デジタル戦略の重要性が高まる現代、マーケティングや企画職で培った「戦略思考」「ユーザー起点の発想」「データ活用力」を活かして、ITコンサルタントへの転職を目指す方が増えています。ITコンサルタントは、業務課題をデジタルの力で解決するプロフェッショナル。DX(デジタルトランスフォーメーション)に関心のあるマーケティング・企画出身者にとって、非常に親和性の高いキャリア選択と言えるでしょう。
本記事では、マーケティング・企画からITコンサルタントへの転職を成功させるためのステップ、求められるスキル、キャリアの描き方、志望動機と職務経歴書の例文まで、実践的に解説します。
目次
- 1. マーケ・企画とITコンサルの違い
- 2. マーケ出身者がITコンサルに向いている理由
- 3. 転職を成功させる5つのステップ
- 4. 求められるスキルと補完ポイント
- 5. 職務経歴書の記載例
- 6. 志望動機の記載例
- 7. まとめ
1. マーケ・企画とITコンサルの違い
項目 | マーケティング・企画 | ITコンサルタント |
---|---|---|
目的 | 売上向上・認知拡大・事業推進 | 業務改革・システム導入支援・DX推進 |
関与領域 | 顧客ニーズ分析、施策設計、効果検証 | 業務プロセス分析、要件定義、ソリューション提案 |
主な成果物 | キャンペーン設計書、ブランド戦略、KPI分析レポート | 業務フロー設計書、要件定義書、PoC報告書 |
2. マーケ出身者がITコンサルに向いている理由
- データ分析力:マーケティング指標の理解やBIツール経験が活かせる
- ロジカルシンキング:仮説思考+顧客起点での課題整理ができる
- コミュニケーション力:社内外を巻き込む調整・提案力が強い
- DXへの関心:CRM、MA、BI、Web分析などに触れてきた経験
- ビジネス理解:売上責任や事業戦略を担っていた経験
3. 転職を成功させる5つのステップ
- ITコンサルの業務理解を深める:どの工程にどんな役割があるか(要件定義〜導入)を理解
- 業務棚卸しと翻訳:現職での課題設定・施策実行経験を「ITコンサル視点」で言語化
- 業界研究:SIer系、外資系、総合系、DX特化など、ファームごとの違いを理解
- 学習アピール:ITパスポート、Salesforce Trailhead、マーケDXの勉強なども加点対象
- 志望動機を明確に:「顧客課題を構造的に解決したい」「自ら変革を起こしたい」など
4. 求められるスキルと補完ポイント
- 業務理解:業務フロー図の読み書き(BPMN)
- ITリテラシー:SaaS、CRM、ERP、RPAなどの基礎知識
- プロジェクト推進力:WBS、進捗管理の経験があれば強い
- Excel/PowerPoint:分析資料・提案資料の作成スキル
- 学習意欲:資格取得(ITパスポート、Salesforce認定資格、PMBOKの理解など)
5. 職務経歴書の記載例
氏名:青木 智子 生年:1990年生まれ ■職務要約: 大手事業会社のマーケティング戦略部門にて7年間勤務。新規サービス立ち上げから運用、KPI設計・分析、Webプロモーション、顧客育成施策の設計まで幅広く従事。近年はデータを活用したMA設計、BIツール導入支援にも関与。今後は、より構造的に企業の課題を分析し、ITを軸に業務改善やDX推進に貢献できるITコンサルタントへの転身を志望。 ■職務経歴: 株式会社〇〇〇〇(2016年4月~現在) 部署:マーケティング戦略室 ・月間100万UUのWebサービスにおけるプロモーション施策の設計と実行 ・GA、BigQueryを活用したデータ分析とKPI改善 ・Salesforce Marketing Cloudを用いたMA設計・施策自動化 ・BIツール(Tableau)導入プロジェクトにおける要件定義支援 ・CS部門との連携によるオンボーディング改善PJ推進(部門横断) ■保有資格: ・ITパスポート ・Salesforce認定アドミニストレーター(取得準備中) ・TOEIC 820点 ■学歴: 明治大学 商学部卒(2013年3月)
6. 志望動機の記載例
【志望動機例】
私はこれまで、事業会社にてマーケティング施策の設計や顧客データ活用、MAツール導入・運用に携わってまいりました。現場での課題設定や、部署をまたいだ業務改善プロジェクトに取り組む中で、より構造的に企業の業務全体を捉え、最適なIT活用による課題解決に携わりたいと考えるようになりました。ITコンサルタントとして、貴社のもとでさまざまな業界・企業のDX支援に関わり、自らも成長しながら価値ある変革を実現していきたいと考えています。
7. まとめ
マーケティング・企画職の経験は、ITコンサルティングの現場において大きな武器になります。特に「顧客起点」「構造的課題の理解」「定量データの活用」「部署間の調整経験」などは、ITコンサルタントに求められる資質と重なっています。
業務知識やツールへの理解を深め、自身のキャ