融資系・市場系事務(バックオフィス)からITアーキテクトへの転職ステップ

はじめに

金融機関のバックオフィスにおける融資や市場取引の事務経験は、業務知識とシステム要件の橋渡しができる「ITアーキテクト」としてのキャリアに直結します。実務に精通した視点から業務設計やIT要件定義に関与できる人材は、金融業界のDX推進において極めて貴重です。本記事では、融資系・市場系事務からITアーキテクトへ転職するためのステップを詳しく解説します。

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1. ITアーキテクトの主な業務

  • システムの全体設計(アーキテクチャ設計)
  • 業務要件の整理とシステム要件定義
  • クラウド・API・データ基盤の設計支援
  • プロジェクトにおける開発方針・技術選定
  • ベンダーコントロール・レビュー支援

2. バックオフィス出身者が向いている理由

  • 業務知識の深さ:金融業務のプロセスやルールに精通している
  • 要件定義力:業務視点でシステムに求められる機能を明確化できる
  • 現場との橋渡し役:IT部門とユーザー部門の間をつなぐ力に長けている
  • 改善志向:事務効率化やRPA導入などの業務改善経験がある

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3. 求められるスキルセット

  • システム開発プロジェクトの基本知識(要件定義・設計・テスト)
  • UML・業務フロー作成、業務分析(BPMNなど)
  • クラウド(AWS、Azure)、データベース、API連携の基礎知識
  • Excel/PowerPoint、プロジェクト管理ツール(Jiraなど)
  • 応用情報技術者、基本情報技術者、PMPなどの資格

4. 転職成功のためのステップ

  1. 事務系業務におけるシステム関与実績を整理する
  2. 要件定義・業務設計・改善施策の事例を言語化する
  3. ITスキルや資格の学習を進め、履歴書に明記する
  4. 開発者とのやり取り経験やベンダー調整経験をアピール
  5. 「業務とITをつなぐ力」があることを明確に伝える

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5. 志望動機(例文)

これまで銀行の市場系・融資系バックオフィス業務において、取引処理、帳票管理、リスクデータ対応などに従事してまいりました。業務の中で業務改善・システム導入プロジェクトに関わる機会が増える中、業務部門と開発部門の橋渡しとしての役割にやりがいを感じるようになり、ITアーキテクト職を志望するに至りました。今後は、金融業務の深い理解と改善視点を活かし、より実務に即したシステム設計で貴社のプロジェクトに貢献してまいります。

6. 職務経歴書(サンプル)

【氏名】山田 太郎(仮名)
【連絡先】taro@example.com / 080-xxxx-xxxx

【職務要約】
大手銀行にて、市場系取引のバックオフィス業務(取引チェック、リスクレポート作成)、および融資事務業務(契約書類作成、担保登録、審査補助)に従事。業務効率化の提案、RPA導入、システム刷新プロジェクトでの業務要件整理も経験。今後はITアーキテクトとして業務とシステムの融合に携わりたいと考えている。

【職務経歴】
株式会社○○銀行(2017年4月~現在)
所属:市場事務部 → 融資業務部
職位:主任

■主な実績:
・デリバティブ取引の照合および帳票管理(年間約1万件)
・担保評価システムのリプレース時における要件定義支援
・RPA導入により定型作業の50%自動化を実現
・プロジェクトメンバーとして部門横断の業務改善会議に参加

【資格】
・基本情報技術者
・応用情報技術者(受験予定)
・Excel VBAエキスパート
・TOEIC 760点

【学歴】
○○大学 経済学部 卒業(2017年3月)

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)