インターネットの普及に伴い、近年、手軽で魅力的な資金調達方法として一般的になりつつある「クラウドファンディング」について解説します!
クラウドファンディングとは
クラウドファンディング”Crowdfunding”とは、群衆 “crowd” と資金調達 “funding” を組み合わせた造語で、主にインターネットのクラウドファンディングサイト上で、プロジェクトを立ち上げた人や法人に対し、不特定多数の人が、様々な形態で資金を供与する仕組みのことです。
インターネットの普及に伴い、2000年代に米国で先駆的なウェブサイトが続々と開設されて以降、世界中で市場が拡大しており、クラウドファンディングは資金集めの方法として、日本でも定着しつつあります。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングは主に次のようなタイプに分類されます。
購入型
購入型クラウドファンディングは、起案されたプロジェクトに対して支援者がお金を支援し、支援者は商品やサービス、特典などのリターンを受け取る仕組みのクラウドファンディングです。
支援者はリターンとして設定された商品やグッズ、サービス等を購入するような感覚で支援することができます。
商品やサービスが支援者のニーズにマッチしていれば、比較的資金が調達しやすいタイプのクラウドファンディングといえます。
寄付型
寄付型クラウドファンディングは、起案されたプロジェクトに対して、支援者がお金を寄付をする仕組みのクラウドファンディングです。
あくまで寄付であるため、基本的にリターンを提供する必要はありません。
寄付という仕組みの特性上、被災地支援や環境保護など、社会貢献性の高いプロジェクトの資金集めに向いています。
融資型
融資型クラウドファンディングは、資産運用したい多数の個人投資家から小口の資金を集め、大口化して借り手企業に融資する仕組みのクラウドファンディングです。
日本では、「ソーシャルレンディング」「貸付型クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。
個人から集めた資金を「融資」するという性質上、支援者は金銭的なリターン(利息)を得ることができます。
一方起案者は、返済や利息の支払いで資金繰りが悪化しないように十分注意する必要があります。
また、金融商品の一つとなるため、「貸金業法」や「金融商品取引法」などによる法律規制を受けるという特徴があります。
株式投資型
株式投資型クラウドファンディングは、個人の起案者ではなく株式会社が行う資金調達方法で、個人投資家へ自社株式や新株予約権を提供する代わりに、資金を得る仕組みのクラウドファンディングです。
投資家は出資先企業の詳細な情報を参考に投資を行い、非上場企業の未公開株を取得できることが特徴です。
返済義務や商品などのリターンを必要としない点や、将来性が高い企業であれば資金調達しやすいというメリットがあります。
議決権のついた株式を第三者に渡すことで、経営陣の保有する議決権割合が低下し意思決定に支障をきたすというリスクがある点については注意が必要です。
ファンド型
ファンド型クラウドファンディングも企業が行う資金調達方法の一つで、特定のビジネスに対して個人投資家から資金の出資を募る仕組みのクラウドファンディングです。投資家は、売上等の成果や出資額に応じて、商品・サービス・特典・金銭的なリターンを受け取ることができます。また、融資型と比較して、ファンド型では売上に基づく分配金で利回りが計算されるので、事業の売上に応じて、利回りが変動するという特徴があります。
投資家は直接資金を集めている企業に投資するのではなく、匿名組合(クラウドファンディング事業者)を通して資金を投資するという点が、他のクラウドファンディングとの決定的な違いです。
ふるさと納税型
ふるさと納税型クラウドファンディングは、自治体が解決したい課題をプロジェクト化し、共感が得られた支援者からふるさと納税によって寄付を得る仕組みのクラウドファンディングです。
ふるさと納税の仕組みを使うことで、寄付金の控除を受けられるのが最大の特徴です。
ふるさと納税にクラウドファンディングを活用するため、それぞれのサービス提供事業者が特性を生かしたサービスを提供しています。
クラウドファンディングのメリット・デメリット
メリット
クラウドファンディングの最大のメリットは、資金調達の幅が広がることです。また、起案したプロジェクトが市場でどのくらい需要があるか確認するための、「テストマーケティングの場」として活用することもできます。
さらに支援者にとっても、自分が選んだ好きなプロジェクトに対して、気軽に小口投資できるというメリットがあります。
デメリット
クラウドファンディングのデメリットは、実施方式によっては、目標金額に達しなかった際に、資金調達できない場合があることです。この様な事態を避けるためには、クラウドファンディングを始める前に、プロジェクト成立確率、成立に必要な支援者数や資金をよく調査し、プロジェクト内容を検討する必要があります。また、プロジェクト不成立の時のために、他の資金調達方法を情報を事前に調べておくことも重要です。
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