柳生一 
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債権回収会社（サービサー）とは、法務大臣の許可のもと、弁護士法の特例として特定金銭債権の管理回収業務を行うことが認められている企業になります。
債権管理回収の専門性に加え、厳格なコンプライアンス態勢の構築が必須など参入障壁も高く、令和3年12月現在における営業会社は76社となっております。
ニッチな業界・尖ったスキルというイメージもあり、同分野を得意とする転職エージェントは少ないようですが、この分野においても人材の動きは活発化しています。
株式会社コトラではサービサー領域の人材紹介も得意としており、本記事を書いた私もサービサーに勤務しておりました。
本記事では、私から見たサービサー人材の強みやアピールポイントを整理してみました。
事例もお伝えすることで、サービサー人材の転職市場における選択肢や可能性をイメージいただくことを今回の狙いとしています。
異業種からサービサーに挑戦したいとお考えの方にもお読みいただけますと幸いです。
１．サービサーとは
２．ニーズの高いスキルや経験の一例
３．転職事例
４．最後に
＞サービサー関連の求人案件に精通しているコンサルタントに相談する
１．サービサーとは
サービサーとは
不良債権の迅速な処理の促進を目的として設立された民間の債権管理回収専門の株式会社です。
日本初のサービサーの設立が1999年になりますので、歴史としては30年弱となります。
不良債権処理が一巡した後は、各サービサーは各々の強みを活かしながら業務領域を広げつつ、他社との差別化を図ってきました。
現在は、債権の買取りを通じての財務諸表の健全化・資金の効率化支援にとどまらず、資産流動化や事業再生のビジネスでも重要な役割を果たしています。
２．ニーズの高いスキルや経験の一例
サービサー人材が転職市場で評価されるスキルや経験の一例として、以下のような部分が挙げられます。
第三者の目を通じてご自身だけでは気付いていない強みや志向を棚卸ししながら、転職先の業界や業種をご検討いただくことが有意義な転職活動につながると思います。
コトラでは金融業界のほぼ全ての業種を網羅しており、転職希望者さまの強みや志向にあわせた質の高いご提案を心がけています。
交渉力や営業力
主にソーシングや回収のフロント業務の方の強みになります。
ソーシング業務での営業力や人脈、回収局面での交渉力や他の債権者との調整力は異業種でも高いニーズがあります。
金融法人営業や事業法人営業の経験ニーズは増えており、営業力を活かした転職をご希望でしたら幅広い案件をご紹介可能です。
事業再生
事業の再生を必要とする企業は依然多く、同業務に係る人材ニーズは旺盛です。
債務免除や返済条件の変更を通じたCFの改善支援、M&Aを活用したBSの改善支援、他債権者との調整業務などの経験は事業再生の現場でも即戦力として求められるスキルであり、今後も人材ニーズは活性化するものと想像しています。
キャリアパスとして再生支援から成長支援へと業務の幅を広げていらっしゃる方やM＆A業界へ転身される方などもいらっしゃいます。
担保物件の管理や処分に関する知見
担保物件の評価や管理、処分の経験を活かして、異業種へ転職される方もいらっしゃいます。
例えば、＜不動産＋金融＞の知見を活かして不動産ファンドを含む広義の不動産業界へ転職される方や、特定の動産に係る評価や管理の知見を活かして、よりニッチな金融関連業界へ挑戦する方などがあげられます。
また、＜物と金融＞双方の知見があるということから、メザニンレンダーやリース会社とは相性がいいようです。
ファイナンス
債権の査定や購入時の審査経験がある方は、投資サイドのポジションも選択肢となります。
不良債権を投資対象とする投資会社はもちろんですが、周辺の知見によっては企業投資や不動産ファンド等のポジションにも親和性があります。
また、レンダーサイドでの審査関連業務でもニーズはありますので、同スキルを活かした転職をお考えの方も是非相談いただけますと幸いです。
法務、税務などの知見
債務免除に伴う税金の把握、他の債権者を含めた当事者間の権利調整など税務や法務と近しい業務を行っている方からも多く相談いただいています。
事業再生の専門会社へ転職される方に加え、その専門性を更に深めるため税理士事務所や法律事務所などを志望される方もいらっしゃいます。
同業界においても、税理士や弁護士資格がマストではない案件も増えていますのでご興味ありましたら是非ご相談下さい。
＞サービサー関連の求人案件に精通しているコンサルタントに相談する
３．転職事例
上記では企業さまからニーズの高いスキルや経験を整理しましたが、
ここでは転職希望者さまからよく頂く希望や実際の転職先について、いくつか代表的なものを整理しました。
具体的な社名を含めた事例については伏せさせていただきますが、キャリア相談を通してより突っ込んだ話をすることは可能ですので、ご興味のある方はお気軽にご連絡下さい。
・無担保債権⇔有担保債権
・担保物件の別
・投資スタンス／回収スタンス
・業務範囲の別
・その他
上記のようなサービサー間の転職相談は安定していただいております。
「有担保債権に挑戦したい」、「回収のバリュエーションを増やしたい」、「ソーシングにも挑戦したい」、「長期目線で再生型の回収をやりたい」など様々なニーズにあった求人をご紹介させていただいています。
・金融機関（レンダー／審査／債権管理など）
・投資ファンド（不良債権投資／不動産ファンドなど）
・事業再生コンサル、Fas
・事業会社（債権管理）
・格付会社、シンクタンク
・会計事務所・法律事務所など
より得意分野に特化したい、これまでの経験やスキルを評価してくれる異業種にも挑戦したいという相談も多くいただきます。
具体的に業界が絞れない場合には、できるだけ広く選択肢を提供できるよう心がけています。
「○○業界に挑戦したいが、何をやるのかわからない」、「サービサー以外でスキルが活かせる業界を希望しているが、どこが合うのかわからない」などのご相談も大歓迎です。
・上記②の裏返しになりますが、異業種からサービサーに転職される方もいらっしゃいます。
「業務を通じてサービサーに興味を持ち、同業界に挑戦したい」という相談も度々いただきます。
異業種からのサービサー業界への転職についても、面接対策含めて支援させていただきます。
４．最後に
以上、サービサーを切り口にした転職について整理いたしました。
狭い業界ということもあり、ご自身の強みや可能性に気づかれていない方も多くいらっしゃるのがサービサー人材の特徴でもあります。
同業界出身のエージェントとして多くの選択肢を提案することで、介在価値を提供できれば幸いです。
ご相談だけでも大歓迎ですので、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。