はじめに
戦略コンサルタントとして企業の変革や成長支援を担ってきた方が、近年では官公庁や自治体、独立行政法人、国際機関などのパブリックセクターへ転職するケースが増えています。社会的インパクトの大きな施策を立案・実行支援する立場として、民間で培った課題解決力やデータ分析力、関係者調整力が高く評価されています。本記事では、戦略コンサルからパブリックセクターへ転職するためのステップやポイントを解説します。
1. パブリックセクターにおける主な職務内容
- 政策の企画・立案・制度設計支援
- 公共サービスの改善・DX推進
- 行政運営における業務改革支援
- 補助金・委託事業のモニタリング・評価
- 多様なステークホルダーとの合意形成
2. 戦略コンサルタントがパブリックセクターに向いている理由
- 構造化・論点整理スキル:複雑な社会課題の分解・可視化に強みを持つ
- 政策KPI設計・モニタリング支援:民間での成果管理経験が活かせる
- 仮説検証・リサーチ力:政策立案におけるエビデンスベース思考に通じる
- 多様な利害関係者との調整:合意形成プロセスの経験が豊富
3. 求められるスキルセット
- 政策形成プロセスの理解(PDCA、行政計画など)
- 社会調査・エビデンス活用(ロジックモデル、インパクト評価)
- 定量・定性リサーチスキル
- ドキュメンテーション力(報告書・政策提言書など)
- 公共部門特有の制度・予算構造に関する知識
4. 転職成功のためのステップ
- 公共性の高いコンサルPJ(インフラ・教育・医療・地方創生など)経験を棚卸し
- 官公庁・自治体の制度や動向(例:デジタル田園都市構想、自治体DX)を調査
- 政策評価やEBPM(証拠に基づく政策立案)への関心を明示
- パブリックセクター志望理由を社会課題ベースで言語化
- 書類選考対策として、論理的かつ社会的意義のある自己PRを準備
5. 志望動機(例文)
これまで戦略コンサルタントとして、民間企業の成長戦略・業務改革・新規事業立案などの支援に携わってまいりました。その中で、医療・教育・エネルギーなど公共性の高い領域におけるプロジェクトを通じて、社会課題の構造的理解とその解決に向けた中長期的な取り組みに強い関心を持つようになりました。 今後は、民間で培った課題解決力・データ活用力・多様な関係者との調整力を活かし、政策立案・実行支援という立場から社会全体の価値創出に貢献したいと考えております。
6. 職務経歴書(サンプル)
【氏名】高橋 紗英(仮名) 【連絡先】sae@example.com / 080-xxxx-xxxx 【職務要約】 大手戦略系コンサルティングファームにて5年間勤務。官民連携プロジェクト、地域創生、医療制度改革、教育ICT導入支援などの公共領域を含む案件に従事。政策形成支援、合意形成、ロジックモデル構築、KPI設計、エビデンスベース評価の支援経験あり。 【職務経歴】 株式会社○○コンサルティング(2019年4月~現在) 所属:公共政策グループ 職位:マネージャー ■主な実績: ・地方自治体向け教育ICT導入ロードマップ策定支援 ・官民共創による高齢者向け医療サービス実証支援(経産省) ・地域交通政策における住民ヒアリングと政策提言(国交省) ・EBPMに基づくKPI設計とモニタリング支援(複数省庁) 【資格】 ・行政書士(学習中) ・統計検定2級 ・TOEIC 865点 【学歴】 ○○大学 公共政策大学院 修了(2019年3月)