会計監査から業務コンサルタントへ──業務改善と仕組みづくりのプロフェッショナルとして活躍するキャリアステップ

会計監査業務で得られる内部統制や業務プロセスの知識、ドキュメントレビュー力、業務改善提案力は、業務コンサルタントとして即戦力となり得る資質です。業務コンサルタントは、企業のオペレーション改善、システム導入支援、業務可視化など、実務に即した支援を行う役割であり、守りの立場から一歩踏み込んで企業変革をリードする立場です。本記事では、会計監査から業務コンサルタントへの転職を成功させるためのステップ、必要スキル、志望動機と職務経歴書の記載例をご紹介します。

目次

1. 会計監査と業務コンサルの違い

項目会計監査業務コンサルティング
目的財務報告の適正性確認業務効率化・コスト削減・制度設計
主な関与先経理部門、監査役現場業務部門、IT部門、経営企画
主な業務内容証憑確認、統制テスト、財務諸表監査業務プロセス可視化、As-Is/To-Be設計、改善提案

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2. 活かせるスキルと経験

  • 業務フロー・内部統制への深い理解
  • 業務プロセス改善の提案・改善経験
  • ドキュメント整理力・マニュアル作成力
  • ステークホルダーへの説明・調整スキル
  • 業務横断的な視点・客観的な現状把握力

3. 転職を成功させるステップ

  1. 業務改善の定石と成果の測定方法を学ぶ:BPRやRPA導入など実務知識を理解
  2. 自身の監査経験を「業務支援」に変換:内部統制の改善提案や不備指摘の経験を棚卸し
  3. コンサルティングフレームワークを習得:As-Is/To-Be設計、ギャップ分析、課題設定など
  4. 志望動機では“変化を支援する立場”を強調:クライアントとの伴走型支援に対する意欲を明確に

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4. 求められる知識と補完方法

  • 業務改善手法(BPR、業務可視化、PDCA)
  • ドキュメント化スキル(業務記述書、業務フロー)
  • システム導入における業務要件定義
  • プロジェクトマネジメントの基礎知識
  • 参考:『業務改革の教科書』『業務フロー図解の教科書』

5. 職務経歴書の記載例

氏名:佐藤 絵里
生年:1990年生まれ

■職務要約:
大手監査法人にて約8年、会計監査業務に従事。財務諸表監査に加えて、J-SOX統制評価、経理業務プロセスレビュー、業務改善提案など幅広い業務を経験。内部統制や業務手続きの可視化・改善実績を持ち、今後は業務コンサルタントとして業務変革に貢献したいと考えている。

■職務経歴:
○○有限責任監査法人(2016年4月〜現在)
・上場企業のJ-SOX統制文書レビュー、評価(IT統制含む)
・経理業務フローの課題抽出・改善提案支援
・内部監査支援(サンプルテスト・モニタリング設計)
・クライアントのIPO準備企業向け業務整備コンサルティング(非監査)

■保有資格:
・公認会計士
・日商簿記1級
・TOEIC 865点

■学歴:
早稲田大学 商学部 卒(2013年3月)

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6. 志望動機の記載例

監査業務を通じて、制度上の正確性だけでなく、実際の業務フローや作業負荷の非効率性にも数多く触れました。クライアントが変化を求める場面でこそ、第三者視点による改善提案の意義を感じ、今後は業務コンサルタントとして企業の仕組みそのものを変える支援に挑戦したいと考えております。業務視点と制度対応のバランスを持つ人材として、貴社のクライアント支援に貢献したいと考えております。

7. まとめ

会計監査で得た業務プロセスの評価力や統制整備の視点は、業務コンサルタントとしての実行支援業務にも非常に親和性があります。変革に関与し、企業を一歩前進させたい方にとって、業務コンサルタントは最適なフィールドといえるでしょう。

この記事を書いた人

コトラ(広報チーム)