業務コンサルタントとして培ったビジネスモデルの分析力、事業課題の抽出力、提案スキルは、ベンチャーキャピタル(VC)業界でも非常に重要なスキルセットです。スタートアップの目利きやハンズオン支援、投資判断において、定量・定性両面のビジネス理解力と実行支援の経験が求められます。本記事では、業務コンサルタントからベンチャーキャピタル業界に転職するためのステップ、必要なスキル、志望動機と職務経歴書の記載例をご紹介します。
目次
- 1. 業務コンサルタントとベンチャーキャピタルの違い
- 2. 活かせるスキルと経験
- 3. 転職を成功させるステップ
- 4. 求められる知識と補完方法
- 5. 職務経歴書の記載例
- 6. 志望動機の記載例
- 7. まとめ
1. 業務コンサルタントとベンチャーキャピタルの違い
項目 | 業務コンサルタント | ベンチャーキャピタル |
---|---|---|
目的 | 業務改善・効率化・成長支援 | 有望企業への投資とバリューアップ |
関与範囲 | 主に中堅〜大手企業 | スタートアップ・創業期企業 |
成果物 | 業務改善提案書、PM支援、要件定義書 | 投資メモ、DD資料、バリューアップ支援資料 |
2. 活かせるスキルと経験
- ビジネスモデル分析・業界調査力
- 財務三表の理解・KPI設計スキル
- 社長層への提案・ファシリテーション能力
- ピッチ資料・事業計画書のレビュー経験
- 現場のハンズオン支援経験(営業・採用など)
3. 転職を成功させるステップ
- VC業界の構造と主な業務を理解する:投資判断、DD、PMI、バリューアップ、EXIT戦略など
- コンサル経験を“事業伴走型支援”に転換する:スタートアップ特有のスピード・変化への対応経験を強調
- スタートアップやテック業界の知見を補完:起業家インタビューやピッチイベントへの参加も効果的
- 志望動機では“事業を見る力と支援したい意志”を明示:投資先と共に価値を創る覚悟を語る
4. 求められる知識と補完方法
- VCの投資プロセスとソーシング・DD・EXITの流れ
- スタートアップ特有の財務・HR・PM課題
- 事業会社のCVCの役割や投資方針
- 参考書籍:『ベンチャーキャピタルの実務』『シリコンバレー式 起業の科学』
5. 職務経歴書の記載例
氏名:佐藤 絵里 生年:1990年生まれ ■職務要約: 業務コンサルタントとして約8年間、製造・小売・IT業界の業務改革・新規事業立ち上げ支援を担当。スタートアップのPM支援や財務KPI整備の経験を活かし、今後は投資・バリューアップ両面からスタートアップを支えるVC業界でのキャリアを志望。 ■職務経歴: ○○コンサルティング株式会社(2016年4月〜現在) ・スタートアップ向けKPIダッシュボード構築、営業戦略設計 ・投資検討先へのDDレポート支援(市場調査・競合分析) ・新規事業立ち上げ支援:業務設計、採用体制構築、PMO ■保有資格: ・中小企業診断士 ・証券アナリスト第1次合格 ・TOEIC 880点 ■学歴: 東京大学 経済学部 卒(2013年3月)
6. 志望動機の記載例
業務コンサルとして、現場に入り込んだ改善支援や事業推進にやりがいを感じてきました。より長期的な視点で企業の成長に伴走したいという想いが強くなり、スタートアップに対する投資・支援の両輪を担うVCというキャリアに強く惹かれています。これまでの事業理解力・実行支援力を活かし、成長企業の価値創出に貢献したいと考えています。
7. まとめ
業務コンサルタントとしての視座の高さ、課題構造化スキル、経営支援の実績は、ベンチャーキャピタルにおいても非常に価値があります。単なる投資判断にとどまらず、成長支援を通じてスタートアップの価値創出にコミットしたい方にとって、魅力的なキャリアパスとなるでしょう。