はじめに
製造業の現場で品質管理・品質保証を担ってきた方が、近年注目されているDX(デジタルトランスフォーメーション)コンサルタントとしてのキャリアに挑戦するケースが増えています。現場改善や品質向上に関わる中で培った課題解決力やプロセス理解は、企業の業務改革やIT導入を支援するDXコンサルの仕事においても強力な武器になります。本記事では、品質管理・保証からDXコンサルタントへと転職するための具体的なステップをご紹介します。
1. DXコンサルタントの主な業務
- 業務プロセス分析・課題抽出
- 業務改善・自動化に向けたソリューション提案
- ITツール(ERP、RPA、IoT等)の導入支援
- 製造現場とIT部門の橋渡し
- PoC(実証実験)・システム要件定義・ベンダーコントロール
2. 品質管理・品質保証出身者が向いている理由
- 現場課題への深い理解:実務経験に基づいた課題発見と改善提案が可能
- プロセス思考・標準化スキル:業務フローを体系的に捉える力がある
- 品質基準・マネジメントの知識:ISO等に基づく仕組みづくり経験がある
- 部門間調整・ファシリテーション力:製造・開発・営業との折衝経験が豊富
3. 求められるスキルセット
- 業務分析・業務要件定義の経験
- Excel、PowerPoint、業務フロー図作成スキル
- ERP、MES、IoT、BIツール等の基本知識
- プロジェクト推進スキル(進行管理・課題管理など)
- ITパスポート、基本情報技術者、QC検定などの資格があれば尚可
4. 転職成功のためのステップ
- 現職で取り組んだ業務改善や品質向上の実績を棚卸し
- IT・業務改善の知識を補強(資格取得や研修受講)
- 現場視点を活かしたIT導入プロジェクト経験を整理
- 成果を可視化するポートフォリオを用意
- 「現場起点のDX支援人材」であることをPR
5. 志望動機(例文)
これまで製造業において品質管理・保証業務を通じて、現場改善・業務標準化・クレーム分析・システム対応に取り組んでまいりました。その中で、システム導入や業務自動化の必要性と、その効果を現場目線で実感する機会が多くあり、ITと業務改善を融合させたDX推進に関心を持つようになりました。今後は、現場の実情に根差した課題抽出と実行支援に強みを持つDXコンサルタントとして、貴社のクライアント企業の変革に貢献してまいりたいと考えております。
6. 職務経歴書(サンプル)
【氏名】田中 翔(仮名) 【連絡先】sho@example.com / 080-xxxx-xxxx 【職務要約】 製造業にて品質管理・品質保証業務に従事。不良率削減、標準化、ISO対応、システム導入支援等を通じて、業務の可視化と改善を推進。現場課題を起点としたデジタル活用に関心を持ち、DX推進に貢献するコンサルタント職を志望。 【職務経歴】 株式会社○○製作所(2017年4月~現在) 所属:品質保証部門 職位:主任 ■主な実績: ・不良率削減プロジェクト(前年比▲40%)の主導 ・検査工程の標準化マニュアル作成と教育制度設計 ・品質データのBIツールによる可視化レポート設計 ・ERP導入時の品質マスタ整備、部門間要件調整 【資格】 ・QC検定2級 ・ITパスポート ・TOEIC 730点 【学歴】 ○○大学 工学部 機械工学科 卒業(2017年3月)