目される重要な要素となっています。
3章：外資系企業の存在感と業界を牽引する要因
世界的知名度を誇るアクセンチュア
アクセンチュアは、世界的な知名度を持つコンサルティングファームの1つとして、2024年のコンサルタント大手ランキングにおいても高い評価を得ています。その強みは業種を問わず幅広い分野でのコンサルティングサービスを提供する多様性にあります。特にIT導入支援やデジタル変革におけるリーダー的立場を確立しており、企業のビジネスプロセスを効率化する手法と最新技術の統合で注目されています。また、アクセンチュアは顧客満足度の高さだけでなく、優れた働きがいも評価されており、転職希望者にとっても魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）の評価
ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）は、戦略コンサルティングにおいて世界をリードする存在です。「BCGマトリクス」の開発者としても有名であり、企業の成長戦略や市場競争力の向上に大きな影響を与え続けています。2024年のランキングでは、高収益企業としての地位を維持しながらも、働きがいランキングでも14.07点を獲得し、上位にランクインしています。徹底したデータドリブンなアプローチと、クライアントに寄り添ったソリューション提供による影響力の大きさが、BCGの価値を際立たせるポイントとなっています。
デロイトやPwCが持つ大規模ネットワーク
デロイトやPwC（プライスウォーターハウスクーパース）は、いずれもビッグ4と呼ばれる世界トップクラスのコンサルティング企業の一角を占めています。これらの企業は、強固なグローバルネットワークを活用し、公共セクターから民間企業に至るまで幅広いサービスを提供しています。特に、デロイトは財務・リスク管理分野の専門性が高く評価されており、PwCは会計・監査分野におけるリーダーシップをもとに多方面で事業を拡大しています。このような広範囲のサービスとネットワークの規模が、業界内での優勢を支える要因です。
MBB（マッキンゼー、ベイン、BCG）の躍進
マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）、ベイン・アンド・カンパニーの3社は「MBB」と総称され、戦略コンサルティング界の最高峰として知られています。これらの企業は、グローバル規模での実績と革新的なアプローチによって、多くの企業から高い評価を受けています。特にマッキンゼーは、複雑な経営課題の解決力で際立っており、ベインは実行支援の強さと顧客満足度の向上に焦点を当てています。いずれの企業も、2024年のコンサルタント大手ランキングでも引き続き注目の存在として地位を確固たるものにしています。
4章：注目される分野別コンサルティングの動向
戦略コンサルタントが直面する課題と期待
戦略コンサルタントは、企業の経営戦略や組織改革を牽引する重要な役割を果たしています。2024年のコンサルタント大手ランキングにもあるように、アビームコンサルティングや野村総合研究所などの企業が、この分野で大きな存在感を示しています。しかし、近年では環境の急速な変化に伴い、デジタル技術やAIを活用したデータドリブンの戦略が求められるケースが増加しています。このようなトレンドに対応するため、従来の戦略立案だけでなく、実行支援や結果を継続的にフォローするエンドツーエンドのサービスが重要となっています。また、業界全体の拡大とともに競争が激化しており、差別化が課題になっています。
ITコンサルタント：デジタル変革の最前線
ITコンサルティングは、特に国内市場において大きな成長を遂げている領域です。2024年版のコンサルタント大手ランキングでも日系のベイカレントコンサルティングやクニエが注目されています。ITコンサルタントは企業のデジタル化推進をサポートし、業務効率化や新規ビジネスの創出に貢献しています。クラウドコンピューティング、AI、RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）などの技術の導入が主なテーマとなっています。特にデジタル変革プロジェクトは、規模の大小を問わず多くのクライアント企業で実施されており、これに対応できるファームが競争力を持っています。
環境コンサルタント：持続可能性への貢献
近年、ESG（環境・社会・ガバナンス）投資の拡大やSDGs（持続可能な開発目標）の普及により、環境コンサルタントの重要性が高まっています。企業は環境負荷の削減やカーボンニュートラルの達成が求められており、それに応じた戦略策定や実行支援が必要です。アクセンチュアやデロイトといった大手外資系ファームは、この分野でも強みを持ち、グローバルな専門知識とネットワークを活かしています。一方、日系ファームも国内企業のESG推進に寄り添ったサービスで評価を得ており、今後さらに需要が拡大することが見込まれます。
建設・インフラ関連コンサルの成長性
建設・インフラ関連コンサルティングは、国内外で注目される分野です。特にインフラ老朽化問題や都市開発、新エネルギー技術などの課題に対応するため、専門性の高いコンサルティングが必要とされています。NTTデータ経営研究所や三菱総合研究所のようなファームが、この分野で顧客の信頼を得ています。また、新興国市場ではインフラ整備が経済成長の鍵となっているため、グローバルファームの需要が高まっています。日本国内でも、官民連携によるプロジェクトの増加により、この分野の成長が続くと予測されています。
5章：これからのコンサルティング業界を読む
AI時代におけるコンサルタントの役割の変化
AI時代の到来により、コンサルタントの役割も大きく変化しつつあります。従来の経営戦略や組織改革だけにとどまらず、人工知能や機械学習の導入を支援する役割が求められています。特に、AIの活用による業務効率化や、新規ビジネスモデルの提案が企業の競争力を高めるうえで重要です。また、データ分析を軸とした意思決定支援やシステム導入を手掛けるITコンサルタントの需要が急増しています。この領域では大手コンサルティングファームが市場を牽引しており、アクセンチュアやデロイトといった外資系企業が突出した存在感を放っています。2024年版のコンサルタント大手ランキングでも、このAI分野に強い企業がさらに上位を占めていく可能性が高いです。
ESG（環境・社会・ガバナンス）の重要性
近年、ESG（環境・社会・ガバナンス）への取り組みが、企業の持続可能性を考えるうえで不可欠な要素となっています。コンサルティング業界では、ESG戦略の策定支援やリスク評価、サステナビリティに基づいたガイドラインの導入を担うコンサルタントが重要な役割を果たしています。この分野では特に環境コンサルタントの需要が高まっており、企業が気候変動対策や脱炭素社会の実現に向けた具体的な施策を実行する際のパートナーとして注目されています。また、ESG投資の拡大を受けて、金融分野を含む幅広い業種で専門的な支援を提供する日系ファームにもチャンスが広がっています。このような中で、野村総合研究所やベイカレントがどのようにESG分野に対応していくかも注目ポイントです。
スタートアップ支援における新たなビジネスモデル
スタートアップ企業への支援は、近年のコンサルティング業界で注目される分野となっています。これまでの大企業向け支援だけでなく、高い成長性を秘めた新興企業への投資やアドバイザリー業務が、コンサルティングファームの新たな収益源となっています。特にITやAI関連のスタートアップでは、技術的な検証（PoC）や市場参入戦略の策定において専門的なアドバイスが求められるため、外資系ファームだけでなく日系ファームも積極的に参入しています。三菱総合研究所やベイカレントといった国内ファームも、この分野における事業展開を加速させており、大手とスタートアップが新しい形で連携することで業界全体の活性化が予想されます。
日本企業がグローバル市場で競争力を持つポイント
日本企業がグローバル市場で競争力を発揮するためには、現地市場に特化した戦略や製品展開、そして迅速な意思決定が求められます。この点で、コンサルティングファームのサポートは非常に重要になってきます。例えば、クニエは日本企業の海外進出支援に注力しており、グローバルプロジェクトの65%以上に関与しています。また、戦略コンサルティングに強みを持つボストン・コンサルティング・グループ（BCG）やマッキンゼーなどの外資系企業は、世界的なネットワークを駆使して具体的な実行計画を提供しています。一方、日系の野村総合研究所やアビームコンサルティングも日本企業特有の文化やニーズに適応した支援を強化しています。これらの企業がどのように協力し合い、日本企業の競争力を高めるかが、今後のランキングにも影響を与えるでしょう。