※本インタビューは2023年12月8日に実施したものです。
内部監査へのご転職の経緯
コトラ渡邉:
本日インタビューさせていただく渡邉です。よろしくお願いします。本日はお二人のご経歴や、SuMiTB(三井住友信託銀行)にご入社をされた経緯などについてお伺いしたいと思います。
では、まず転職の経緯からお願いします。
また、同席いただいている中村様からも適宜お話いただければと思います。
河合様:
2線に関する業務にある程度携わってきたところで、そろそろ仕事のジャンルを変えたいと思い、転職活動を始めました。転職活動では、監査だけではなく様々なところを見て、最終的には監査に携わりたいと思い、SuMiTBに入社しました。
2022年11月に入社し、1年少し経ったところです。
コトラ渡邉:
転職活動では、いろいろ見られたというお話でしたが、元々監査部門に興味を持たれたきっかけは何でしたか?
河合様:
前職は当社ほど大きい組織ではなかったので、月例のリスク管理会議や、コンプライアンス会議、内部監査報告会などが同時開催されており、リスク管理2線の立場でも内部監査報告会を聞く機会がありました。そこで経営陣から質問を聞いたり、報告書を読んだりする中で、監査にも興味を持つようになりました。
コトラ渡邉:
監査以外でご検討されていた職種はどういったものでしょうか?
河合様:
リスクコンサルタントやフォレンジック系なども見ました。
前職と同様の2線、リスク管理方面も見ましたが、せっかく転職するなら経験を活かしつつやったことがない業務をやりたいと思い、監査方面に転職しました。
コトラ渡邉:
続いて松本様、お願いします。
同じ監査から監査への転職ということですが、転職活動のきっかけは何だったのでしょうか?
松本様:
私は監査を専門に自分のキャリアを突き詰めていきたいと思っていたのですが、ずっと生命保険業界にいたので、一度他業界も含めてどんな選択肢があるのかを知りたいと思ったのがきっかけです。
和やかな雰囲気で働きやすい環境
コトラ渡邉:
最終的にSuMiTBを選ばれたポイントを教えてください。
松本様:
これまで監査実施担当者としての経験を積んできましたが、企画は担当したことがなかったので、企画担当のポジションに興味があったのと、生命保険と信託は親和性が高いと思ったためです。入社してみて当社の事業の幅の広さには驚きましたが。また、面接や入社前に職場見学をさせていただいた際、非常にオープンな雰囲気を感じた点もポイントとなりました。
コトラ渡邉:
では次に、入社前後のギャップがあれば、お聞かせください。
河合様:
私は前職が、当社へのBPOという形で業務をアウトソーシングした会社だったので、当社のことはあらかじめよく知っていたので、あまりギャップはありませんでした。
今いるチームでは私以外はほぼ新卒入社だったので、受け入れてもらえるか心配でしたが、非常に優しく受け入れていただきました。前の部署でマネジメント層を経験されてから当部に来られている方も非常に多いので、人を育てるのに慣れていて、無茶なことを言う方はいないので、非常に働きやすいです。
松本様:
入社前に感じたオープンな雰囲気は、入社前後で変わることはありませんでした。また、信託銀行業界は初めてなのでわからないことも多いのですが、皆さん親切に教えてくださるので非常にありがたいです。
現在の担当業務、部門の魅力
コトラ渡邉:
では次に、実際に今まで従事をされたお仕事や、今従事されている仕事について教えてください。また、入社されてから印象的だと思われたことがありましたら教えてください。
松本様:
企画チームには監査企画班、品質評価班、人材育成班、BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)班と大きく分けると4つの班があるのですが、私は主に監査企画班の業務を担当しています。具体的には、規程類の改定や、リスクアセスメント結果の変更等、重要事項を部内で審議する内部監査連絡会の事務局などです。先に挙げた班は企画チームだけでなく各監査チームにもメンバーの方がいて、企画チームと各監査チームとの間で意見交換や情報連携を行う体制があるのは当社の特徴的な点の一つかと思います。
コトラ渡邉:
ありがとうございます。河合様はいかがでしょうか?
河合様:
私は、担当部署の継続的モニタリング(オフサイト)と、それと並行してオンサイトの監査にもいくつかアサインされています。入社1年間でオンサイトの監査は、すでに4件担当者として入らせて頂き、業務監査も上司・諸先輩方に教えて頂きながら少しずつ担当させて頂いています。
また、BPR班という業務効率の改善を目的とした部署横断の班にも所属しており、最近のDX化の流れを受け、ChatGPTやTableauなどのツールも使用しています。
コトラ渡邉:
河合様の所属されている監査第三チームはどのような領域を担当されているのでしょうか。
河合様:
監査第三チームは、投資家事業を担当しています。
具体的には年金も含めたアセットマネジメント業務、受託などの資産管理業務の総称です。私はその中で、前職に近いアセットマネジメント会社のオフサイトモニタリングを担当しています。
コトラ渡邉:
では次に部門の魅力について教えてください。
河合様:
新卒から入社されている方は様々な業務を経験されている方が多く、信託銀行は事業が多岐にわたる中で、実務経験のある方から詳しいお話が聞けるのはとても良い面だと思います。
コトラ渡邉:
新卒で入社された方はどこの部門から来られている方が多いですか。
河合様:
私の場合は投資家事業を見ているチームなので、投資家事業の流れを汲んでいる方が多いですが、前任がリテールの支店だった方など、複数事業を経験されている方もいらっしゃいます。
松本様:
キャリア入社の方も多いので他社の情報をお聞きすることができる点も興味深くありがたいです。
中村様:
組織のメンバーのバックグラウンドは様々です。監査部門は組織で全ての業務をカバーする必要があるので、社内ローテーションでも色々な方がいらっしゃいます。
キャリア採用の方は金融関係や監査法人出身の方が多いですが、事業会社で監査部門にいた方もいらっしゃいます。
河合様:
金融持株会社で当社グループ全体を俯瞰しながら、信託銀行として現場を見るという2つの側面があるので、マクロからミクロまで広範に見れるというのも魅力かと思います。
継続的モニタリングを実施するようになってから現場との距離は縮まっていると思います。
我々が直接現場の部長、次長とメール・電話のやり取りをすることもありますし、前職と比べても、当社は現場と監査の距離感は近いなと感じています。
コトラ渡邉:
あくまでも独立した立場でありながらも、現場の皆さんの監査に対する、しっかりとした協力体制ができていて、前向きに取り組んでいただいているということですね。
中村様:
監査業務は、以前は現場からは検査のような印象を持たれがちでしたが、私たちは現場からの良き相談相手、信頼されるアドバイザーを目指しており、今では監査に対する現場の理解も進んでいると思います。
多様な働き方でワークライフバランスを支援
コトラ渡邉:
リモートワークに関してはどうですか?
河合様:
私は大体半分ぐらいリモートワークしていて、週によってはほぼ全部リモートで対応したり、往査の際には出勤したりするなど、かなり自由です。午前中はリモートで午後から出社なども可能です。
中村様:
当社にはサテライトオフィスも用意されており、そちらでも仕事ができる環境が用意されております。
ご家庭の介護の関係でご実家が首都圏以外にある方が、数ヶ月介護の関係で、そちらで在宅勤務されるようなケースもありました。
松本様:
私も週2~3日在宅勤務を活用しています。
河合様:
私が所属するチームのチーム長は午後一旦帰宅して家事をされてから、仕事に戻り残務処理されるという働き方をされていることもあるので、働きやすい環境かと思います。
また、監査という業務の特性上、通年の計画があるので、計画的に休みが取れる環境だと思います。
キャリア採用も活発、他部門への異動のチャンスも
コトラ渡邉:
では、続いて部門の特徴や組織構成についてもお聞かせください。
中村様:
人数は全体が約140名で、その内キャリア採用の方は2割以上です。
監査部門は業務経験の豊富な方が多いので、平均年齢は高いですが、ここ数年でキャリア採用を増やした結果、若返りが進んでいます。
また、社内公募などで若い方が希望して監査部門に来る方もいます。支店長候補の方などが、監査部門に来て、会社全体を俯瞰的に見る力を付けてから、キャリアアップしていくケースも増えています。
松本様:
企画チームの中でも担当業務の変更はフレキシブルに行われている印象で、希望をすれば色々なことを経験させていただける環境だと思います。
中村様:
信託銀行は取り扱う商品や業務が幅広いので、特定の領域ではなく、広い領域を持っている人たちが集まっており、会社全体を俯瞰的に見ることができるのが監査部門の魅力かと思います。
キャリア採用の方は、監査の専門家など、監査業務を希望される方が入社されているケースが大半なので、監査部門に留まることが多いですが、自ら希望して2線に行った方もいます。
コトラ渡邉:
キャリア採用の方は、基本的には採用部署で専門性を高められる方が多いですが、ご自身のキャリア形成の中で、他の仕事にチャレンジしたい方は、異動されることもあるということですね。
手厚い人材育成や資格取得支援体制
コトラ渡邉:
今後の展望や、ご自身として何か実現していきたいなと思うことがあれば教えていただけますでしょうか?
河合様:
私はまだ監査を1年ぐらいしかやってないので、もっともっと「監査のプロフェッショナル」になっていきたいなと思います。
松本様:
私は、現在当部が取り組んでいる「監査の高度化」というところに企画の立場から色々と貢献していきたいと思っています。
コトラ渡邉:
他に力を入れていることなどがあればお聞かせください。
中村様:
人材教育・育成に力を入れています。監査経験のあるキャリア採用の方も、監査の専門家ではありますが、当社の業務に関しては詳しくない方もいらっしゃるので、サポートしています。一方で、監査未経験でキャリア入社された方や社内ローテーションの方は、逆に当社の業務には詳しいけれど、監査は初めてという方が多いので、監査関連資格の取得支援や、監査知識の教育には力を入れています。
河合様:
私も入社後に支援を受けてCIA(公認内部監査人)資格を取得しました。
監査に向いている方とは
コトラ渡邉:
では、どういった方に入社していただきたいかお聞かせください。
中村様:
監査は、色々なことに興味を持って、深く考える人や、チャレンジ精神のある人に向いていると思います。また、監査は、相手とのコミュニケーションが大事なので、コミュニケーションが得意な方や、コミュニケーションスキルを高めたい方に向いていると思います。
コトラ渡邉:
監査未経験の方に関しては、どういったご経験やマインドをお持ちの方にフィットしますか?
中村様:
やはり金融機関出身の方は共通言語を持っていて言葉が通じるので、親和性があります。
ただ若い方であればポテンシャルを見込んで採用するケースもあるので、ベテランの方だと一定の専門性などは求めますが、若い方は、やる気も重視します。
コトラ渡邉:
監査に対する興味と、これまで培ってきた社会人経験をどのように監査で活かせるか、というビジョンがある程度クリアになっている方が良さそうですね。
続いて、入社後の教育プログラムについてお聞かせください。
中村様:
OJTとOFFJTの両方があります。実際に監査を行うチームで、監査業務やモニタリング業務を行いながらOJTを行います。
OFFJTは新入社員向けのカリキュラムを用いたり、部内の勉強会を活用しながら進めています。
転職希望者へのメッセージ
コトラ渡邉:
最後に転職希望者の方へのメッセージを一言ずつお願いします。
河合様:
入社後1年1ヶ月で、4つの監査をさせていただいて、本当に早い段階からどんどん経験をさせていただいているなと思います。
毎回違う部署に監査に行くので、それぞれの被監査部署に対する準備も違います。毎回同じ監査ではないので、同じことを続けたい人よりも、新しいことをどんどんやりたい人に極めて向いている職場だと思います。
松本様:
監査は比較的ワークライフバランスが取りやすく、専門性を身に付けることができる職種だと思います。
色々な職種や会社をご覧いただいたうえで、最終的に当社の内部監査部を選んでいただけたらうれしいです。
中村様:
色々学べる職場だと思いますので、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。
登壇者
ゲスト
三井住友信託銀行株式会社
内部監査部 企画チーム 主任調査役
松本 美里 様
大学卒業後、大手生命保険会社に入社し、お客様の契約を管理するバックオフィス業務と、秘書業務を経験した後、外資系生命保険会社に転職し、内部監査の業務や経理業務を担当。その後、外資系生命保険会社に転職し、内部監査に11年程従事。2023年7月にSuMiTB(三井住友信託銀行)に入社。
三井住友信託銀行株式会社
内部監査部 監査第三チーム 調査役
河合 英之 様
大学卒業後、資産運用会社(アセットマネジメント会社)に入社し、ジョブローテーションの後、投信企画を2年経験。その後、経営企画やリスク管理を中心に、内部統制2線に関わる業務に約10年間従事した後、2022年11月にSuMiTBに入社。
三井住友信託銀行株式会社
内部監査部 企画チーム 主任内部監査人
中村 政之様
大学卒業後、三井信託銀行(現三井住友信託銀行)に入社し、システム企画、リテールチャネル戦略等を経験。内部監査部では監査企画、グループ関係会社マネジメント等を担当。
インタビュアー
株式会社コトラ
Executive Consultant
渡邉 裕介
大学卒業後、損害保険会社のコーポレート部門、営業部門、グループ会社出向を経験。コトラ転職後はリスクマネジメント、ESG領域を中心に担当。
[ 担当業界 ]
リスクマネジメント、コンプライアンス、ESG/サステナビリティ、金融ミドルバック