コトラ（広報チーム） 
第1章: 現職公務員時代の安定と課題
公務員という職業の魅力と安定性の恩恵
公務員という職業は、多くの方にとって「安定した生活」を象徴するものです。定期的な給与や充実した福利厚生、雇用の安定性に支えられ、仕事における経済的な不安が少ないのは事実でした。また、地域社会に貢献できるという意義も大きな魅力の一つで、住民サービスを直接的に提供することで、感謝される喜びを日々感じられる仕事でした。このような安定性は、日常の生活に安心感を与えてくれる要素となっていました。
公務員として感じたルーティンワークの限界
一方で、公務員特有のルーティンワークには限界もありました。日々決まったスケジュール、同じ業務の繰り返しにより、新しい学びや創造性を発揮できる場面が少ないと感じることがありました。もちろん、安定は大きな魅力ですが、自分の可能性を広げる機会が少ないままで、このままキャリアを終えることになるのではないか、という漠然とした危機感を覚えることもありました。
成長意欲を満たす環境不足と焦燥感
特に、成長意欲へ応える環境が不足している点は、大きな課題として感じていました。新しいスキルを学びたいという思いに対し、研修や自己啓発の選択肢が限られていることや、独自のアイディアを試す余地がないことに、もどかしさを抱えていました。また、周りの同僚が同じ業務を続ける中で、自分だけが焦燥感を感じているのではないかと悩むことも多々ありました。このような状況が続く中、次第に現状維持では満足できない自分に気付き始めました。
公務員から離れる決意に至ったきっかけ
決定的なきっかけとなったのは、「このままでは自分の成長が止まってしまう」という感覚でした。特に、日常業務の中で自身の能力を100%発揮できていないと感じる瞬間が増えたことが大きかったです。また、民間企業で働く友人たちの話を聞いている中で、ビジネスの世界で活躍する姿やスピード感ある働き方に刺激を受けました。それに伴い、「自分の可能性を試したい」「新しい環境で挑戦したい」と強く思うようになり、公務員という安定した立場を離れることを決意するに至りました。
転職を考え始めた最初の一歩
転職を考え始めた時、最初に行ったのは情報収集でした。公務員からコンサルタントへのキャリアチェンジがどのように可能なのか、インターネットや書籍で調べるところからスタートしました。また転職エージェントにも相談し、自分のスキルがどのように評価されるのかを確認しました。この段階で感じたのは、公務員の経験も十分に価値があるものだということです。それに気付いた時、転職活動への自信が少しずつ芽生えました。最初は漠然とした不安もありましたが、新しいキャリアへの挑戦が楽しみに変わっていきました。
www.kotora.jp第2章: 公務員からコンサルへのキャリアチェンジ
コンサルという職業への興味と調査
公務員としての生活に一定の充実感を感じながらも、成長意欲が満たされない葛藤は日増しに強まっていました。その中でコンサルタントという職業について知る機会があり、その仕事内容に強い興味を覚えました。コンサルは様々な企業の課題解決に携わる仕事であり、業界・業種も多岐に渡るため、自身の能力を広げるチャンスが多いと感じました。
興味を持ってからは、書籍やインターネットを使って徹底的にリサーチを行いました。特に、公務員からコンサルに転職した他の方の経験談や、コンサル業界特有の働き方に関する情報は重要な参考になりました。一方で、高い成果が求められる環境や激務という側面も知り、自分の能力でやっていけるのかという不安もありました。
周囲の反応と家族の理解を得る苦労
公務員からの転職を考え始めた頃、周囲からは驚かれることが多くありました。「安定している仕事を捨てるのはもったいない」「失敗したら後悔しないのか」という声も聞かれました。特に家族の理解を得るのには時間がかかりました。公務員としての安定した収入と社会的信用は、多くの人からすれば非常に魅力的であり、それを捨てる決断は理解しにくいものだったようです。
家族との話し合いでは、なぜ自分がコンサルに興味を持ったのか、自分のキャリアに対するビジョンをしっかりと伝える努力をしました。周囲のサポートを得るためにも、自分自身が納得できるだけの調査を行い、説得力を高めることが大切だと実感しました。
転職活動で直面した課題と対策
初めての転職活動では、公務員としての経験がどの程度評価されるのかが一番の不安材料でした。また、コンサル業界では求められるスキルや経験が明確化されているため、それに合った戦略が必要でした。特にコンサルティング業界では、英語力やプレゼンテーション能力が重要視される場面が多く、自分のスキル不足を痛感しました。
そのため、転職エージェントの協力を得ることで、自身のスキルや経験を整理することから始めました。また、英語やスライドライティングなどの不足しているスキルは、短期集中で学ぶことを決意し、オンライン講座やサポートプログラムを活用しました。これらの努力により、徐々に転職活動に対する自信を得られるようになりました。
スキルと経験のギャップをどう埋めたか
コンサル業界に転職する際には、公務員としての経験がどのように評価されるのかを把握しつつ、求められるスキルとの差を埋める工夫が必要でした。私が注目したのは、自分が公務員時代に培った調整力やプロジェクト管理能力でした。これらのスキルは、政策策定や行政運営で多く活用されており、コンサルティング業界でも重要とされる能力と通じる部分がありました。
また、自分が苦手だと感じた英語スキルやプレゼン能力については、短期間のトレーニングを集中的に実施しました。特に仕事で必要となる英語プレゼンをシミュレーション形式で練習することで、実践に近い形でのスキル向上を目指しました。これらの努力が最終的に、選考過程での評価にもつながったと感じています。
公務員経験がどのように評価されたか
実際に転職活動を通して感じたのは、公務員としての経験も十分に評価されるということです。特に、政策の立案や多くの部署や関係者との交渉を行ってきた経験は、コンサルティング業界においても活かせる重要な能力として高く評価されました。また、膨大な資料の中から必要な情報を選び出し、それをわかりやすく整理するスキルも、コンサルの仕事において求められる能力と一致していました。
一方で、企業目線での意思決定や収益性を考える視点が不足していることも指摘されました。しかし、その部分を補う意欲や柔軟性があることをアピールすることで、最終的には高いポテンシャルが評価され、転職の成功につながりました。
第3章: コンサルティングファームでの挑戦の日々
コンサル業界での最初のプロジェクトと学び
コンサルティングファームに入社して最初に取り組んだプロジェクトは、これまでの公務員時代には経験したことのないスピーディーな業務の連続でした。タイトな納期で課題を解決するプロセスは困難でしたが、その分充実感も大きく、結果が目に見える形で現れることにやりがいを感じました。また、組織の課題をクライアントと共に議論しながら進める業務において、論理的思考やコミュニケーションスキルの重要性を改めて実感しました。
スピード感とプレッシャーへの適応
公務員時代と比べて、コンサルタントの仕事はスピード感が求められる点が大きな特徴でした。意思決定が迅速に行われ、次々と新たなタスクが生まれる環境では、常に効率的に業務を進める能力が必要です。また、成果に対するプレッシャーも強く、自分の提案がクライアントの意思決定や事業に直接影響を与える責任感を肌で感じる日々でした。この変化に適応するのは簡単ではありませんでしたが、チャレンジの中で少しずつ成長を実感できたことは大きな収穫でした。
求められるスキルセットと成長実感
コンサルタントとして求められるスキルセットは多岐にわたり、特に英語やスライド作成能力などが非常に重要であることを痛感しました。公務員時代にはあまり必要とされなかったこれらのスキルについては苦戦もしましたが、チームメンバーや上司からのフィードバックを受けながら少しずつ改善していきました。自主的な学びの時間も増え、結果として日々の業務を通じて成長を感じられる環境にいることがモチベーションとなっています。
公務員時代との働き方の違いをどう活かしたか
公務員時代は安定感のある環境で、長期的な視点で業務に取り組む場面が多かった一方、コンサルタントの業務では短期的な成果やスピード感が求められます。ただし、公務員時代に培った「利害関係者と円滑に調整する能力」や「プロジェクト全体を俯瞰する力」はコンサルの世界でも非常に役立っています。これらの経験を土台に、新たな業務スタイルにも柔軟に対応することができました。
多様なクライアントとの交流が与える刺激
コンサルティング業界では、異なる業種や規模のクライアントと接する機会が多く、その多様性が仕事の刺激につながっています。一社での経験にとどまらず、さまざまな組織の課題解決に関わることで新しい視点を得られることが魅力です。公務員時代には思いつきもしなかったような解決手法に触れることができ、自身のキャリアの幅を広げるきっかけとなっています。この交流を通じて成長し続けることができる点に、強いやりがいを感じています。
第4章: 公務員からコンサルへの転職を考える方へのアドバイス
自身のキャリアビジョンを見つめ直す重要性
公務員からコンサルへ転職を考える際に、まず必要なのは自身のキャリアビジョンを明確にすることです。公務員という職業には安定性や社会的使命感といった大きな魅力がありますが、一方でルーティンワークの多さや個々の裁量範囲の限界を感じやすい環境でもあります。自分が将来的にどのようなキャリアを築きたいのか、またそのために必要なスキルや経験は何かを深く考えることが大切です。「なぜ公務員からコンサルに転職したいのか」という理由が明確であれば、転職後の生活や働き方にも前向きに挑戦できるでしょう。
公務員の経験を活かせるフィールドを探す
公務員としての経験は、実はコンサルティング業界でも高く評価される場面があります。たとえば、政策立案や行政手続きに精通していること、綿密な調査や分析能力を持っていることなどは、自治体や公共機関向けプロジェクトを担当する際に大きな強みとなります。また、ロジカルシンキングや文書作成能力といったスキルも、クライアントとの仕事に役立つでしょう。自分の経験やスキルを洗い出し、それをどのようにコンサルタントの仕事に活かせるかを具体的に考えてみましょう。
転職活動で失敗しないための準備と戦略
転職活動では、事前の準備と戦略が成功の鍵を握ります。最初に行うべきは、自分の市場価値を理解することです。転職エージェントやキャリアアドバイザーに相談し、自分がどのようなスキルや経験を持ち、それがコンサル業界でどのように評価されるのかを把握しましょう。また、コンサル特有の面接形式（ケース面接など）に備えて徹底的な対策を行うことも重要です。加えて、転職理由や動機を明確に説明できるようにしておくことで、面接官に説得力のある印象を与えることができます。
家族や友人、周囲とどう向き合うか
公務員という安定型の職業からの転職は、家族や友人、周囲の人たちに少なからず驚きを与えることがあります。そのため、転職を考えている理由や新しい仕事への情熱をしっかりと伝え、理解を得ることが大切です。特に家族の場合、経済的な面や働き方の変化についても詳しく情報を共有する姿勢が重要です。転職はあくまで個人の決断ですが、周囲の協力があることでスムーズなキャリアチェンジが可能になります。
挑戦がもたらすリスクとリターンのバランスを考える
安定した公務員の職業からの転職には、リスクとリターンの両方があります。コンサルタントの仕事は成果主義であり、常に高いプレッシャーにさらされることもあります。一方で、自己成長の機会が多く、努力次第で収入が増えたり、キャリアの幅が広がったりする魅力的な側面もあります。転職に際しては、自分が受け入れられるリスクの範囲をよく見極め、それを補うリターンが期待できるかを冷静に判断することが大切です。焦らずにじっくり考えることで、後悔しない選択ができるでしょう。