リテールセールスで培った顧客対応力、課題抽出力、提案スキルは、ビジネスデベロップメント(事業開発)という領域においても重要な資質です。現場での感覚を持ちながら、より上流で事業成長やサービス改善に取り組みたいと考える方にとって、ビジネスデベロップメントは魅力的な次のステージです。本記事では、リテールセールスからビジネスデベロップメントに転職するためのステップ、必要なスキル、志望動機・職務経歴書の記載例をご紹介します。
目次
- 1. リテールセールスとビジネスデベロップメントの違い
- 2. 活かせるスキルと経験
- 3. 転職を成功させるステップ
- 4. 求められる知識と補完方法
- 5. 職務経歴書の記載例
- 6. 志望動機の記載例
- 7. まとめ
1. リテールセールスとビジネスデベロップメントの違い
項目 | リテールセールス | ビジネスデベロップメント |
---|---|---|
目的 | 既存商品・サービスの販売 | 新たな収益機会の創出、事業提携、販路拡大 |
対象 | 個人顧客 | 法人・パートナー企業、社内関係者 |
関わる領域 | 販売・接客・営業KPI | 市場分析、戦略策定、プロジェクト推進 |
2. 活かせるスキルと経験
- 顧客課題のヒアリングと提案経験
- 数字を追いかけながらPDCAを回した経験
- 現場起点での課題発見・改善提案力
- 社内外関係者との信頼構築スキル
- 提案資料・報告書作成スキル
3. 転職を成功させるステップ
- ビジネスデベロップメントの定義を理解:営業との違い、事業開発のフェーズ感を把握
- 自身の営業経験を構造化:課題→仮説→提案→成果の流れを言語化
- ロジカルシンキングの訓練:仮説立て、競合比較、分析視点を磨く
- プロジェクトマネジメントの基礎を学ぶ:スケジュール設計、関係者調整、報告力など
- 志望動機には「仕組みを変えたい」意識を:売る側から“つくる・伸ばす”側への意志を表現
4. 求められる知識と補完方法
- 市場・競合分析手法(3C、SWOT、STPなど)
- プロジェクト推進の基本(WBS、KPI設計など)
- SaaSやデジタルマーケティングの基礎
- 資料作成力(論点整理・構造化)
- 参考:『THE MODEL』『ゼロから始めるビジネス開発』
5. 職務経歴書の記載例
氏名:佐藤 絵里 生年:1990年生まれ ■職務要約: 大手金融機関にて8年間、個人顧客向けリテール営業に従事。課題ヒアリング、運用提案、関係構築に強みを持つ。顧客との接点を通じて「サービス設計そのもの」に課題意識を持ち、社内業務改善や企画提案も経験。現場視点を活かして、より上流で事業づくりに関与するビジネスデベロップメント職を志望。 ■職務経歴: ○○証券株式会社(2015年4月〜現在) ・年間新規開拓50件以上、預かり資産20億円以上担当 ・リード顧客の行動データ分析とメール配信設計を社内提案 ・営業手法の標準化プロジェクトで支店間連携を推進 ・社内提案制度で新サービス案が採用(教育向けパッケージ) ■保有資格: ・証券外務員一種 ・FP2級 ・TOEIC 825点 ■学歴: 中央大学 商学部 卒(2013年3月)
6. 志望動機の記載例
営業現場で多くのお客様と向き合う中で、「なぜこのサービスが使いづらいのか」「なぜこの情報が届かないのか」といった課題に直面し、自ら改善提案を行ってまいりました。今後は、課題解決に加えて、仕組みづくりや価値の創出そのものに関わりたいと考え、ビジネスデベロップメント職を志望いたしました。現場視点と実行力を強みに、貴社の事業拡大に貢献できると確信しております。
7. まとめ
リテールセールスで鍛えた課題発見力、実行力、現場感覚は、ビジネスデベロップメントにおいても非常に重要です。顧客に近い経験を土台にしながら、より大きな価値創出に挑むキャリアへの第一歩として、事業開発の道は非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。