※こちらは、2022年10月19日放送のコトラTV(ウェビナー)の内容を記事化したものです。
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欧州最大級のコンサルティングファーム「キャップジェミニ」の実態に迫る
ゲストのご経歴
キャップジェミニ株式会社
執行役員副社長
藤澤 貴啓 様
自動車、機械、医療機器、素材、消費財、金融など多分野の顧客を対象に、20数年以上に亘ってコンサルティングサービスに従事。キャップジェミニでは日本の製造&サービス業界向けコンサルティング部門の統括として、新規事業検討、製品開発マネジメント、営業改革、サプライチェーン改革、BPR、IT戦略立案・マネジメントなど数多くのプロジェクトを指揮する。
キャップジェミニ株式会社
ディレクター
内藤 範博 様
[ 経歴 ]
国内大学卒業後、外資系コンサルティングファーム、国内コンサルティングファーム、ITサービス会社のコンサルティング部門立ち上げ等の経験を経て、キャップジェミニ参画。
専門業界は、ユーティリティ業界、化学業界を中心とする素材産業。
新規事業立ち上げ、営業改革、大規模ITプロジェクトのマネジメントなど、豊富なコンサルティング経験を有する。
近年はプロセス製造業のDX戦略立案・実行支援やグローバルエネルギー企業のERP企画・導入などに従事。
キャップジェミニ株式会社
マネジングコンサルタント
衣川 和秀 様
[ 経歴 ]
国内大学航空宇宙工学研究科卒業後、航空宇宙関連の製品開発に従事する。その後、外資系ソフトウェア会社を経てキャップジェミニに入社。
基幹システム・設計開発領域アプリケーションの製品管理、新製品展開、導入・運用プロジェクトマネジメント、PMO、PLM/ERP業務改革・導入・運用等の大規模グローバルプロジェクトに携わる。現在、自動車部品メーカーの新製品開発プロジェクトに従事。
キャップジェミニ株式会社
シニアコンサルタント
澤田 亮介 様
[ 経歴 ]
国内大学政治学科卒業後、グローバル総合コンサルティングファーム、および、日系製造業専門コンサルティングファームを経てキャップジェミニに入社。
重工、産業機械、自動車、素材、食品といった幅広い製造業クライアントにおいて、研究開発~生産~サービスの上下流全域の業務改革に携わる。
現在は、日系メーカの新製品開発支援プロジェクトに従事。
李 英樹 コンサルタント
[ 経歴 ]
国内大学卒業後、日系大手製造メーカのシンガポール支社に入社。主に東南アジアに拠点を置くグローバル顧客への営業、プロジェクト管理等に従事した後、キャップジェミニに入社。
医療機器、精密機器、自動車機器、消費財、通信など様々な業種を対象に、新規事業企画支援、PMO支援、ロードマップ策定、IT戦略立案、組織・人材変革、中期経営計画策定支援などのプロジェクトに携わる。現在、精密機械メーカーのサプライチェーンの業務・システム刷新プロジェクトに従事。
磯崎 拓也 コンサルタント
[ 経歴 ]
国内大学数理学部を卒業後、グローバル自動車部品サプライヤーにおいてR&Dおよびプロジェクトマネジメントを経験。その後キャップジェミニに入社し、製造業界を対象に、R&D領域における開発マネジメント強化および人材育成などのプロジェクトに従事。
新町 祐生 シニアアナリスト
[ 経歴 ]
国内大学法学部卒業後、キャップジェミニに新卒入社。日系大手グローバルメーカを主な対象として、業務プロセス改革/グローバル基幹システム導入の構想策定、サプライチェーン業務・システム刷新、PMO、チェンジマネジメント等のプロジェクトに携わる。現在、自動車会社のITインフラ刷新プロジェクトに従事。
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プロジェクト事例の紹介(新規事業創出、新製品開発)
コトラ:
続きまして、今注力しているプロジェクトの詳細について紹介していただきます。
まずは澤田様よろしくお願いします。
澤田様:
ここからは私、澤田と、実際に現場で働いている若手メンバーにも話に加わってもらい、質疑応答形式でキャップジェミニの仕事内容を紹介していきたいと思います。
私が紹介する事例は、新規事業創出と、それに引き続く新製品開発になります。まず、お客様の置かれた状況としては、競合優位性を強固にしつつ、新たな事業の柱を作るために新サービスを立ち上げ、それを国内だけでなくグローバルに展開する必要がありました。
また、その新しい事業や製品を、計画したQCDを遵守して実現する必要もありました。
さらに、外部環境として、製品の複雑化が進み、相手にする市場はグローバル、また、製品の複雑化によって社内関係者が多くなるという三重苦がある中で計画を実現しなければならないという課題がありました。
それに対して弊社は、サービスメニュー・ビジネスプラン、顧客コミュニケーション・マネタイズシナリオ、および新規サービス展開のロードマップを策定しました。さらに、新サービス展開のためのITプラットフォームの構築まで支援をしました。
いざ製品を開発していく段階では、キャップジェミニはグローバルにおいて医療機器業界の支援実績も豊富なので、ベストプラクティスを反映した製品開発プロセスを構築しました。
またその実際の新製品開発プロセスを並走して実行支援することで適用・定着化を図っていきました。
さらにTime to Market短縮のため、MBSE(モデル・ベース・システムズ・エンジニアリング)やアジャイルの導入も支援しています。まさに起案から実行までのEnd to Endの支援をしています。
実際並走して支援する過程で、描いたプロセスを仕組みに落としたり、人の教育に繋げたり、血肉にするところまで支援しています。
このようにして、新製品/サービスの事業化、QCD目標の達成(Time to Marketの短縮、製品性能目標達成、開発コスト抑制)、効率的な製品開発プロセスの定着化を達成するとともに、その過程で将来のリーダークラスを育成することができました。
クライアントの課題解決に向けてのアプローチ方法
コトラ:
ここからは磯崎様にも加わってお話を伺いたいと思います。磯崎様お願いします。
磯崎様:
私は前職が製造業で、現職コンサルタント4年目です。製造業出身のコンサルタントという観点からいくつか質問したいと思います。
まず1つ目、今ご紹介頂いたプロジェクトの支援をする中で、最も根強いクライアントの根本的な課題がどういったところにあるのか教えて下さい。
澤田様:
新規事業創出のパートと製品開発のパート両方に分けられます。
まず新規事業創出に関してはサービス実現の鍵となるITプラットフォームや、それをお客様が自前で構築するCapabilityがなかったことが一番の課題でした。
また製品開発に関しては置かれている環境が変わってきているのに対して業務が旧態依然としており、仕事のプロセスやリーダー層の考え方が過去の成功体験から抜け出せていなかったことが大きな課題でした。
磯崎様:
それに対してどのように課題解決されたのか、まずは新規事業創出についてもう少し詳細に教えて下さい。
澤田様:
「これさえやれば上手くいく」という魔法の杖のようなものはなく、効率的にできる部分をできるだけスムーズに片付けていくことが大事です。
当社はグローバルでも戦略領域に関して長い間支援しており、実績のあるフレームワークを多く持っています。それらを活用して、情報を抜けもれなくスピーディーにまとめていくことで、関係者の方々が知恵を絞るべきところに時間を割けるように支援をしています。
具体的に知恵を絞るべきところは、「マネタイズ」というところです。
いい製品、事業、お客様との接点があっても、儲からないと事業として持続できませんので、どう儲けるかというところに注力していただけるようにしました。
磯崎様:
ありがとうございます。それでは製品開発プロセスについてはどのようなアプローチを試みたのでしょうか?
澤田様:
こちらのほうが色々としがらみも多かったのですが、このお客様の場合、グローバルで全社的な改革が並行して進められていました。
経営層の方も今まで日本の方ばかりでしたが、海外の方を入れ、トップダウンで会社を変えようとしていました。
ただ、変わっていく経営クラスの方々と、すぐには変わることができない現場の方々の間に温度差がありました。
そのため、経営層と現場をつなぐアプローチをしました。
経営層の実現したい姿を、現場の方にもメリットがあるということをわかりやすく伝えました。
頭ではわかっていても変えることが難しい部分については、キャップジェミニが実際にやって見せる並走型のコンサルティングで打破していきました。
磯崎様:
キャップジェミニメンバーとして実践したというところで、具体的にどういったプロジェクトで、どういった事を実践したかもう少し詳細にご説明下さい。
澤田様:
トレーサビリティマトリックスを新たに作る必要がありました。
具体的には製品に対する要求事項がスペック・仕様に落ちて、更にそれが製品の形や部品に落ちていくという情報のつながりを可視化し、整理するドキュメントを作る必要がありました。
経営層の方からすると、トレーサビリティのために可視化するのは当たり前ですが、現場の方にとってはそれは頭の中に入っているものなので、それをドキュメント化するのは「手間が増えるだけ」というような感じでした。
しかしキャップジェミニが現場でのドキュメント化するメリットを説明したり、具体的にトレーサビリティマトリックスの様式、やり方を説明することで定着を図っていきました。
キャップジェミニの強み、ノウハウに迫る
磯崎様:
実際にクライアントに入り込んで製品開発の支援をするときの、キャップジェミニの強みになるようなノウハウや知見について教えて下さい。
澤田様:
2つあると考えています。
1つはグローバル35万人の社員から、知見を持った社員をアサインすることができるという点です。このプロジェクトにおいてもMBSEをAIRBUS様にデリバリーした経験のあるメンバーをアドバイザーとしてアサインできました。
2つ目は製造業経験のあるコンサルタントの知見も使えるという点です。
今回は医療機器メーカーで、人の命を預かる機器ですので安全に対する基準が厳しいのですが、そのリスクマネジメントに対する仕事のやり方も属人的になっていました。
そこで自動車業界経験者をアサインすることで、自動車業界のベストプラクティスを抽出してリスクマネジメントのプロセスに織り込んだりする支援をしました。
磯崎様:
実際に他産業にコンサルティングした経験則を元に、よりこのクライアントにフィットしたモデルにテーラリングしたということですね。では最後の質問になりますが、このような働き方をする上で、どのようなマインドセットのある方が適任か教えて頂きたいと思います。
澤田様:
1つ目は、経営と現場の背反を解ける人、解くことを楽しいと感じる人です。
2つ目は、コンサルタントである我々が抜けた後でも、いい仕事の流れがお客様に定着することにこだわる人です。やり方として一緒にやって見せる並走型で成功体験を持っていただくのもありますが、デジタルツールに落とし、デジタルツールなしでは仕事が成り立たないというようにするような強固なやり方にこだわれる人です。
3つ目は、そのデジタルツールに落とす事例、デジタルツールを開発しているベンダーさんとのコネクションが当社には多数あるので、それらを国内外問わず模索して使える人、またそれに興味を持つことのできる人です。
コトラ:
日本の製造業はすり合わせ文化を強みに良い製品を生み出してきたというところで、今後効率化を図る上で、MBSEやPLMといったツールを活用していく実行支援をキャップジェミニ様がされているということがよくわかりました。
次の記事(3/3)
プロジェクト事例の紹介(自動車業界、エネルギー業界)
>製造業コンサルタントに強いコンサルタントへの転職相談(無料)はこちら
キャップジェミニ株式会社に
ご興味がある方へ
今回特集しましたキャップジェミニ様の求人をご紹介します。
ご興味がある方は、下記ボタンよりぜひご応募ください。
■求人:
製造コンサルティング
■仕事内容:
製品開発領域を対象とした戦略〜業務系(IT含む)コンサルティング
クライアント企業にとっての価値創出と成果達成に向け、プロジェクト内容、役職に準じた支援して頂きます。
■必要スキル:
コンサルティングファームにてコンサルタントとしての職務経験をお持ちの方、または製造系企業において実務経験をお持ちの方を対象としています。
コンサルティングファーム経験者の場合
・製造業クライアントに対し、2−3年を超えるコンサルティングプロジェクト経験を有すること
製造業出身者(コンサルティングファーム未経験者)の場合
・製造業に関する全般的な業務知識があり、コンサルタントとして活躍できる素養と熱意をお持ちの方
<共通条件>
・ドキュメンテーション(PPT、Excel。概念的なものから具体説明まで目的に応じた分かり易い資料作成)
・プレゼンテーション(クライアントへの説明、QA対応など。採用役職に応じて)
・ファシリテーション(クライアントミーティングのリードなど。採用役職に応じて。)
・交渉力・関係構築能力(カウンタパーソンとの折衝、コミュニケーションなど。採用役職に応じて)
<歓迎(WANT)>
・製品開発領域におけるプロジェクト経験/業務経験のある方
・英語中級(英文メールの読み書きや、挨拶程度の会話)以上
■求人:
ITストラテジーコンサルタント (製造&サービス部門)
■仕事内容:
●将来のアプリケーションシステム戦略、計画策定
ビジネス戦略を支える将来のアプリケーションシステムの構想、ロードマップ作成、実現のための実行計画策定などを支援
●ソリューション選定
アプリケーションのソリューション選定(パッケージ選定)、RFP作成、ベンダーからの提案評価などを支援
●将来のシステムインフラ戦略、計画策定
将来のアプリケーション・システを支えるシステムインフラの構想、ロードマップ作成、実現のための実行計画策定などを支援
●IT組織戦略
IT組織のミッション、役割、ケイパビリティ(能力)の定義、それを実現するためのIT組織の設計および人材育成計画策定などを支援
●ITガバナンス
ITガバナンスのスキーム設計、実行に向けた規定作りなど支援
●ITセキュリティ
ITセキュリティポリシーの定義、実行に向けた体制、運用の設計など
■必要スキル:
コンサルティングファームにてコンサルタントとしての職務経験をお持ちの方、または事業会社にて実務経験をお持ちの方を対象としています。
コンサルティングファーム経験者の場合
・クライアントに対し、2−3年を超えるITコンサルティングプロジェクト経験を有すること
・システム導入プロジェクト、保守の経験をお持ちの方
事業会社出身者(コンサルティングファーム未経験者)の場合
・情報システム部門にてIT戦略策定の実務経験をお持ちの方
・システム導入プロジェクト、運用・保守の経験をお持ちの方
<共通条件>
・ドキュメンテーション(主にパワーポイントで作業プロセスや概念を理解しやすく図示化できる。)
・プレゼンテーション(20名の人前での説明、Q&Aができる)、紙書きができる方
・ファシリテーション(部長・役員レベルに対して会議をリードできる)
・交渉力・関係構築能力(部長・役員レベルに対して、チーム代表として交渉する)
・営業力 (マネージング・コンサルタント以上での採用の場合、新規顧客獲得など営業能力も必要となります)
・日本語ネイティブレベル (日本語でタフなネゴシエーションができるレベル)
<歓迎(WANT)>
・英語中上級(英文メールの読み書き、会話)
・大規模またはグローバルでのシステム導入プロジェクトにおけるPMO経験
■求人:
SCM コンサルタント(製造&サービス部門)
■仕事内容:
ビジネスモデルのデザイン、組織改革、業務プロセス設計、システム設計、実行プログラム策定、チェンジマネジメントなどを支援していただきます。
以下の役割をご担当頂くこととなります。
・グローバルサプライチェーン(販売/需給/生産/在庫物流など)を最適化するための分析・基本構想立案・実行支援など
■必要スキル:
・販売・需給・生産・物流領域におけるSCM改革のプロジェクト経験のある方(特に基本構想フェーズやPoC(実現性検証)フェーズ、ソリューション選定、RFP作成フェーズの経験がある方
・業務・システムの双方の観点で上記領域におけるソリューションや将来像検討に関する体系的な知識のある方・ドキュメンテーション(主にパワーポイントで作業プロセスや概念を理解しやすく図示化できる。)
・プレゼンテーション(20名の人前での説明、Q&Aができる)、紙書きができる方
・ファシリテーション(部長・役員レベルに対して会議をリードできる)
・交渉力・関係構築能力(部長・役員レベルに対して、チーム代表として交渉する)
・営業力 (マネージング・コンサルタント以上での採用の場合、新規顧客獲得など営業能力も必要となります)
・日本語ネイティブレベル (日本語でタフなネゴシエーションができるレベル)
・英語中上級(英文メールの読み書き、会話)
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