業務コンサルタントとして培った課題解決力、現場の実務理解、ステークホルダーマネジメントのスキルは、政策立案・行政施策の実行支援といったパブリックセクター領域においても高く評価されます。データに基づいた行政支援、EBPM(証拠に基づく政策立案)、自治体改革、地域活性化など、公共政策における現場の推進力が求められる場面は増えています。本記事では、業務コンサルタントからパブリックセクターに転職するためのステップ、必要なスキル、志望動機と職務経歴書の記載例をご紹介します。
目次
- 1. 業務コンサルタントとパブリックセクターの違い
- 2. 活かせるスキルと経験
- 3. 転職を成功させるステップ
- 4. 求められる知識と補完方法
- 5. 職務経歴書の記載例
- 6. 志望動機の記載例
- 7. まとめ
1. 業務コンサルタントとパブリックセクターの違い
項目 | 業務コンサルタント | パブリックセクター |
---|---|---|
目的 | 企業の業務効率化・業績向上 | 社会課題の解決、公共利益の実現 |
対象 | 企業・民間部門 | 中央官庁、自治体、NPO、市民社会 |
業務内容 | 業務改善、要件定義、システム導入支援 | 政策調査、制度設計支援、EBPM資料作成、施策実行伴走 |
2. 活かせるスキルと経験
- ヒアリング・課題整理・構造化スキル
- KPI設計・データに基づく仮説立案
- ステークホルダーマネジメント
- 提案書・報告書の論理的な構成力
- 現場目線での改善提案・定着支援力
3. 転職を成功させるステップ
- 政策立案プロセスを理解する:計画策定→ヒアリング→分析→制度・施策提案→実行支援
- 業務経験を“社会的インパクト”視点で棚卸し:自治体業務、官公庁との関与経験を強調
- EBPMやロジックモデルの手法に慣れる:政策評価の枠組み、データ活用の考え方を補完
- 志望動機では“民間で培った実行力”を公的価値実現に活かしたい意欲を明示
4. 求められる知識と補完方法
- EBPM(Evidence-Based Policy Making)の考え方
- 政策評価制度(行政事業レビュー、ロジックモデル)
- 省庁の審議会資料、自治体の総合戦略資料
- 公共調達制度、PFI/PPP、地方創生政策
- 参考:『EBPMの技法』『政策形成の実務』
5. 職務経歴書の記載例
氏名:佐藤 絵里 生年:1990年生まれ ■職務要約: 業務コンサルタントとして約8年、業務改革、公共調達支援、自治体向けBPR案件等に従事。特に現場ヒアリングから制度設計に至るプロジェクトマネジメントを得意とし、今後は政策の立案・実行支援を通じて社会課題の解決に貢献したいと考えている。 ■職務経歴: ○○コンサルティング株式会社(2016年4月〜現在) ・自治体:窓口業務の業務改善およびKPI設計(政策評価連動) ・官庁:EBPM資料(調査結果報告+施策提案)作成支援 ・公共インフラPFI事業:事業スキーム策定・効果検証支援 ■保有資格: ・中小企業診断士 ・EBPM技術者研修修了(任意) ・TOEIC 860点 ■学歴: 東京大学 公共政策大学院 修了(2013年3月)
6. 志望動機の記載例
民間企業への業務改善支援を行う中で、公共部門における政策実行の難しさと可能性を感じる場面が多くありました。今後は、データと現場視点を融合しながら、より良い制度設計・行政実行を支援し、地域や社会の持続可能な発展に貢献したいと考えております。
7. まとめ
業務コンサルタントの課題解決スキルやプロジェクト推進力は、パブリックセクターでも高く評価されます。公共性と論理性を兼ね備えたアプローチをもって、社会に影響を与える施策支援に携わりたい方にとって、魅力的なキャリアパスとなるでしょう。