社労士と行政書士の違いとは?資格取得後のキャリアパス、仕事の魅力を解説!

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社労士と行政書士の基本的な違い

どんな業務を行うのか?

 社労士と行政書士は、それぞれ異なる専門分野を持つ国家資格ですが、共に社会的に重要な役割を果たしています。社労士は主に企業と労働者間で発生する社会保険や労務問題を取り扱い、例えば年金、医療保険、労災保険、給与計算、就業規則の作成などを担当します。一方、行政書士は行政機関への各種申請や、権利義務に関する書類作成を専門とします。業務範囲は多岐にわたり、遺言・相続手続き、自動車登録、外国人の在留資格関連手続きなどを行うことが一般的です。

資格取得後のキャリアパス

 社労士資格を取得した後のキャリアパスとしては、企業の人事部や総務部で活躍するケースや、独立開業して中小企業を主な顧客とする働き方が考えられます。特に、労務管理や就業規則の改定が重要な課題となる昨今では、企業からの需要が非常に高くなっています。一方、行政書士のキャリアパスでは、行政機関への申請を代行する業務が中心となります。土地活用や相続手続き、外国人のビザ関連手続きなどを得意分野とし、地域密着型で活動する独立事務所も多く見られます。さらに両資格を組み合わせたダブルライセンスを活かすことで、更に幅広い分野で活躍できる可能性も高まります。

仕事内容における魅力と課題

 社労士の魅力は、企業の労務管理や社会保険の最適化を通じて、経営効率の向上や職場環境の改善に貢献できる点です。また、近年では労働者のメンタルヘルス対策も注目されており、専門性を活かした相談業務が増加しています。一方で、労務に関する法改正が頻繁に行われるため、常に最新情報をアップデートし続けることが課題となります。行政書士の場合、その魅力は個人や企業の生活やビジネスを支える多様な業務領域で活躍できる点にあります。しかしながら、幅広い業務をカバーするために、特定分野での専門性を高める必要があり、資格取得後も継続的な学習が求められる点が課題となります。

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試験難易度と合格率の比較

試験の合格率と受験要件

 社労士試験と行政書士試験の合格率には大きな違いがあります。社労士試験の合格率は、2023年が6.4%、2024年が6.9%であるように毎年10%未満と非常に厳しい水準です。一方、行政書士試験の合格率は約10%~15%で推移しており、社労士試験に比べてやや高めと言えます。

 また、社労士試験には特定の受験要件が必要です。例えば、大学で法律や経済学を学んだ人、または一定の実務経験が求められるため、誰でもすぐにチャレンジできるわけではありません。一方、行政書士試験には特別な受験資格が不要で、幅広い層が受験しやすい点が特徴です。特に、法律を初めて学ぶ人にとっては行政書士資格が良い入口となることが多いです。

必要な勉強時間と対策方法

 社労士試験と行政書士試験では必要な勉強時間に若干の差があります。一般的に、社労士試験は500~1000時間程度の勉強時間が推奨されており、長期間の計画を立てることが重要です。一方で、行政書士試験は300~800時間程度が目安とされ、比較的短期間で集中的に学ぶことが可能です。

 両試験とも、合格には効率的な対策が欠かせません。例えば、社労士試験では労働法や社会保険法の深い理解が求められるため、実務的な知識を問われる問題集に重点を置くと効果的です。行政書士試験では、広範囲かつ初学者が学びやすい法知識が問われるため、基礎固めと過去問の徹底的な分析が合格への鍵となります。それぞれの試験に特化した通信講座や参考書を活用するのがベストでしょう。

社労士と行政書士のダブルライセンスの可能性

 社労士と行政書士のダブルライセンスを取得することで、業務の幅を大幅に広げることが可能です。例えば、社労士として給与計算や労務問題を解決する一方で、行政書士として契約書の作成や遺言・相続手続きまで対応できるようになります。このようなワンストップサービスは顧客にとって非常に利便性が高く、営業面での優位性にもつながります。

 さらに、行政書士資格を取得してから社労士試験を受験することで、社労士の受験要件をクリアすることができます。これは、初めて法律資格に挑戦する方にとって有効なアプローチです。また、ダブルライセンスを持つことで、開業時にターゲットとする顧客層が広がるだけでなく、企業内でも多面的な活躍が期待されます。

 社労士と行政書士の資格取得を目指す際には、まずどちらか一方の資格に集中し、それからもう一方を目指すステップを踏むと効率的です。資格試験の準備には計画性が求められるため、自身のライフスタイルやキャリア目標を考慮しながら計画を立てましょう。

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資格取得者の働き方と収入面の違い

社労士:企業と個人、どちらが顧客になる?

 社会保険労務士(社労士)は、企業を主な顧客とすることが多い資格です。社会保険や労務管理に関わる業務が中心で、労働条件の整備や就業規則の作成、従業員の給与計算、働き方改革に関するコンサルティングなどを行います。特に中小企業においては、これらの業務をアウトソーシングするケースが多く、企業と顧問契約を結ぶ形で安定した収入を確保することが可能です。

 また、個人向けにも助言や支援を行う場合があります。例えば、年金や労災に関する手続きサポート、メンタルヘルス対応などの相談業務がこれに該当します。全体として、社労士は企業との関わりが深い一方、個人案件については特定分野で活動するのが一般的です。

行政書士:個人向け業務の広がり

 行政書士は、個人を対象とした業務の幅が広いことが大きな特徴です。遺言書や相続に関する手続き、国籍取得サポート、自動車関連の手続き、内容証明や各種契約書の作成支援など、日常生活に密接した業務が多く、個人顧客のニーズに応じて柔軟に対応できます。

 さらに、行政書士は企業向けの業務も行えます。例えば、法人設立手続きや補助金・助成金に関する申請代行、建設業許可などの許認可申請業務など、企業経営に必要な行政手続きをサポートしています。こうした幅広い対応力が行政書士の強みといえるでしょう。

収入面で見る資格のメリット

 社労士と行政書士、それぞれの資格は収入モデルにも特徴があります。社労士の場合、前述のように企業と顧問契約を結ぶケースが多く、毎月定額の報酬を得られるため、比較的安定した収入が期待できます。特に中小企業を中心に顧問先を増やしていくことで、収入は右肩上がりとなる可能性が高いです。

 一方で行政書士は案件ごとの報酬制度が一般的です。個人向け業務では単発的な依頼が多いため、顧客の数や作業量に応じて収入が変動します。しかし、専門性を活かしたサービスの提供やリピート顧客の獲得により、高収益を実現することも可能です。さらには、企業向け業務や許認可関連の大規模案件を受注することで、大きな収益を得る行政書士も少なくありません。

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あなたに合った選択肢を見つける方法

どちらの資格が自分の目指す働き方に合っているか?

 社会保険労務士(社労士)と行政書士のどちらを選ぶかは、まず自分がどのような働き方を目指しているかを明確にすることが重要です。社労士は、企業の人事や労働環境に関する専門家として、給与計算や労働保険の手続き、就業規則の作成など、主に企業側のサポートが中心となります。一方、行政書士は個人や企業向けに官公庁への各種申請書類を作成し、相続や土地活用、契約書作成など幅広い分野で関与できます。企業向けの実務に特化したいなら社労士、幅広い業務で柔軟に働きたいなら行政書士が適しているかもしれません。

受験者の声や体験談を参考にする

 実際に社労士や行政書士を取得した人々の声を聞くことは、大いに参考になります。それぞれの資格を選んだ背景や、資格を活かしてどのようなキャリアを築いているかを知ることで、自分自身の将来像を具体的に描けるようになります。例えば、社労士を取得した人は「資格を活かして企業の労務改善に貢献できた」といった声が多く、行政書士の場合は「相続や遺言の相談を通じて多くの人の生活を支えるやりがいが感じられる」といった体験談があります。こうした意見を参考にすることで、どちらの資格が自分に最適かをより意識的に見極めることができるでしょう。

まずは一本、目指す資格を決めるためのポイント

 最初から両資格の取得を目指すのではなく、まずはどちらか一本に集中することをおすすめします。そのためには、自分がどちらの業務に興味があるか、またはどんな人々をサポートしたいのかを考えてみると良いでしょう。たとえば、社労士は企業との関わりがメインですが、行政書士は個人顧客相手の業務が多い傾向にあります。また、試験の難易度や学習計画も考慮に入れ、自分にとって取り組みやすい資格から挑戦するのも賢明です。一度取得してから、もう一方の資格に挑戦することで、ダブルライセンスの可能性を広げる方法も検討してみてください。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)