コトラ（広報チーム） 
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はじめに
内部監査は、企業の運営において非常に重要な役割を果たします。業務の透明性を確保し、不正やリスクを未然に防ぐための活動ですが、その遂行には高度な専門知識とスキルが求められます。また、内部監査は単なる知識だけではなく、特定の適性や資質が求められるため、「向き不向き」が存在します。本記事では、内部監査に向いている人の特徴や、必要なスキルについて詳しく解説します。
内部監査とは？
そもそも、内部監査とは、企業の経営目標を達成するために、リスクマネジメントや内部統制、ガバナンスプロセスの観点から業務の遂行状況を評価し、改善点を提案する業務です。問題点が見つかった場合、企業全体で解決策を検討し、経営層との協力のもと、業務の効率化を目指します。
特に、上場企業や大企業では、法令に基づいて内部監査の実施が義務付けられている場合も多く、内部監査人は企業の信頼性を保つために欠かせない存在です。
www.kotora.jp内部監査に向いている人の特徴
内部監査に向いている人には、いくつかの共通した資質や特性があります。ここでは、その特徴について詳しく見ていきます。
1. 効率良く正確に確認できる人
内部監査では、業務の細かい点まで確認し、正確に評価する力が求められます。企業によっては、評価基準や確認方法が複雑な場合もあるため、効率的かつ正確にチェックできる能力が重要です。また、監査業務は限られた時間内で行われることが多いため、限られた時間で最大限の効果を上げるためのスピード感も求められます。
2. 分析的な視点や思考を持っている人
内部監査では、単にチェックするだけでなく、収集したデータを分析し、背後にある原因やリスクを発見する必要があります。問題が見つかった場合には、その背景を理解し、解決策を提案するための分析力が不可欠です。
3. コミュニケーション能力が高い人
内部監査人は、様々な部署や役職の異なる人々とヒアリングを行い、情報を収集します。また、監査結果を報告する際には、経営層や監査対象の部門に対しても分かりやすく説明することが求められます。内部監査におけるコミュニケーション能力は、単なる言葉のやり取りだけではなく、信頼関係を築く力も含まれます。
4. 客観的な視点で判断できる人
内部監査は、公正さが求められる業務です。監査結果は、過去の経験や個人的な感情に左右されることなく、あくまで客観的に判断されるべきです。特定の部署や人物に対して偏った見方を持たない、公平な視点を保つことが重要です。
5. 経営に関心がある人
内部監査は、企業の経営目標の達成をサポートする役割を持っています。監査を通じて得られた情報をもとに、経営層に対して改善提案を行うことも多く、経営視点を持つことが求められます。経営に関心があり、企業全体を見渡して考える力がある人は、内部監査に向いていると言えるでしょう。
6. コンプライアンス意識が高い人
企業の内部監査は、法令や社内規程に基づいて行われます。そのため、監査人は法律や規則を深く理解し、コンプライアンスに対する高い意識を持っていなければなりません。また、法改正や規程の変更に迅速に対応できる柔軟性も重要です。
7. 洞察力がある人
過去の監査結果やデータをもとに、潜在的なリスクを予見する力が内部監査には必要です。洞察力がある人は、監査項目の中から小さな兆候を見逃さず、リスクの発見や予防策の提案が得意です。
8. メンタルが強い人
内部監査では、時には厳しい指摘を行う場面もあります。経営層や他部署との意見の衝突や、監査対象部門からの反発に耐える強い精神力が求められます。また、監査人は社内で独立した立場を保つ必要があり、周囲のプレッシャーにも屈しないメンタルの強さが重要です。
9. ITリテラシーが高い人
近年、企業活動においてITの重要性はますます高まっています。内部監査も例外ではなく、システム監査やデータ分析を行う場面が増えています。ITリテラシーが高い人は、情報システムの適正な運用状況を確認するだけでなく、システムリスクの低減にも貢献できるでしょう。
内部監査に向いていない人の特徴
内部監査に向いている人がいる一方で、向いていないとされる人もいます。以下は、その主な特徴です。
1. コミュニケーションが苦手な人
内部監査は、他部署との連携が不可欠な業務です。情報収集やヒアリングを行う際、関係者との信頼関係を築くことが難しいと、スムーズに業務を進めることができません。コミュニケーションが苦手な場合、内部監査の業務に支障が出る可能性があります。
2. メンタルが弱い人
内部監査は、他部署に対して指摘や改善要求を行う立場です。そのため、強いメンタルが求められます。特に、指摘した内容に対して反発を受けたり、厳しい状況に直面することも少なくないため、精神的に弱いと感じる場合は業務が難しく感じるかもしれません。
3. 俯瞰して物事を見るのが苦手な人
内部監査は、企業全体の業務を俯瞰して評価する必要があります。目の前の業務だけでなく、組織全体の流れや戦略を把握し、全体の中でどのように改善できるかを考える視点が必要です。物事を大局的に見ることが苦手な人は、内部監査に不向きかもしれません。
内部監査に必要なスキルとその鍛え方
1. 財務・会計の知識
内部監査は、企業の財務状況を正確に把握し、経営判断をサポートする役割も担います。財務諸表や予算の理解はもちろん、J-SOX法（日本版SOX法）などの法的枠組みについても知識を持っておくことが重要です。
2. 法務に関する知識
内部監査では、法令遵守の確認も重要な役割の一つです。法務に関する知識があれば、企業が直面するリスクを早期に発見し、適切な対応を取ることが可能です。
3. 経営に関する理解
企業全体を俯瞰し、経営の視点から業務を評価するためには、経営に対する理解が必要です。業務プロセスや競合状況、業界の動向を把握し、それに基づいた判断を下す力を養うことが求められます。
4. コミュニケーション能力
内部監査では、監査対象者との信頼関係を築き、ヒアリングや報告をスムーズに行うためのコミュニケーション能力が不可欠です。対話を通じて課題を発見し、解決策を提案する力を養いましょう。
5. ITリテラシー
現代の企業では、ITシステムが業務の中心となっています。システム監査やデータ分析を行うためには、ITリテラシーが不可欠です。基礎的なITスキルを身につけ、さらにシステム管理の知識を深めることで、監査業務の幅を広げることができます。
まとめ
内部監査は、企業の透明性を確保し、リスク管理や経営の効率化を支援する重要な職務です。そのためには、財務・会計の知識や法務の知識、そして経営に対する深い理解が必要です。また、コミュニケーション能力やメンタルの強さも求められるため、知識だけでなく適性も大切です。
内部監査に向いていると感じる方は、ぜひその特性を活かしてキャリアを築いてみてください。
